2023マンガベスト10 その1(堀尾鉱,伏見瞬,風見2,背川昇,竹田純,西瓜士,今井新,関野葵,陰山涼,一のヘ,投擲装置,池袋不敗,水田マル,小野未練,吉田貴司,華沢寛治,永井乳歯,井上まち,井戸畑机,福岡ゆい,みそくろ,ほしがた,ほしがた,ねぎしそ,ななめの,しゃりあ,伊東黒雲,モバイルいわし,yaca,中野でいち,小出よしと,今井哲也 ,ツムラネオ,さのさくら,人間が大好き,ジュンスズキ,八月のペンギン,佐藤タキタロウ,okadada,gaburyu, ふぢのやまい,シャルトリューズ山田,marit

 

みんなの2023年のマンガベストです。ドタバタしていて遅くなっちゃって諸々遅れてすいませんでした。みなさんありがとうございます。敬称略の順不同。

 

 

その2

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その3

 

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その4

 

exust.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

佐藤タキタロウ

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1.フラッシュ・ポイント 今井新

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中盤の超展開凄すぎる

2023ベストにしない理由無い

 

2.アンチマン 岡田索雲

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主人公が執拗に右であり、下手であり、ネガティブを向き、ネガティブへ進んでいき、漫画の登場人物が左へ向かい始めた時に主人公が初めてポジティブな行為に及ぶ「動き」だけでアゲてくるのが熱い

 

3.脳外科医竹田くん

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常に画面が暗い 薄明かりみたいな演出がおもろさを加速させてる

4.夏・ユートピアノ ほそやゆきの

 

 

5.砂の都 町田洋

 

 

2023、ジャンプ・ジャンプラ読み切りがあんまりオモロい年じゃなかったのであんまりしっかりしたの作れませんでした…

 

 

投擲装置(鶴田裕貴)

 

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2023年マンガ(鶴田)

順位とかはないです。

 

山口貴由『劇光仮面』

 

 

 

◯◯年のマンガ、とは言うけれど、日本では単一作品を何年もかけて連載し順次刊行することが当たり前なので、「今年」の規模は個々人で勝手に設定するしかないし、多分その規模は往々にしてカレンダーで測る1年よりも長い。高速で消費できるメディアである一方で、「バズり」と言うほど短期間で燃え尽きない消費のあり方がマンガにはまだ残っている。今年1巻が出たマンガでなくても、今年出た巻が面白ければそれは「今年」のマンガだし、もっと言えば1巻の時点で面白いことを要求しすぎるのも厳しくないか。2年かけてようやく全貌が見えてきた『劇光仮面』。ヒーローの変身という、その気になれば2コマで終わらせられるシークエンスに、多くのコマと言葉を挟み込むこと。時間をかけること。とにかくみんな落ち着け。

 

 

・ノッツ『好き好きだいちゅきつよつよソード』

 

 

 

それはそれとして1コマにめちゃくちゃ情報が詰め込まれてるマンガも面白いよね。起承転結が全部詰まっているコマをモジュール的に連結させていく画面。コマの空いてるところに本筋と関係ないボケも描き込んじゃう。キャラも爆速で増えていく。絵柄とかペンタッチとかそういうのとは別の、情報密度の過剰さという次元で作者の息遣いを感じる。

板垣恵介『自伝板垣恵介自衛隊秘録~我が青春の習志野第一空挺団~』

 

 

 


バキシリーズもある時期からウダウダ間延びするようになったけど、よくよく思い出してみれば板垣恵介は当初から運動の人である以上にロマンティックな内面描写の人だった気がするし、内面の話するなら話が長くなるのは当たり前ですね。この自伝的マンガはそういう、少女マンガ的板垣恵介?みたいなものの真髄を見せつけてくれる。各章の描かれた時期がバラけていて作者の文体の変化がわかりやすく見て取れるのも楽しい。口を大きく描いた顔の演技から、隠喩や象徴への移行、的な。

 

・茅原クレセ『星屑の王子様』

 

 

19世紀末の米国コミックスなど読んでいる身としては、マンガの起源にはスラム・ツーリズムがあったのだと言いたい。スラムでも新宿でも、見る側のある種のエキゾチシズムやオリエンタリズムと切っても切れないにせよ、クソ野郎・クソアマだけで構成されるクソシステムが、遅かれ早かれ破局的に停止する気もするけどさしあたり走っていること、そのユーモアと寛容さ。そういう世紀をまたいだ「今年」もあるわけです。なんか最近は普通の歌舞伎町残酷物語みたいな展開になってきて不安だが……。

 

 

・吉沢潤一『アタックシンドローム類』

 

 

年末滑り込みで出た4巻がとにかく最高。ムカつく著名人の顔面を変形させまくると超楽しい!机の角をめぐるマルクス超訳みたいな説教が特に良い。とはいえ更に注目すべきは、結末に向けて深まっていく左翼的思考とその自己反省だ。カウンセラーに向かって類が語ることは見た目に反して結構まとも、というかほぼ『監視資本主義』の議論なのだが、アテンション・エコノミーに組み込まれることに抵抗して地肌の接触に回帰するといういかにも左翼的なプロジェクトは、筋は通っていても実現可能性がほとんどない。気づけば類の顔も酷く変形している。結局、ビッグテックのプラットフォームを介して届けられた動画が希望らしきものを見せる。たぶんSNS経由でこの記事を読んでいる私やあなたのためのロマン。

 

・ナガノ『ちいかわ』(島編)

 

 


出たぞ、こいつがアテンション・エコノミーの覇者だ!なんか、もはや『ちいかわ』はシステムとして確立されきっていて、我々は消費者として上手いこと踊らされている感じもするけど、我々人間には機械に組み込まれて余剰資本を生み出す部品にされてしまうことを、そう自覚しながらも享楽してしまうことがある。ああまで言葉を廃したマンガを自分は読めるということの自尊心、ちいかわグッズを買っているだけで原作は読んでいない巷の連中、という実在するのか怪しい存在を想像し、連中にはこんな洗練されたマンガは読めないだろう、という臆断に基づいた優越感、に基づいてちいかわグッズを買う我々。どこか騙されている気がするという感覚はキャラの「かわいさ」に予め組み込まれた成分なのだろう。

 

 

・六志麻あさ/業務用餅/kisui『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~』

 

 

 

「暗殺の母」は2023年のベスト・キャラクターです。絶対こんなに活躍させるつもりで登場させたんじゃない。「半分」が大きくかましながら出てきた割に今ひとつキャラが弱いのは、キャラ自体が勝手に駆動するときのキャラと作品との摩擦みたいなものがないからだと思う。ミラベルのくだりから年単位で時間が経っているのも関係している気がする。たぶんこういうのを器官なき身体っていうんじゃないの。知らんけど。

 

 

・横谷加奈子『遠い日の陽』

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個人的2023年ベスト短編。写真に対する情動の行き先が分かっていない中盤が特に面白い。メルカリで子どもの写真買うことが性欲と無関係なわけないだろというところをきっちり拾ってくれて嬉しかったし、送られてきた全裸写真がちゃんとエロく見えるのも偉いなと思った。大人の写真が送られてきて、チヒロ君の表象が思春期から切断されることがそのまま主人公の社会化を意味する、だからチヒロくんと主人公の姿が似ている。

 

阿部共実『潮が舞い子が舞い』

 

 


2023年は『潮が舞い子が舞い』が完結した年です。でも完結巻よりも9巻が好きです。彼に「そんなことないよ、大丈夫だよ」と言ってやる大人の役を読者にやらせるのが憎いですね。子どもだけでできた危なっかしい場所がフラフラしながらなんとか保っている様子の美しさですね。よくできた大人も、逆に分かりやすく悪い大人も出てこないのが嬉しかった。

 

 

TONO『チキタ☆GUGU』

 

 


2023年に出たマンガじゃないけど、2023年に俺が読んだ中で一番すごかったマンガ。人が生きたり死んだりなんて本当はどうでもいいことなんだ、というゼロ水準から出発して初めてわかる愛やいくつしみ、そしてそれらが生成する過程についての哲学。愛のカテゴリを細分化していくのではなく、カテゴリ以前の生成プロセスが重要なのだ。人間一般に対する博愛なんてあるわけないからこそ、特別に愛する個人のうちにどうでもよかった死を再発見しなければならない。今のマンガではないが、今読むべきマンガ。タイトルの表記が全然安定しないけどこれでええのか。

 

 

永井乳歯

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今年は色々あってあまり漫画を読めなかったのですが、印象に残ったものを挙げます。

それぞれへのコメントは割愛しますが、ひとつだけ言うと。良さを言語化して解説したくなるタイプの作品とそうでない作品がありますが、それはその良さがどれぐらい言語化可能かどうかとはまた別軸だなとつくづく思います。

 

司書正

 

 

 

出会って4光年で合体

 

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A perfect day

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アンチマン

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異世界マッチング支援業者

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西瓜士

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ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話 さとうはるみ

 

 

とにかく大ゴマ・見開きの使い方が面白い

基本はおじさんの変顔でリズムを作りつつ大筋も用意し、コーラ、ポイフルなどによる小物の活用が巧みで満足度が非常に高かった

 

春あかね高校定時制夜間部 heisoku

 

 

エピソードのディティールがものすごく細かく、大きな縦筋ではなくディティールによって進めるコメディで地力の高さを感じた

 

フラッシュ・ポイント 今井新

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今年はフラッシュ・ポイントがすごいよと聞いて読んだら文句なく凄かったので

 

 

うつ病になってマンガが描けなくなりました 相原コージ

 

 

エッセイ形式なのですが、「うつ病になった自分の奇妙な行動・思考は他者が読んでも面白いだろう」という他者性がとにかく鋭い

 

おいしい二拠点 イシデ電

 

 

こちらもディティールものだが、夫婦間のぶつかり合いなどウェットに進みそうなところを常にユーモアで回避していて漫画という媒体であることの意義を感じる

 

 

スーパーベイビー 丸顔めめ

 

 

前年も入れたのだが「九州出身者と東京出身者のカップルが地方において愛を肯定する」エピソードを描いた5巻が2023年に刊行された時点で今年も入れざるを得ない

「住みませんか荒尾(熊本の地方部)に」⇒「らくぴ免許は?」のシーンは、都会から地方に、地方から都会に幻想を抱く我々への鋭くも愛にあふれたカウンターになっている

 

ねずみの初恋 大瀬戸陸

 

 

恋人がヤクザにボコボコにされてしまったお詫びとして主人公の少女・ねずみがそっと乳首を見せるシーンですごい漫画が始まるというワクワク感がある

 

 

脳外科医竹田くん 作者不詳

 

dr-takeda.hatenablog.com

実在の事件・不祥事を追及した漫画であり、特に自分も被害者のご家族のブログなどをずっと読んでいた身としてベストとして取り上げることを躊躇したが、あまりにも漫画として読者に届けることを念頭に置いた作りになっていたため挙げさせていただきます

 

二階堂地獄ゴルフ 福本伸行

 

 

第一話がとにかく鋭い この一話だけでも読む価値がある

 

関野葵

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「上京生活録イチジョウ5」協力:福本伸行

 

 

 

 

「下北沢バックヤードストーリー」西尾雄太

 

 

 

「糸を撚る」 高柳カツヤ

https://amzn.to/3vEwTuv

 

「路傍のフジイ」 鍋倉夫

 

 

 

「スカライティ2」日々曜

 

 

「這い寄るな金星」華沢寛治

 

 

「スーパースターを唄って。」薄場圭

 

 

「天国」ゴトウユキコ

 

 

「付き合ってあげても良いかな11」たみふる

 

 

「東京ヒゴロ3」松本大洋

 

 

 

吉田貴司

https://x.com/yoshidatakashi3?s=20

 

普段あんま漫画を読まないんですが、ご縁をいただき参加させていただきました。

来年はここに自分の漫画も紹介されるように頑張ります。

中高一貫!!笹塚高校コスメ部!!」4巻まで発売中!

 

平凡倶楽部 こうの史代

 

 

こうの史代作品を今年はいくつか読みました。「長い道」も好きなんですが、あえて「平凡倶楽部」で。

こうの史代先生のエッセイなんですが、その中で東京都青少年保護条例について、こうの先生自身が東京都庁青少年課に「青少年にとって有害な性とは何か」を直接聞きに行くという回があって、とても感動しました。

「性的な対象」とはどういうものか、人間は「性」という要素を切り離して人の心に響く作品を作ることが出来るのか、ということをものすごく分かりやすく、真摯に、穏和に、ユーモラスに、でも極めて論理的に聞き取り取材がなされています。

とてもよかったです。

 

MUJINA INTO THE DEEP 浅野いにお

 

 

浅野いにお先生の最新作。初回が掲載されたスペリオールを買いました。

アクションの構図がかっこいいんです。

ここで気持ち悪いことを言ってしまいますが、ショートパンツの足の付け根のあたりの描き方が妙に肉感的といいますか、足の付け根、太ももの膨らみ具合の描き方にフェチズムを感じます。

主人公もショートパンツで戦うし、1話目のクライマックスの見開きもあおり気味のショートパンツです。

ショートパンツの向こうに広がる緻密な背景、架空都市。

2巻も楽しみにしています。

 

自伝板垣恵介自衛隊秘録

 

 

板垣先生が自衛隊にいた時のことを描いた漫画です。

その中で「オナ禁」の話があるのですが、爆笑しました。

プライベートで「オナ禁」をしている友人がいるのですが、彼と「オナ禁論」で盛り上がりました。

2023年。いい年でした。

 

ようこそファクトへ 魚豊

 

 

若かった頃よりはたいして漫画読まなくなってしまったんですが、今年読んだ漫画の中では一番面白かった作品です。

昔からみんなの周りにあるはずなのに、これまで誰も扱ってこなかった題材、それだけで「ああ、やられた!」と思いました。

僕も貧乏だったということもあり、貧乏だと食べるものも、見聞きする情報もカロリー高めになりがちというか、持たざる若者からの景色にとても見覚えがあって、初めて「カイジ」を読んだ時のような、「この漫画は間違いなくおれに語りかけている!」と思ってしまいました。

 

黄昏流星群 弘兼憲史

 

 

 

マンガワンで、あるいはKindleでちょこちょこ読み進めているんだけど、まだ最新刊まで辿り着けていません。来年には全巻読めるようにしたいです。

特に面白かった回をメモしているので、全部読み終わった時に「自分はどういうストーリー構成によわいのか」というのを分析しようと思ってます。

 

ジョジョランズ 荒木飛呂彦

 

 

 

「思いついたことをそのまま漫画にしたいんだけど、いざ描いてみると色々整合性がとれないし、何が言いたいのかわからんし、そもそもつまらん。」ということに大体の人はなると思うんだけど、荒木神までなると、その思いついたことをそのまま描くことが出来るのかなー。というようなことを考えました。

小説ならそういうことってできそうな気もするんですが、漫画って描くのに時間かかるし、その間に意識が入り込んでくるじゃないですか。

明晰夢を見ているように、あるいは酔っ払って踊っているように、そんな風に漫画が描けたらどんなに楽しいだろうか思います。

 

水田マル

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1.SPUNK - スパンク! /新井英樹

 

 

2.スキップとローファー/高松美咲

 

 

3.かわいすぎる人よ!/綿野マイコ

 

 

4.自伝板垣恵介自衛隊秘録~我が青春の習志野第一空挺団~/板垣恵介

 

 

5.インターネット・ラヴ!/売野機子

 

 

人間が大好き

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2023年ベストマンガ10選

1 出会って4光年で合体 太ったおばさん

 

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驚くべき美少女、醜い竿役、奇妙なフェチ、○○しないと出られない部屋……。エロ漫画にありがちな都合のいい設定はどのような理由があり、またどのような願いが込められているのか。そして彼らは幸福なのだろうか?おそらく本作はこのような素朴な疑念をとっかかりにして、同様に”都合のいい設定”であるところの生命、地球、宇宙、そして更なる高次元にまで射程範囲を広げて根源的な問いに発展させ、ベタにメタに考え尽くした結果生まれたのではないかと思う。

 はじめは癖のある伝奇エロスと教養ネタに下ネタを絡めたナンセンス文学に見えるかもしれないが、読み進めるうちに壮大な仕掛けや著者の恐るべき知識の深さ、興味の広さを知ることになる。漫画においては禁じ手ともいえる大量の地の文が膨大な思弁を語って小説と漫画の境界を越え、様々な対象へと視点が切り変わり、認知の限界を超越し、そうして世界とその外側を少しずつ明らかにしていく。物質の発生から人類の歴史に至るまでひとつの宇宙の歴史が、様々な誰かの語りによって編まれていく。そこには常に祈りがあった。そうした宇宙の歴史をたどる遠い旅路の果てで、この問いの原点であるただひとつのセックスへと回帰する。ゆえに本作は必然的にエロ漫画として描かれなければならなかった。この作品はすべての生を肯定する賛歌なのだと思う。

 

2 遠い日の陽 横谷加奈子

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 主人公のある高校生が、偶然にフリマアプリで見つけた知らない誰かの幼少期の写真を購入するところから物語は始まる。写真をきっかけに、あまり前向きでない今の人生と違って愛されていたと実感できる幼少期に思いを巡らせる主人公。アプリを通じてごくわずかに交わされた奇妙な交流が、その後の人生に意外な影響を与える。

 この作品の魅力は飾らなさがもたらすリアリティにあるのではないかと考える。背景事情の理解に必要なものごとは最小限のコマや絵だけで示され、読者に向けた過剰な説明感は全くない。何かドラマチックに山場を作るような演出上の作為も入らず、またこの奇妙な交流の回数も決して多くはない。どこで何が起き、どのあたりでクライマックスに入るのか、そうした予感もおそらくは意図的に排除されている。この作為の徹底した排除は人生は誰かに見せるためのでもないしドラマのように何かが予告されるものでもないというリアルでドライな視点のようでいて、一方でこの作為がないからこそ、自らの偶然の行動や奇妙な縁が人生のターニングポイントを作り出すことの不思議さや面白さが説得力を持つのではないかと思う。賛歌ではない形で人生を称えることもできるという驚きがある。

 

3 マグロちゃんは食べられたい!  はも

 

 

 マグロ大好きな少女・みさきが釣り上げたマグロが美少女・まぐろに変身し、食べてほしいと迫ってくるところから百合風味のドタバタ同居コメディが始まる4コマ漫画。元マグロがいる隣で主人公がマグロを食べていてもマグロの世界では共食いは普通だったので気にしない、というようなエッジの効いたきわどいギャグを次々と繰り出しながら、笑いを装って人と魚の価値観の断絶をこれでもかと突き付けていく。この元マグロの少女・まぐろは人間が素朴に抱く家族愛や友情といったものを持ち合わせておらず、自然の摂理に沿って捕食されて死ぬことが幸福という揺るがない信念を抱いており、さながら『ミノタウロスの皿』のような状況で結末が先延ばしされ続ける。さらに主人公・みさきはマグロを食べないでいると体調を崩すほどにマグロを好んでおり、人間でありながら生態系の頂点捕食者のような性質をもっていることをこれまたギャグを隠れ蓑にして示し、魚側の倫理に従ってしまいかねない危うさを示唆する。しかし本作の最大の見どころは悲劇的な結末の予兆ではなく、互いに深い断絶を抱えて分かり合えずにいても結論を急がず、一時的であっても楽しい時間を過ごすことができる……という、『ミノタウロスの皿』より更に先に進んだ主張ではないかと思う。安易な相互理解を描かず、理解できなくてもいっときの共存はできるということを描き続ける姿勢に胸を打たれた。

4 SAN値直葬!闇バイト ムクロメ

 

 

 金欲しさにクトゥルフホラー風味の怪しいバイトにいそしむ女子高生を描く、基本的には1話完結のホラーコメディ。といってもまんがタイムきららのギャグ漫画の世界だから”基本的には”誰も死んだり発狂したりはしない。そうしてこの世界のリアリティラインに馴染んできたころに、いつのまにか背景が黒ベタ塗りに変化してギャグ時空が崩壊、本当に人が死んだり発狂したりしかねない危機的状況が訪れる。何とかその難局を切り抜けるといつのまにか元のギャグ時空に戻っていて、読者は煙に巻かれたような違和感を覚えつつもいつものギャグでひと笑いして読み終えることになる。だがよく考えるとクトゥルフホラーのような仕事をやっているにもかかわらずギャグと認識している普段の方が狂気では……?読者は正気と狂気の境を揺るがされ、闇に呑まれていく……。

 掲載誌のカラーを悪用した狂気の演出もさることながらギャグ漫画としての地力も高く、しっかりと笑いを取れるからこそ、このホラーの仕掛けが効果を発揮する。ここに笑いと認識の狂いは紙一重であるという批評性がある。

5 春あかね高校定時制夜間部 heisoku

 

 

 春あかね高校定時制夜間部に集まる個性豊かな生徒たちをえがく青春群像劇。それなりの人数の生徒が何かしらの事情や困難を抱えているが穏やかに受け入れあっていて、時にローでネガティブな空気をまといながらも決して憐れんだり悲観的な結論になったりはしない。この温度感はうつ経験者の肌にとても合うように思う。

 著者の人間観察眼のするどさも本作の大きな魅力だろう。たとえば精神疾患を抱えるキャラクターが、錠剤ではなくエビリファイ内用液のチューブをくわえるシーンは漫画どころか創作の中で観たことがなく驚かされた。同時に錠剤に伴う濫用や依存のネガティブなイメージを排することにも成功しており、ただ珍しいものを見つけて描くのではなく、それを描く意義も含めて練られていることがわかる。1巻完結となってしまったことが惜しまれる。

 

6 破滅の恋人 郷本

 

 

 幽霊屋敷に住む不思議な女性と少女をめぐるエピソードを、実験的手法を多く用いて描く百合漫画作品。

 泡や煙がコマを飛び越えて画面全体を呑み込んだり、額縁がついていたり、背景とコマを越境したり……といった奇抜なコマ割り、未来派の同時主義絵画のように複数の時間と空間を同時に閉じ込めた画面、妄想と現実のシームレスな移動、そうした独特な手法が見本市のように盛り込まれているが、一方でそこには視線誘導など漫画的な意図も込められ、ちゃんと”漫画”として読めてしまう。初見で驚くべき漫画として読んだ後は、今度は画面全体を”絵画”とみなし、秘められたコードを読解するような知的遊戯へ自然にいざなわれてしまう。このような体験は他の漫画では味わったことがない。

7 砂の都 町田洋

 

 

 舞台は砂漠の孤島。ここでは建物は記憶によって建てられ忘却によって崩壊する。そんな記憶と建物をめぐる不思議な物語が紡がれる。

 ミニマルな線と絵柄なのに(だからこそ?)日差し、陰、夜空、水といった光の絡んだ表現が相変わらず抜群に上手い。ミニマルさと相まってそれらは蜃気楼のような手触りをもたらす。そして静寂な風景。静けさを絵で表現できる漫画家って町田洋しかいないんじゃないか。そしてそんな静かな絵だから記憶と建物という物言わぬ蜃気楼のような存在を選んだのではないかと思う。

8 特別支援系地下アイドルユニット ハッピー障害児ガールズ 綿本おふとん

 

 

 先天性四肢欠損、全盲視覚障害、知的障害の女の子三人組が、特別支援学校内で地下アイドルを結成。天皇=アイドルとみなす独自の理論をぶち上げ夢に向かって進んでいく。ところが本作ははじめからアイドル漫画の枠を逸脱し、アイドル論を起点にして日本という国家の正体や政治についての思索を無軌道に繰り返していく。現在の時間軸を描く本筋とは別に未来の予告が頻繁に挿入されて時系列が入り乱れ、様々な悲劇や革命が起こり、そして将来的には天皇位を簒奪してしまうことまでもが示唆されている。障害や天皇といったタブー要素はたしかにインターネットの不謹慎ユーモアのセンスに近しいかもしれないが、本作においては露悪のアピールなどではなく著者は至って真剣に題材を扱い、鋭い批評精神とほとばしる知的好奇心から考察を重ねたうえで挑発的な主張を繰り出しているように見える。ストーリー展開のみならずどのような思想や風刺が飛び出すかも分からない、狂気と知的好奇心のスリルに満ちた無二の読書体験を与えてくれる。

9 ロックマンエグゼ 20年ぶりの同窓会 鷹岬諒

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 往年のロックマンエグゼシリーズを復刻した「ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション」の発売を記念してホームページ上に掲載された、漫画版ロックマンエグゼの描き下ろし特別編。

 ゲームの発売から約20年が経過したことに合わせて劇中時間も本編から20年後。熱斗や炎山をはじめ社会人になった登場人物たちはシルエットで登場して姿が明示されないが、歳を取らないネットナビは当時の姿のままオペレートの機会を待っている。同窓会当日、会場がウイルスに襲われる事件が発生。ウイルスバスティングのため久々のオペレートに挑む熱斗たちはいつの間にかシルエットから20年前の姿に戻り……。

 変わらないネットナビはこのゲームで、かつての姿に戻った熱斗たちはかつてのプレイヤーたちに他ならない。こうした記念漫画が懐かしコンテンツの提供にとどまらず、現代を生きる現実の人間を対象にして祝福するという仕掛けに感動し、ベスト10に選んだ。

10 オタク女子が、4人で暮らしてみたら。 藤谷千明 泥川恵

 

 

 同名エッセイの漫画化。アラフォー独身女性4名の実際のシェアハウス生活が紹介されている。やはり絵が付くと共感や感情移入の度合いが一気に高まる。連載という形式も日々の経過と対応していて良い。

 文字で読んでいた時は気付かなかったが、漫画になってみたら意図は別として萌え四コマのイデアに対する現実側からの反論っぽい。すなわち”同居はだれでも簡単に出来るし、若くて歳も取らないし、時間も進まない”……みたいな都合の良い設定と違って、現実では社会が独身か(男女の)既婚以外に家庭の形態を想定してないから大変だし、そろそろ老後のことも想定しないといけない。そしておれも萌えとか言っている場合ではない。

 

 

 

葉や川いおり

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わたしひとりの部屋/udn

bigcomics.jp

アンチマン/岡田索雲

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あくたの死に際/竹屋まり子

 

 

 

みいちゃんと山田さん/ダイアナ

 

 

 

ずっと青春ぽいですよ/矢寺圭太

 

 

 

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ/魚豊

 

 

 

遠い日の陽/横谷加奈子

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クソ女に幸あれ/岸川瑞樹

 

 

 

恋とか夢とかてんてんてん/世良田波波

shuro.world

ふつうの軽音部/クワハリ

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竹田純

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なんと孫六

 

 

今年は育児と疲労で、ベテランの超長編が面白かった。81巻通して主人公が一番魅力的なのはすごい。

 

ジパング

 

 

自衛隊山本五十六と共闘するトンデモ話を描き切った構想力とスケールすごい。ベストの終わり方。

 

『10DANCE』

 

 

お互いのスキルを交換して社交ダンスの世界を目指す二人のダンサーの話。おもろすぎる。

 

『ラムスプリンガの情景』

 

 

アーミッシュと役者崩れのお話。アニメ化してほしい。

 

『魔都精兵のスレイブ』

 

 

要素てんこ盛りなのだけど、絶妙なバランスでいやな感じがしなくてするする読んでしまう

 

『ミワさんなりすます』

 

 

情報量と出し方がなんか気持ちいい。勉強になる。

 

『Dr.エッグス』

 

 

山形の医大生の漫画。医者の仕事それ自体が刺激的ということがよくわかる贅肉のないマンガ。

 

『この世界は不完全すぎる』

 

 

主人公はバグを見つけるデバッガーで、ゲームから出られなくなる。まじめだけどなかなかうまくいかない人を見てるようでグッとくる。

 

『サチ録』

 

 

気づけばこの漫画の更新を待っている。友達が書いた超絶面白いマンガという感じでいい。

 

『二階堂地獄ゴルフ』

 

 

慣れてるのもあるのだろうけど、圧倒的な読みやすさ。

 

ななめの(織戸久貴)

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・紫のあ『この恋を星には願わない』1

 

 

 

 映画を目指して漫画を構成する作者の数は決して少なくないが、ここまで映像の魔術をコマとして再現できているレベルの漫画があるだろうか。この作者にかかればLINEのチャット画面ですら人間と情緒とリンクしてしまう(当該シーンは2巻に入る予定)。

 

・9℃『幼馴染のお姫様』1・2・3

 

 

 少年ラブコメ漫画/ライトノベルのこれまでとこれからを橋渡ししてくれる可能性を見せてくれた一作。惜しくも4巻で完結となってしまったが、これは読者の側に受け入れる準備ができていなかっただけだろう。

 

・梶川岳『パパのセクシードール』1

 

 

 人間は社会的な生き物であるので、そこに割かれるべきすべての愛がただひとつとの関係に溶けて注がれよとするとき、見出せるのは真実だろうか。惜しくも2巻完結となってしまった。

 

・じゃが『恋文と13歳の女優(アクトレス)』1・2・3

 

 

 アンバランスな関係はフィクションにおいてむしろ心地よさの根拠にもなってしまう。けれどこちらにはその甘い考えをただ殴るのではなく、あたかも毒を盛って戻れなくさせようとする気迫がある。

 

・みそくろ『思春期姉弟』1

 

 

 思春期にはさまざまな扉があるというだけでまるで火薬庫のように見えてくる。

 

・幌田『またぞろ。』3

 

 

 今年最も人間を描いた漫画のひとつ。惜しくも3巻完結。

 

・はも『マグロちゃんは食べられたい!』2

 

 

 クレイジーなテンションで次第にこちらの倫理観を揺さぶってくるということは優れた漫画であるということのはず。惜しくも2巻完結。

 

大武政夫異世界発 東京行き』

 

 

 アクセルを踏み続けてもクラッシュしないギャグ漫画ってなんなんだ。

 

・中西ノブヒロ『恋は忍耐』(未刊行)

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 作者が本気で書けるものを見つけたときにしか得られないものがここにはある。

 

・郷本『破滅の恋人』1

 

 

 百合のストーリーフォーマットでなぜかバンドデシネをやっている。ストーリーの不穏さも心地よさも、視線の流れやコマの切れ味も揃っているのだが、こういうとき「漫画が上手い」というだけの言葉に還元せずに語るためにはもっと読者が必要なはずだ。というわけで読んでください。

 

 

福岡ゆい

https://twitter.com/docomo_fukuoka

 

涙雨とセレナーデ 河内遙

 

 


遠い日の陽(読み切り) 横谷加奈子

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ダイヤモンドの功罪 平井大

 

 


インターネット・ラヴ! 売野機子

 

 


ファミレス行こ。 和山やま

 

 


ふつうの軽音部 クワハリ

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君と宇宙を歩くために 泥ノ田犬彦

 

 


あらくれお嬢様はもんもんしている 木下由一

 

 


花四段といっしょ 増村十七

 

 


1983(読み切り)   すぎむらしんいち

 

 

2023マンガベスト10 その2(堀尾鉱,伏見瞬,風見2,背川昇,竹田純,西瓜士,今井新,酢豚ゆうき,関野葵,陰山涼,一のヘ,投擲装置,池袋不敗,水田マル,小野未練,吉田貴司,華沢寛治,永井乳歯,井上まち,井戸畑机,匿名潟嬢姫,みそくろ,ほしがた,ほしがた,ねぎしそ,ななめの,しゃりあ,meganedesk(メガデス),伊東黒雲,モバイルいわし,yaca,中野でいち,小出よしと,今井哲也 ,ツムラネオ,さのさくら,人間が大好き,ジュンスズキ,八月のペンギン,佐藤タキタロウ,okadada,gaburyu,

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井上まち

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『東京ヒゴロ』松本 大洋

 

 

漫画家と編集者の二人三脚の苦悩が美しい。

長作さんがネームに行き詰まっているとき、長作さんはたった一人きりだけど、担当編集の塩澤さんも静かに苦しんでいるのだ。

漫画家と編集者の関係は綺麗事ばかりではないが、それでも漫画を描くことは綺麗だなと思う。

 

『透明人間そとに出る』路田 行

 

 

恋愛が中心のSF(すこしふしぎ)短編集。

感情の緩急のつけ方が絶妙で、どの登場人物たちもゆるやかに前向き。

恋に主軸を置いた話が多い中で、唯一読後感が違う短編『しばらくハシゴを登ってない』が印象的だった。

 

『砂の都』町田 洋

 

 

フラットな画面で、全体的に物静かな人物が多いが、そのぶん人々の心模様が手の仕草に込められている。

指の握り具合や手首の角度など、手の映ったコマを見返すだけでも面白い一冊。

 

 

『走り出す花びら』甘井 最鹿

 

feelweb.jp

 

 

描くこと以外何もできない主人公が走り出すまでの物語。

その第一歩が「家具づくり」となっている、現実的な着地が素敵です。

 

 

『暗号学園のいろは』岩崎 優次/西尾 維新

 

 

 

見開きの圧倒的な説得力!毎週釘づけです。

 

 

『家が好きな人』井田 千秋

 

家で過ごす人たちの、何でもない幸せを詰め込んだ一冊。

優しい色使いで描かれたインテリアにこちらも愛着が湧いてくる。生活は愛おしい。

 

 

『ひらやすみ』真造 圭伍

 

 

チクチクと少しばかしの痛みも「あるある!」の共感もある、人間味の強い登場人物たちに元気付けられる。装丁の清潔感も良い。

 

『天狗の台所』田中 相

 

日本昔ばなしみたいな暮らし」が丁寧に描かれている。

そこから出来上がる料理を通して、個性豊かな登場人物たちが一様にほっこりしている様子は、読んでいてこちらもにっこりしてしまう。

 

 

『天国大魔境』石黒 正数

 

 


最新刊になって、いよいよ全てが繋がりだしたと思ったら、また新たな謎が出てきて目が離せない。

翻弄され続ける登場人物たちの感情がどう着地するのか今後も楽しみ。

 

ダンジョン飯』九井 諒子

 

ストーリーが面白いのはもちろんのこと、安定した画力と絶妙なギャグの組み合わせが癖になる。

歴史をみていたような読後感。

 

小出よしと

https://twitter.com/oekaki_namekuji

 

九井諒子ダンジョン飯

 

 

芥見下々「呪術廻戦」

 

 

板倉梓「瓜を破る」

 

 

業務用餅 kisui 六志麻あさ「追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~」

 

 

ナガノ「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」

 

 

カルロ・ゼン フクダイクミ「明日の敵と今日の握手を」

 

 

丸木戸マキ「オメガ・メガエラ」

 

 

 

ツムラネオ

https://twitter.com/touhubook

 

CATO SAN/田中六大

taco.shop-pro.jp

 

詩や短歌にも通じる曖昧な世界が美しい。脈絡の無さって最高だ。

 

ともだちFriends/田中六大

古典的ギャグとファンタジーの融合。日常の些末すぎるトピックが絵本や童話のような風景と同居している様が面白い。

くちびるプルプル妖精!

 

ザ・フルーツ・オブ・ハピネス/カナコドンナコ

rookie.shonenjump.com

カナコさんの世界では、本来は悪役であるオオカミも、おめめキラキラで愛らしい。そんなキャラクターたちを待ち受ける後半の展開と表現が素晴らしい。

 

 

シカクイハコのそぞろ歩きシリーズ/アニュウリズム

 

後半に掲載されている『異界の4コマ』シリーズ。異界という我々の理解の範囲を超えている世界の事象が説明を廃されたまま淡々と繰り広げられる。異界の者はこれを読んで笑うのかもしれない。

 

 

ひょんなこと/ネルノダイスキ

 

 

最高です。

 

商店街のあゆみ/panpanya

 

 

最高。

 

 

New! ケキャール社顛末記/逆柱いみり

 

 

最高!!

 

ちいかわ⑹/ナガノ

 

 

まだ読んでない人はぜひ1巻から読んでください。

 

 

もぐらコロッケの苦悶/ナガノ

 

 

「うた」「ゆめ」ときて3巻目が「苦悶」。 

前2巻も内容的には苦悶だったが、今回はネズミをどついてからの言い合いシーンが壮絶で、苦しくて、何度も読んでしまう。

 

まつ毛燃えてなくなりし頃、/にしむらゆうじ

 

目次ページに唐突に出てきた「もくじまん」という本来必要の無い無意味な存在に心を奪われました。

 

 

 

 

背川昇

https://twitter.com/sgw_nobo

 

みなそこにて(3)/冬虫カイコ

 

戦車椅子 -TANK CHAIR-(1)/やしろ学

 

 

 

 

青春リビドー山/位置原光Z

 

 

 

 

一二三四キョンシーちゃん(1)/つのさめ

 

 

スクールバック(1)/小野寺こころ

 

 

 

発達障害かと思ったら統合失調症の一部でした/遠藤一同

 

 

 

トラックドライバーの怪談/ぞうむしプロ

 

 

 

 

君を紡ぐ 総集編/栗原さくら

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2152659

 

月夜の夜理子さん/コチカナオ

 

 

デビルズキャンディ/作:BIKKURI、画:REM

 

 

 

 

ねぎしそ

https://twitter.com/negishiso

 

2023年マンガベスト5

1.太ったおばさん「出会って4光年で合体」

 

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このような作品がこの世に生まれ得ることが、創作者としてあまりに嬉しく、そして悔しい。

 

2.はも「マグロちゃんは食べられたい!」

 

 

ラストは駆け足だが、マグロと人間の視座の違いから生まれる愛情のすれ違いがあまりに愛おしく切ない傑作百合漫画。

 

3.平井大橋「ダイヤモンドの功罪」

 

圧倒的才能を前にして、友人は嫉妬に狂い、大人は狂気に飲み込まれてしまう主人公の苦しみを黙って見届ける作品。

 

4.地球のお魚ぽんちゃん「霧尾ファンクラブ」

 

ギャグの質の高さはもちろん、その連なりを一つの話として纏め切る構成力が素晴らしい。私はこの作品を百合漫画だと信じている。

 

5.トフ子「秘密のお姉さん養成ノート」

 

 

この漫画を読むと、私は普段人間のどこを見ているのだろうと不安になる。同じ人間であるはずなのに、作者と私とでは見える世界があまりに違うことを実感できる作品。

 

 

 

池袋不敗

https://twitter.com/higan_nou?



町田洋 砂の都

 

 

千葉ミドリ 緑の予感たち

to-ti.in

田島列島 みちかとまり

 

 

齋藤なずな 遡る石(読み切り)

bigcomics.jp

朝田ねむい まだら模様のヨイ

 

 

売野磯子 インターネット・ラヴ!

 

 

泥ノ田犬彦 君と宇宙を歩くために

 

 

田沼朝 いやはや熱海くん

 

 

九井諒子 ダンジョン飯

 

 

平井大橋 ダイヤモンドの功罪

 

 


さのさくら

https://twitter.com/sacla07

 

・Bye-Bye アタシのお兄ちゃん 

 

 

 




竹内佐千子先生の作品はエッセイもオリジナル漫画も全部面白いです!悲しいことをきっちり描き切っているのに優しさの土台がしっかりしていて安心して読むことができます。これを読んで起こる感情の波が心地いいです。

薬屋のひとりごと

 

 

めちゃくちゃおもしろいです!一個一個のエピソードのサスペンス度合いがちょうど良くて、しっかり興味を掴んでくれたまま気持ちよくさせてくれます。長髪の美男子に惚れたのは久々です!


・プラスチック姉さん

 

 

今年初めて読んだんですがめちゃくちゃおもしろいです!毎話常識人枠がしっかりあって軸が頑強なので変態が自由にしていてもおもしろがることができるんだなと思います。常識部分とどうにかなってしまっている部分の距離が広く、剛腕で繊細な作品…と思います。





・光の箱

 

 

「うちのクラスの女子がヤバい」から追っていますが、日常におけるトラブルを抽出する力、それを優しくきれいな着地で解決させる力に富んでいる作家さんだなぁと思います。「光の箱」もとても面白いです!





・「マザーファッカーズ」3巻

 

 

最近知った作家さんですがすごく面白いです!絵がとてもきれいで、身の回りの方々のお話を戯画化するのがとても上手い印象です。(愛情を持った目線を感じます)こういう日常エッセイ漫画がすごく好きです!

 

 

げか(陰山涼)

 

https://twitter.com/kage_kyage





1 九井諒子ダンジョン飯

 

 

ついに完結。人類に可能な面白さの上限ぎりぎりまでたどり着いていたと思う。

 



2 施川ユウキ『鬱ごはん』

 

 

5巻収録のエピソードが全てすごい。もはや「鬱」を乗り越え、(あるいは「鬱」によってこそ可能な)最後の希望と言ってよい。




3 月森吉音『ナイトメア・オブ・ドッグス』

 

 

 

犬を虐めるヤツを絶対に許さないという強い意志が異様すぎるイメージとなって現れている。




4 スタニング沢村『佐々田は友達』

 

 

 

2023年でもっとも表現上の独自性を感じたマンガ。





5 ヤマシタトモコ『違国日記』

 

 

マンガの画面とは常に異質なものたちがいくらかの無理を承知で同居する場であり、その寄り合い方こそが映画とは異なる緊張感と可能性をもたらすのだと教えてくれる。




6 小峱峱『守娘』

 

 

あまりにも高度な画面構成。闇を闇として、希望を希望として描く率直さ。鮮烈なイメージ。全てが素晴らしい。

 





7 黒川裕美『贋 まがいもの』

 

 

贋作絵画づくりという内容に説得力を与えられるほどマンガとして絵がうまいのだから、ぐうの音も出ない。

 





8 紺野アキラ『クジマ歌えば家ほろろ』

 

 

最初からずっと面白いが、いよいよ良い。マンガ的な間というものを完全に掴んでいる。

 

 





9 藤田和日郎『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』

 

今や藤田和日郎の真骨頂はこのシリーズにあると思う。驚くべきことに、ここに来て絵の魅力が一段増した気がする。

 





10 飴石『開花アパートメント』

 

 

 

何気ないコマも恐ろしく構図の良いものばかりで、ページをめくるたびに新鮮な驚きがある。





番外 タナカミホ『アスファルトに赤』

 

2024年2月から『FEEL web』で連載開始予定とのことだが、著者本人がイベントで先行配布していた冊子を入手して第1話を読んだ。先の展開が読めない始まり方でとにかく面白く、絵も演出もユニークかつ洗練されている。ぜひチェックしてほしい。

 

 

酢豚ゆうき

https://twitter.com/yukikanayama20

1、東京ヒゴロ

 

 

2、葬送のフリーレン

 

 

3、昭和天皇物語

 

 

4、劇光仮面

 

 

5、ちいかわ

 

 

 

 

 

匿名潟嬢姫

https://twitter.com/tokumegatajyoki

 

1.PPPPPP/マポロ3号

 

 

2.対世界用魔法少女つばめ/マポロ3号

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3.令和元年のえずくろしい/大山海

 

 

4.夏・ユートピアノ/ほそやゆきの

 

 

5.緑の予感たち/千葉ミドリ

to-ti.in

6.定期券/福士開 (アックス151号)

 

 

 

7.↓↓AB←→↑/藤井夏子

https://x.com/perorinkyu/status/1701594858039988378?s=20

8.生活保護特区を出よ/まどめクレテック

 

 

9.スルーロマンス/冬野梅子

 

 

10.幻滅カメラ/鳥トマト

 

 

 

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Yaca

twitter.com

 

【Yaca / YACA IN DA HOUSE】
・「フランケン・ふらん Frantic」(最新巻は8)

 

 


ひたすらにこういうジャンル(ブラックコメディ?)を読みたくなる時期があり、大変救われました
・「ミズダコちゃんからは逃げられない!」

comic-fuz.com


グッドキャラクターデザイン賞
「悪いが私は百合じゃない」

 

 


友人の勧めで読み始めたのですが、4巻で突然本格バトル漫画になるのが非常に良かった
(5巻では普通に戻る)
・はせうまし氏の同居人との記録

 


無限に摂取したい
「本日の卜部さん」

 

イラストや1ページ漫画、短編漫画が混ざってる形式でいい感じなの初めて見た
【成人向け】
ふたなり社会人ドMな後輩とあまあまえっち編

t.co


たいぼく先生の描く感情の入り乱れた表情に魅了され続けています

 

gaburyu

https://twitter.com/gabustep

 

・「ニセモノの錬金術師(KADOKAWA版)」

 

 

 

杉浦次郎先生が2020年からpixiv等で無料公開していた大傑作をうめ丸先生が作画担当し商業化。

元々のラフに慣れていたため開くのを緊張していた、しかし読んでみると世界観の解像度がぐんぐん上昇しニケ100。

 

・「メイドインアビス

 

 

12巻でましたね。

エニメ3期も楽しみそす、でもお話が追いついてしまわないか?

・「リカ先輩の夢を見る」

comic-action.com

そういう厄介な部分を重ねてしまって苦しいよ。

・「ザ・キンクス

comic-days.com

7話が最高。アツい。

・「トミノ

 

AIの忠誠心によってニンゲの醜さがあらわになる、主人公も例外じゃないのがいい。

続きが楽しみです。

・「どく・どく・もり・もり」

 

 

キノコ達の世界のお話、マイタケのキャラデザが好き。

かわいいキャラクター達が過酷な世界で生きている。

序盤の胞子を相手の体内に吹き込んで内側からキノコを生やして爆散させる”キノコグロ”シーンでテンションがあがった。

キノコに感じる何とも言えない不気味さや怖さを上手く表現しているなぁと思いました。

・「出会って4光年で合体」

www.dlsite.com

他にも沢山挙げる人いるだろうけれどあえて。

丁度昔の多元宇宙物小説にハマっている時期に読み、それらの影響で”そういった”展開を考えながら読み進めるのが楽しかった。(多元宇宙の話ではない。)

数学に”詳しい”先輩におすすめして読んでもらい、後日感想を言い合った際そっち分野の知識を元にした面白い考察を聞けて

自分にはまだまだ理解できていない箇所が沢山あるんだろうなぁと思いました。

・「放課後秘密クラブ」

 

 

毎話丁寧で読み応えあります。

キャラクター達も可愛くて良い。

何か物凄いことが裏で起きていそうでなかなか見えないのも良い。

・「火の鳥(望郷編)」

 

 

映画化記念、改めて読むと自分はこんなものを小学生の時に読んでいたのかと。

あの頃図書室で火の鳥を読んでいたあなたに是非もう一度読んでみてほしいです。



今井哲也

https://twitter.com/imaitetsuya


●順位はつけていません。おもに2023年に新刊が出たもののなかで、印象深かったものを順不同(だいたい思い出した順)に書いています。

・heisoku『春あかね高校定時制夜間部』

 

 


 ファッション業界で働くことを目指す主人公は、「自分が着たいデザインの制服がない」という理由で全日制高校への進学をやめ、私服で通える夜間定時制の高校に入学します。ままならない環境、自分自身のつまづき、学校へ通うことへの意欲、年齢も歩んできた人生もバラバラの生徒たちが集まる学舎を舞台にした青春コメディ。登場人物たちの生活感のディテールがひじょうに繊細で、主人公のバイト先の仕事内容とか、夜の校舎とか、人によってはかなりヘビーな過去を背負っていたりもするクラスメイトたちとか、いろんなものがすごく愛らしく魅力的に描かれているのがめちゃくちゃ良いです。めちゃくちゃ良いんですよ。真剣だけどどこか間が抜けていたりして、カラッとした笑いがあるけど真摯で優しい。こんなふうにキャラクターが描けたらなあ…。2023年で1冊あげるなら個人的にはこれ。

・ムクロメ『SAN値直葬! 闇バイト』

 

 


 クトゥルフ神話をモチーフにしたホラーギャグ。謎の怪しげな店長が経営する奇妙なオカルトショップ「輝くトラペゾヘドロン」に雇われた主人公が、高額のバイト代目当てに暗黒ぬい(異星から到来した邪悪な暗黒のぬいぐるみ)を捕獲する仕事に精を出します。暗黒ぬいは見た目は可愛いぬいぐるみだけどそれはいま星辰の配置がカワイイ配置だから力を失ってそうなっているだけで、本当はとても危険で邪悪でこの星に災いをもたらすとんでもない存在なのです。なので捕獲して無力化して売る。めちゃくちゃクセの強い登場人物たちの軽快なやりとりと、設定の力の抜け方とグルーヴ感がすごく良いです。そこに邪神が顕現した瞬間のスッと温度が下がるような恐怖の描写のギャップ、さらにそれを強すぎる金への執着でぶち壊していく主人公のパワフルさ。絵もめちゃくちゃ好き。

速水螺旋人スターリングラードの凶賊』

 

 


 ザ・速水螺旋人のエンタメだ!!! 独ソ戦まっただなかの1942年。ナチにもボリシェヴィキにも属さないアウトローたちの互助組織「十字路砦」に流れ着いた、謎の東洋人ペテン師と2丁拳銃使いの超絶美青年がバディを組んで戦場の裏側を駆け回るガンアクション。まず主人公二人がすごく良くて、とにかく口からでまかせであらゆる人間をコロッと騙す食わせ者のメガネと、卓絶した戦闘技術を持つナルシストのヤリチンが互いにブツクサ言いながら金次第でどちらの軍も欺いたり利用したり、あるいは軍が表立って動けない汚れ仕事を請け負ったりします。ずるくないですか。日に日に激化していく戦場をそこに存在する「裏社会」の視点から描くという道具立てがすごくおもしろくて、しかもタイトルの通り市街戦が始まったばかりのスターリングラードを舞台に物語が始まるのでつねに薄暗い緊張感がある。あと個人的に音の描写がハチャメチャに良くて好きです。ピストルの銃声、古い車のブレーキ音、遠くから迫ってくる爆撃機の編隊のプロペラ音、あちこちで鳴っている音の距離や質感の描き分け方がすごいと思います。第4話の砲撃シーンの見開きをぜひ。

・ともひ『ゆうやけトリップ』

 

 


 2023年に最新巻の2巻が出ました。とある坂道と階段だらけの入り組んだ町で、噂になっている怪談スポットを女の子二人が歩いて噂の出どころを推理したり、単に歩きまわったりだべったりするお散歩漫画。ごちゃごちゃした狭い路地、水路、高低差、時間によって表情を変える夕方の空気、謎解き、最後にほんのり残るミステリアスな雰囲気。どう考えても実在しない場所なのに、日陰の暗さとか空気の湿り気とか知ってるし歩いたことあるという気持ちになるし歩いてみたくなる。とにかくこう…いいんですよ…主人公もかわいいし…絵もすごいし…

・川江康太『鵺の陰陽師

 

 


 週刊少年ジャンプで始まった学園ファンタジーバトル漫画。人間の負の感情に引き寄せられて集まり、人間に害をなす「幻妖」が見える体質の少年。ふとしたことから、自分の通う高校に封印されている強大な幻妖「鵺」に出会った彼は、サブカル好きで人間に友好的な彼女(少女の姿を取っている)からそのお人好しさを気に入られ、彼女の力に惹かれて集まってしまう幻妖を狩るための超常の力を与えられる。という(ここだけ見ると少々ありがちに思える)王道少年漫画…なのだけど、なんか、なんだろう、基本的にバトル以外の日常パートがコメディで進行するんですけど、意外とおもったよりコメディ部分の比重が大きい…というか、大勢の人命を巻き込む事態が進行しつつあるという設定の開示や、力の及ぶ限り他人を救けようとする主人公の真っ直ぐなお人好しさが、常にちょっとわざと拍子を踏み外すような気の抜けた笑いを挟みながら描かれるので、気づくと登場人物たちがみんな一生懸命で可愛くて応援したいやつらになってしまっている。クラスメートたちがみんなバカだけど気のいい連中だったり、主人公に立ちふさがる謎のキャラとかも話したら意外と話の分かる人で互いの妥協点をギリギリ探ることができたり、なんかこう、ウェットにも重たくも説教臭くもなりすぎずに「普通の善良な人が真面目に頑張る」ところをさらっとやっているのがなんか好き。でもジャンプで毎週読んでるときは「この漫画…変!」「変だけど面白い」「けど変」みたいな感想になるんですが…。雑誌で連載を追いかける楽しさも思い出させてくれた作品。

・原作 : 六志麻あさ / 作画 : 業務用餅『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する。〜俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに「強化ポイント」を付与できるし、俺の意志でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?〜』

 

 


 カクヨム掲載のいわゆる異世界モノのコミカライズなのだけど、原作の雰囲気を大幅に逸脱したギャグ漫画に改変されていることで有名な話題作。6巻まで出たんですけど巻を重ねるごとにどんどん面白くなっていて、最近もう原作と違うとか違わないとかはどうでもよくて真面目に続きを楽しみにしています。なんかそれも失礼な話のような気もするが…なんなんだろうこの漫画…。最近の半グレとの抗争(半グレとの抗争!????)とかは半グレたちの行使する暴力や反社会性の描写が生々しくてスリリングだし、ギャグで出てきたウージー短機関銃とかが普通にファンタジー世界の独自のルールの中で再解釈されるし、ふざけて笑い合っている主人公たちがずっと楽しいし、挫折から立ち直ろうとする登場人物たちのもがきが良い。どこに引き出しがあって何が出てくるのか全然わからなくてすごい。

・山田しいた『ITおじさん』

 

 


 2021年に個人で電子出版されていた作品集が、23年にあらためて商業版として刊行されたもの。どこかで見たことある表紙のデザインが良いので紙の本で出たのは良かったですね。
 自分のナウ連載してる漫画ってリアルタイムの現代日本が舞台なんだけどじゃあ現実と同じにコロナ禍を描くべきか? 問題、みたいのがあって、みんなちょっと一瞬どうするのがいいかそれぞれ考えたんじゃないかと思うんですね。大抵の場合やらないという判断になることが多くて、どうしてそうかというとまあこの話長くなるのでやめますけど、いっぽう本作は全力で現在(執筆時点)の最新時事ネタを擦りまくるIT系お仕事ギャグ漫画です。コロナ禍、ステイホーム、ブロックチェーン、クラブハウス(あったなあクラブハウス!!!)…と、今みるとすでに「いま」じゃないネタも含めてその時々の注目の話題がクスっと笑えるショート漫画になっているんですけど、ここに同じ筆致で「(SEの寿命は35歳とよく言われる、その)35歳の誕生日をまもなく迎える男が、就活の真っ最中にリーマンショックが直撃して全てが変わってしまったあのときを回想する」という話が入ってくるのがめちゃくちゃ良かったです。時事ネタって結局数年経って古く見えてしまうことが「やる」上での障壁になるのかなと思うんですけど、本作はその時その時の当事者からリアルタイムで見えていた光景をそのままギュッと書きこむことで、現代という時代がどういうものだったのかをそのまま切り取った、なんか時代を越えた証言というか、なんかそういうパワーを獲得しているような感じがして、まとめて読むと感慨があります。あのころってこうだったんだよね。SEが魔法使ったりしますが…。

・住吉九『ハイパーインフレーション

 

 


 完結巻。「本物と寸分違わない偽札を身体から無尽蔵に生み出すことができるが、生み出せる札の番号は全て同一の一種類のみ」という超能力を得た少年が、植民地宗主国に連れ去られた姉を取り戻すため、帝国経済の破壊を盾にとって壮大な頭脳戦を繰り広げる経済バトル漫画。ものすごい頭のいい思考の読み合いとものすごい頭の悪いギャグが両方同時にガンガンつるべ打ちで出てくるので、なんかもう、異様なスピード感というか疾走感があります。キャラがみんなエキセントリックな怪人ばっかりなんだけど、みんな欲しい物があってそのために真剣なので勢力が入り乱れても話がわかりやすいし、タイトルの真の意味が明らかになるシーンだったり、爽やかで美しい大団円だったり、とにかく読んでる間ずっと楽しかった。

・凪水そう『イズミと竜の図鑑』

 

 


 まだ単行本になっていないんですけど、絵とお話がめちゃくちゃ良くてすごく楽しみにしています。絵が特にほんとうにいい。
 絵が特にグッと来た漫画でいうと『大怪獣ゲァーチマ』『雷雷雷』『カグラバチ』とかも好きです。あとまだ単行本になっていないといえばいよいよもうすぐ『ニセモノの錬金術師』の商業版が出るのが楽しみです。『女甲冑騎士さんとぼく』も。

・太ったおばさん『出会って四光年で合体』

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 デジタル配信の成年向け同人コミック。みんなしってるね。成年向けでSFというと研そうげん『BETTER THAN SEX』もすごい良かったです。あと成年向けコミックでいうと『えいとまん先生のおかげで彼女ができました!』と…あと…正直いっぱいあるのでみなさんで各自思いを馳せてください。

 

井戸畑机

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・イジめてごっこ/南文夏

 

 

・上京生活録イチジョウ/協力:福本伸行 原作:萩原天晴 漫画:三好智樹、瀬戸義明 

 

 

・女性に風俗って必要ですか?/原作:吉岡その 漫画:ヤチナツ

 

・ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

 

・だれでも抱けるキミが好き/武田スーパー

 

 

・マイペースと歩く/三本阪奈

kuragebunch.com

・殺し屋の推し/大島琳太郎

 

 

・佐々田は友達/スタニング沢村

 

 

旧作だと、げんしけん、女流まんが道が面白かったです!

www.cmoa.jp

 

 

ふぢのやまい

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フラッシュポイント

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⚫︎オタクがけいおん!の世界で、秋山澪ちゃんになって生活する話 /おにぎりパクパク

 

 

田中六大「六大日記 人という字」

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『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』魚豊

 

ねずみの初恋 大瀬戸陸

↓も素晴らしかったです。

yanmaga.jp

東京ふたり暮らし

 

RTA走者はゲーム世界から帰れない 小出よしと

きみがローファーをはいたら

リセットのない世界より

・「トミノ

 

 

あとアカウントを消してしまわれたのですが、石川リゼさんの漫画がとても好きでした。もっと漫画を描いてください。

 

 

 

シャルトリューズ山田

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かさねと昴 

 

 


 空気がすごくいい感じです。やさしいです。


スルーロマンス

 

 


 モノローグが面白いです。新鮮です


あの子の子ども

 

 


 これを子供が読んでると思うとちょっとドキドキします


あんじゅう

 

 


 大変好ましいです


ねずみの初恋

 

 


 まだ単行本出てないかも。最近っぽい漫画です


夏の終点

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 こういうの好きです


天国大魔境

 

 


 アニメがすごくよかったのと多分核心に近づいてってるので


ガチ恋粘着獣

 

 


 本篇完結おめでとうございます。感想欄がそれぞれのファンで大荒れしてるのも現実と漫画がリンクしてるみたいで見どころだったと思います


サタノファニ

 

 


 好きなので。


青野君に触りたいから死にたい

 

 


 今年掲載分はずっと地獄のようでした(いい意味で)

 

小野未練

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出会って4光年で合体(同人誌)

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日食ステレオサウンド(読み切り)

 

 

砂の都

 

 

陰キャ同士のセックスが一番エロいよね(読み切り)

https://amzn.to/3He78Um

狐の雨宿り(読み切り)

快楽天 2023年9月号 | ワニマガジン社

ドミナント

 

 

潮が舞い子が舞い

 

 

フラッシュ・ポイント(同人誌)

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Thisコミュニケーション

 

 

修羅場でイキてるポルノ屋さん

 

 

 

okadada

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訳アリ心霊マンション / ネブクロ

 

 

 出会って四光年で合体 / 太ったおばさん

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 フラッシュポイント / 今井新

booth.pm

 ダンジョン飯 / 九井諒子

 

 

 ローラ・ディーンにふりまわされてる / マリコ・タマキ,ローズマリー・ヴァレロ・オコーネル

 

 


吹き出しの使い方で感動するのはあまりない経験だった

 あいちゃんともう一日 / 石川いれいし

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 帝乃三姉妹は案外、チョロい。 / ひらかわあや

 

 


度が過ぎた陳腐さが安定剤になる漫画

 上京生活録イチジョウ / 福本伸行/萩原天晴/三好智樹

 

 


終わり方がめちゃくちゃ良かった

カオスゲーム / 山嵜大輝

 

 


画も設定も全部かっこいい、中学生なら真似して体に書いてたかもしれない

 秒速5000km / マヌエレ・フィオール

 

秒速5000km

秒速5000km

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 兄だったモノ / マツダミノル

 

 


一巻の導入がよかった

去年はあまり漫画が読めなかった年でした

 

華沢寛治

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・夏・ユートピア

 

 

緩やかに没入する。「ハンマーが弦を叩くまでの道のりって全部円運動なんですよ」からのめくりがかっこよすぎる。『あさがくる』も最高

 

・犬とサンドバッグ

 

 

フィクションじみたきらめきの割に、傷ついた時の横顔は生々しい。ずるいと思いながらもボロっと泣ける瞬間がある。

 

・上京生活録イチジョウ

 

 

やがて終わる時代だって分かってるのが切ない。最終話号泣。全部の巻、全部のコマに笑いどころがあってすごい。

 

・思春期姉弟

 

 

学生時代の甘美なフェチ感に心躍る。眼鏡かけてる人間が全員魅力的……!!

 

・エルフ夫とドワーフ

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のどかな異種間交際ライフ。相手に向き合う過程の尊重と丁寧さが刺さる。誠実さと遊び心。涼しげでまるっこい絵柄が可愛い。

 

・血を這う亡国の王女

 

 

ゴージャスでグロテスク。女達が一勢に跪くシーンかっこいい。こちらも何かを託したくなる芯の強さと眼力。

 

・呪術廻戦

 

 

アニメ2期をきっかけに全巻買いました。湿度を抱えて摩耗するキャラたち。最後に何が残るのか見届けたい……。

 

・Destiny ring(読切)/関野葵

YOUNG KING(ヤングキング) 2023年 9/4 号 [雑誌] |本 | 通販 | Amazon

穏やかで優しい空虚さと、偶然という恩寵が美しい。遊園地のゴンドラのシーンが大好きです。

 

来世は他人がいい

 

 

ずっと前に1巻読んでいて、人からおすすめしてもらって2巻以降読んだらグイグイ面白かった。エンタメ的なキャラ立てから始まるけど、展開ごとにベールが剥がされ、ヒロインへの執着と魅了の理由に納得させられる。

 

 

 

中野でいち

twitter.com

 

1.すってんてんちゃんお休み日記~休職したって休めません編~/みぞグミ絵璃

 

 

2.インターネット・ラヴ!/売野磯子

 

 

3.ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ/荒木飛呂彦

 

 

 

みそくろ

https://twitter.com/misokuroro

1、オレの前から消えてくれ(読切)/本田

younganimal.com

2、天国/ゴトウユキコ

 

 

3、MAMA Match(読切)/末次由紀

comic-days.com

4、金色のガッシュ!!2/雷句誠

 

 

5、夢なし先生の進路指導/笠原真樹

 

 

 

 

風見2

https://twitter.com/_Kazami__


すごい!おもしろい!と思った漫画を選びました。順不同です。ほぼネットで無料で読める漫画しか読んでいなくて年間ベスト作品を選べる立場ではないので、こちら参加して申し訳ありません。


①読切作品4本

・酉ガラ
『国から『あなたのチンコを車で引っぱって日本のあらゆる所に巻き付ける仕事を設立し、あなたのチンコが日本の風景になるようにします。』と言われた人が生きている世界の10年後』

omocoro.jp



笑えて泣けました。私が世界の風景になる。新しい形のセカイ系と感じました。一昨年の作品になりますが、2022年個人的ベスト1マンガだった『バンドウがいた夏2』もおすすめです。

omocoro.jp

・山中美容室
『地層の女』

to-ti.in

どのページも奔放な画面でとてもかっこよかったです。こちらの感覚を拡張してくれる感じがします。ありがたや。

・ショルダー肩美 
『サークルフィッシュへようこそ』

yanmaga.jp



まったく見たことのない展開のマンガ。すごく絵がうまいからこそ生まれる面白さ。大変なギャグマンガ。なんなんだろう。とてもかっこいいです。

齋藤なずな
『遡る石』

bigcomics.jp


遡る石・遡る石 | ビッコミ(ビッグコミックス) (bigcomics.jp)
老いのことを最近よく考えるのですが、だからか主人公にめちゃくちゃ同化してしまいました。いい話でも悪い話でもなく。しみじみと良かったです。

②連載作品4本

・メグマイルランド
『棕櫚の木の下で』

shuro.world


棕櫚の木の下で | SHURO | シュロ
絵も話も暖かく、なおかつ斬新なパワーがみなぎっていてとても面白いマンガです。気づくとこちらも主人公たちと同じ目線になって世界を見ていてワクワクします。


なか憲人
『とくにある日々』(3)

 

 


あふれ出るような発想力を、誰もがすっと入り込める形にしてしまう力がすさまじいです。Xでの1ページ漫画や4コマなどもどれもアイデアが詰まっていてしかも多作であり、すごすぎる...と常に思っています。

榎本俊二
キンクス

comic-days.com


ザ・キンクス - 榎本俊二 / 第1話 うれいらずたのぼー | コミックDAYS (comic-days.com)
憎しみが文字になりネット上に溢れているのが当たり前の光景になったけど、幸せをあきらめたくはないという気持ちはやっぱりあり、そんなモヤモヤを誰も見たことがないようなビジュアルとして浮かびあがらせてくれたすごい第1話でした。その後の回もずっと面白く、単行本一巻の発売がたのしみです。  

・向浦宏和
『CHILDEATH』

 

 


魔法少女ものはそんなに明るいジャンルではないのですが、すごい密度の作画とクールネスに圧倒されます。しめった感じにならずとても乾いた感じがして、それがとても良いです。

・千葉ミドリ
『緑の予感たち』

to-ti.in

トーチweb 緑の予感たち 【その1 カッパの理髪店】 (to-ti.in)
絵もお話も独創的でとても心地よく、楽しみにしている連載です。同じトーチの山中美容室さんのマンガもそうですが、自分が新しくなれるようなそんなワクワクした気持ちになります。

 

③Ⅹ(旧twitter)に掲載されているマンガ


・目卍

https://twitter.com/memanjix

目卍(@memanjix)さん / X (twitter.com)
センスが新しくてすごいなーと思います。いつも楽しく見ています。

④番外
 いがらしみきお
『IMONを創る』

 

 


いがらしみきお著『IMONを創る』復刊|石原書房 (note.com)

1992年に刊行された本の復刊だし漫画の本でもないのですが一応4コマ漫画も載っているので…。
すごい漫画家が著した本の、意義深い復刊として選ばさせていただきました。

 

今井新

https://twitter.com/arataimai

 

1位
ザ・キンクス / 榎本俊二

comic-days.com


中1のある日、父の買った週刊モーニングをパラパラめくっていると、どう読むのが正解かなにもわからない漫画があった。それは『ムーたち』という漫画で、自分が知る日本語の使い方はされておらず、物語の展開も発熱時の夢のようだった。脳に電流が走り、その後すぐ『GOLDEN LUCKEY』と『えの素』を読んで、僕の人生はとりかえしのつかないことになってしまった。
ムーたち』以降の榎本俊二作品の展開を辿ると、新感覚エッセイ漫画だったり、ただ人が斬られ続けたり、山陰に移住したり色々あった訳だが、『ザ・キンクス』は、榎本俊二の人生総決算なのではないだろうか。親としての経験、家族の介護、そして田舎暮らし、その全てをなりふり構わず原稿用紙にぶつけたとしか思えない。少しでも介護経験があれば、2話「ムーバー」で涙しない者はいないのではないか。フラストレーションを基点に、エノモト流ユーモアと飛躍がバッチリ決まった作品である。
ていうかモチちゃん可愛いな…

2位
明日ちゃんのセーラー服 / 博

 

 


ただのロリコン漫画だと思っていたのだけど、それだけではなかった。(アニメでは最初からごっちゃになってしまっているが)明日ちゃんが演劇部に入り、部長から指導を受けることで「見られる」存在から「見せる」存在に変わっていった。自分で表現することの楽しさと苦しみを知り、他の生徒と今までなかった交流の仕方をしていく。11巻ではついに絵柄が変わって線が細くなり、12巻はモノローグ主体の漫画に変わってしまった。最初は「自分の漫画に出てくるセーラー服の参考にしよう」程度の気持ちで読んでいたはずだった。だがいつの間にかこの漫画は、やりたいことへの狙いを研ぎ澄まし、己の弱さと向き合いながらも、勇気をもって立ち向かい、努力する様相が描かれる作品になっていた。

3位
コーポ・ア・コーポ / 岩浪れんじ

 

 

 


2023年は、コーポ・ア・コーポ完結の年だった。この漫画は、00年代半ばの大阪を舞台に治安の悪い(でもヤクザや犯罪モノではない)物語をたくさん読める作品で、しょうもない人間のしょうもない業を何の良い話にもせずに描ききること、そしてそれ故に見えるアイロニー的な美しさが好きだ。先が見えない生活はイライラしてしまうことが多いものの、この漫画の登場人物のように少しニヤけてしまう瞬間があるよな。

4位
出会って4光年で合体 / 太ったおばさん

 

www.dlsite.com


初めて新海誠ほしのこえ』を見た日、初めて東浩紀クォンタム・ファミリーズ』を読んだ日、初めてウエルベックある島の可能性』を読んだ日、初めて『インターステラー』を観た日、そして初めて『出会って4光年で合体』を読んだ日。

5位
胡孫町役場観光課巨大ガニ捏造事件 / 津村根央

 

 


津村は、知らない街のしょぼい手作り土産物やパンフレットを収集している。そうした「時流に乗らず、その時だけ存在してしまったもの」に想いを馳せ、そうしたノスタルジーや愛しさを漫画にしている。津村の表現を平たく紐解いてしまえば、VOWトマソンデイリーポータルZNAVERまとめの系譜と言えるのだろう。だが津村の表現はそれに留まらない。というのも、最近の津村の表現がどうも不気味なのだ。津村の漫画は、廃れた観光産業の二次創作を超えて、いつしか「津村だけが知っている街」がこの世のどこかに生成されてしまうような、そんな表現に進みつつある。

6位
39歳の免許合宿 / ごめたん

 

 


青春に年齢なんか関係ねーんだよなマジで。思い切り泣いたり笑ったりしようぜ。

7位
美術のトラちゃん / パピヨン本田

 

 


セカイ系の作品もそうだけど、初めて現代美術に触れたときも世界の広大さに触れたような気がした。

8位
苺ましまろ(9巻) / ばらスィー

 

 


2023年は、苺ましまろが出た年でもあるんすよね。「はァいッ!!」つってアナちゃんがお姉ちゃんのケツ蹴っ飛ばすコマ、引き伸ばして額縁に入れたい。

9位
セーフセックス / 原作: 森もり子 作画:岩浪れんじ

 

 


そういえばラブホテルって何年行ってないんだろうな。でもセックスから始まる恋愛でこんな美しく展開することなんてありますか?いかがですか?そこが尊さであり、本当は森もり子が表したいモラルなんだろうと思う。

10位
快楽天2024年1月号 / ワニマガジン

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数年に一度ある、傑作しか入っていない快楽天が2023年末に登場した。その記念にランクインさせておく。
実はこのランキングを作成するのがものすごく大変だった。そもそも自分はkomifloにしか登録しておらず、毎月読んでる漫画雑誌といえばエロ漫画雑誌しかないのだ。一番読んでる漫画がエロ漫画なのだ。勿論そうなった理由があり、至極当然だが、エロ漫画は決してポルノのみにあらず、ということだ。エロ漫画をポルノとして扱う以上に自分は多くのものを得ているのだ。この世にはエロ漫画にしか表せない刹那の悦楽があり、セックスできたが故に手に入らなくなってしまう未来もある。すべてはエロ漫画が教えてくれたのだ。こんなにも悲しいのになぜ快楽天という空はこんなにも美しいのか。僕にはもうわからない。



一のへ

twitter.com

 

【あらくれお嬢様はもんもんしている】

 

 


“このアプローチは好意じゃなくて加害に受け取られませんか?”
みたいなラブコメもやもやにラブコメの面白さを保ったまま向き合ってるの凄いと思う。

【おねぇちゃん日和】

 

 


読み終わった後、
それはそれは澄み渡った笑顔になりました
俺の毎日を照らす灯

【初恋転生ニアデスゴッデス】

 

 


福岡先生の作品が俺の毎日を支えてくれてます

ひぐらしのなく頃に 巡】

 

 


いま凄いことになってます!!!
コミカライズってそんなことしていいの!?!?

【人飼いエルフの秘め事】

https://amzn.to/4aSJaeX


人とエルフって”異種”だもんね~
種と種の隔たりがありますもんね~~

【追放されたチート付与魔術師は 気ままなセカンドライフ謳歌する。】

 

 


インターネットに生息している人はみんな読んでるし、みんな大好きだよな
もれなく俺も大好きです

【ジャンケットバンク】

 

 


「そんなのアリ~~~~~??????」っていうのが
ギャンブル漫画読んでるときに浴びたい感情だから
毎回それを出してくれるの嬉しいです

魔法少女にあこがれて】

 

 


ちょっとHなバトル漫画史上一番好きかもしれない...

To LOVEる―とらぶる―】

 

 


昔は完全にスケベ心で読んでたんですけど
今あらためて読むと話の構成とか読みやすさが段違いで夢中で読んでました
これも全然今年じゃないね!
でも載せます!!超面白かったので!!

【りとる・けいおす】

 

 


全然今年じゃないけど今年読んで一番腹抱えて笑ったので載せます!
俺のランキングなので!

2023マンガベスト10 その3(堀尾鉱,伏見瞬,風見2,背川昇,竹田純,西瓜士,今井新,酢豚ゆうき,関野葵,陰山涼,一のヘ,投擲装置,池袋不敗,水田マル,小野未練,吉田貴司,華沢寛治,永井乳歯,井上まち,井戸畑机,匿名潟嬢姫,みそくろ,ほしがた,ほしがた,ねぎしそ,ななめの,しゃりあ,meganedesk(メガデス),伊東黒雲,yaca,中野でいち,小出よしと,今井哲也 ,ツムラネオ,さのさくら,人間が大好き,ジュンスズキ,八月のペンギン,佐藤タキタロウ,okadada,gaburyu, ふぢのやまい,

記事一覧

 

 

 

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伏見瞬

https://twitter.com/shunnnn002

 

3.田沼朝/いやはや熱海くん

 

いい人しか出てこないマンガは良い

 

 

2.押見修造/おかえりアリス

 

悪い人しか出てこないマンガも良い

 

1.広田奈都美/ナースのチカラ -私たちにできること-訪問看護物語-

 

 

 

細かく語ることは難しいんですが、『ナースのチカラ』はナース同士の人間関係が複雑にもつれるドラマにグッとくるものがあります。コロナ禍が作品に良い効果を出したマンガかもしれない。介護に対して具体性がある。

主人公が明確でないのもいいし、曖昧さを残さないと同時に残酷さを消さないのもいい。自分が生涯で一番好きなマンガは多分『プラネテス』なんですが、近い感触がありました。

 

 

ほしがた

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東くんの恋猫/菅原亮きん

 

 

 

セーフセックス/原作:森もり子 作画:岩浪れんじ

 

 

8月31日のロングサマー/伊藤一角

 

 

ずっと青春っぽいですよ/矢寺圭太

 

 

インターネット・ラブ!/売野機子

 

 

アスミカケル/川田

 

 

君と宇宙を歩くために/泥ノ田犬彦

 

 

かわいすぎる人よ/綿野マイコ

 

 

SSSS すぎむらしんいち短編集/すぎむらしんいち

 

 

いろんな私が本当の私/原作:長嶋有

 

 

 

怖いリプライ ~ sᴄᴀʀʏ ʀᴇᴘʟʏ ~(しゃりあ)

https://twitter.com/Sialia_

 

 

⚫︎ずっと青春ぽいですよ /矢寺圭太

 

女装アイドルモノとか部活モノとかジャンルの型にハマらず、ずっと緩やかに日常をやっていて良い。男女混合グループとまではいかないけど、仲のいい距離感がリアルすぎてマジで高校生に戻りたくなる。

高校卒業した以降の人生はエピローグです。

 

⚫︎ねずみの初恋 /大瀬戸陸

 

 

ねずみがずっとかわいい。同棲マンガ。人生って二人で歩いていけるらしい。おれもペアルックっぽいゆるいTシャツ着て同棲したい。

⚫︎オタクがけいおん!の世界で、秋山澪ちゃんになって生活する話 /おにぎりパクパク

 

タイトル読まずに読み始めたから本当にびっくりした。

名前連呼するところや、おにぎりワショーイ、話を牽引しないネタに1ページ使ったりしてるのにテンポがいいし滑らない。

常に漂う哀愁とのほほん具合に泣く。

 

⚫︎ヘブンの天秤 /浄土るる

 

 

若干のさくらももこ感があるゆるさが一番好きなのかもしれん。短編集もめちゃくちゃよかった。露悪に終わらずに善悪に立ち向かっていく話をそのままストレートにやる勇気。

 

⚫︎のあ先輩はともだち/あきやまえんま

 

現実であれば、のあ先輩が処女であることはあり得ないが、その処女性がのあ先輩を"ヤバい女"から、のあ先輩というキャラクターとして立ち上がらせている。

ずっとあきやまえんまは個人間の距離と心理描写が上手いが、今回は特に主人公を寡黙なキャラに設定してるのに、それをやり遂げていてビビる。パイズリ。fanboxで乳首描いてよ。

 

⚫︎最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らない最深部へ ~俺の勘だとたぶんこっちが出口だと思う~ /ムロコウイチ

 

初手BUMPの引用で始まるのがアツい。というかめちゃ読みやすい。見栄を切るシーンが上手いので、盛り上がり所が印象に残りやすい。あとメインの3人のバランスが良く読んでいて楽しい。

 

 

⚫︎キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~ /田房永子

 

己がイカれてんのか、周りがイカれてんのか、そういう判断を留保しつつ、キレるのをやめたいという部分を明確にして問題解決を図れるのは結構すごいことだと思う。エッセイマンガと私小説的な部分との距離の取り方が良い。

だからといって理性的で論理的な"正解"を探すタイプの人間ではないところもすごい。

 

⚫︎冥冥冥色聖域 /セキアユム

 

メイドリフレ行きたァ〜〜いン……。

絵が超上手い。

性風俗ギリギリの仕事であることを明示しつつ、幼馴染にバレるみたいな展開とかも早めにやるし、その上でしっかり過去話も匂わせるし、やるべきことを堅実にやっている感じが好印象。

主人公と付き合いたい。

 

 

⚫︎みょーちゃん先生はかく語りき /原作:鹿成トクサク 漫画:無敵ソーダ

 

 

バカエロい。

結婚したい。

 

⚫︎よぅ、アクアリスト /原作:黒神遊夜 漫画:神崎かるな

comic-walker.com

変なバカのマンガ。演出凝ってておもろい。上手いわけじゃないし、若干の読みにくさはあるけど、あまりある速度があるし、ちゃんと読めば普通にアクアリウム始められる感じの内容になっていてえらい。セリフもアホ。

 

 

堀尾鉱

https://twitter.com/JJ8423

 

①小松清太郎『ゲーマーが妖怪退治やってみた!』

 

ヒロインの巫女ッチがめちゃくちゃかわいい!毎月コロコロを買うたびに真っ先にチェックしている作品です。惚れました。



河本ひろし『クノイチちゃんはコロコロに載りたい!!~神ネーム賞応募決意編』

www.corocoro.jp

 

女の子が肉感的でえっちすぎる!子ども向け(?)メディアでちょっとえっちな女の子を見たいという願望にストレートに答えてくれる点に爆泣き。

 

 

③横谷加奈子『遠い日の陽』

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面白すぎてビビりました。虚ろなキャラ作画とタッチ線で描写された影、几帳面なコマ割り、そのすべてが物語に奉仕していて感動。

 



こしたてつひろ『炎の闘球女 ドッジ弾子』

 

 


ダイナミックなコマ割りで見せる試合描写に興奮。キャラクターの可愛さと漫画としての熱さが同居している不思議な読み味。

 


⑤ティリー・ウォルデン『are you listening?アー・ユー・リスニング』

 

 

後戻りできない、進むしかない。ロードムービー的モチーフを捌くて手つきの鮮やかさに感動。絵が上手すぎる。

 



⑥まえだくん『ぷにるはかわいいスライム』

 

 

 

ぷにるが相変わらずかわいすぎる!「かわいい」を巡る諸問題に丁寧に切り込んでいく姿勢が大好きです。



衛藤ヒロユキ魔法陣グルグル2』

 

あの『魔法陣グルグル』が時を経てもなお「あのまま」のテンションで続いていることに感動を覚えざるを得ない。めちゃくちゃ面白いです。



⑧木村風太『運命の巻戻士』

 

 


本格的なループSFを読みやすく、そして熱く、捌き切る手腕に爆泣き。『葬送のフリーレン』とのコラボにも爆笑しました。


⑨不死デスク『【危険】闇屋敷にマジでいた【閲覧注意】』

tonarinoyj.jp

ホラー漫画でも幽霊漫画でもなくあくまで「心霊ビデオ」漫画であることに徹する姿勢に感動。心霊ビデオ好きとして1コマ1コマ頷きながら読みました。



⑩秋おこ『超バニアバトル バニバト!』

rookie.shonenjump.com


キッズアニメ好きなら膝を打つこと間違いないしなギャグの連続。昨今の子ども向けホビーを巡る問題意識の的確さに感動です。

 

モバイルいわし

https://twitter.com/MOBILEiwasi

・春あかね高校定時制夜間部

 

 

「夜間定時制高校」という響きから何となく感じられるような、各人の人生ままならない感、それに対する諦念、、みたいなものがジトッと滲んでいて、その上でみんなどこか楽しそうにもしてて、、独特の雰囲気が出ていて好きです。ぜひとももっと続いて欲しいです。

 

ダンジョン飯

 

 

昨今のテレビゲーム的なファンタジーではなく、80〜90年代ファンタジーブームのファンタジー世界でグルメをやる、というコンセプトはまるで昔ながらの屋台みたいなのに、実際のメインコンテンツはグルメというよりSFで、食べることをテーマにどこまでもスケールアップしていくメインストーリー、かと思えばスキップとローファーみたいな人間関係のお話もあり、ギャグも冴えてて画力は凄まじく、なんか巨大デパートのような作品でした。登場人物たちも全員好きだし、最後までずっとおもしろかったです。

 

SAN値直葬!闇バイト

 

 

クトゥルフ神話と闇バイトを混ぜ込んで炊いたホラーギャグ4コママンガですが、単行本1巻の頭に描きおろしのカラーページが追加され、それを読むたびに泣いてしまいます。本編もおもしろいです。

 

 

・隣のお姉さんが好き

 

 

マイ・フェイバレット・コミュニケーション・バトル・マンガ2023でした。

 

 

・恋は忍耐

ultra.shueisha.co.jp

 

なぜ人は恋をするのか。まだ数話しかありませんが、これは自分のためのマンガだと感じました。

 


5つですけど、、よろしくお願いします、、

 

@maritissue

twitter.com

①みどりの台所

 

 

マジでBEST!

ポストアポカリプスの世界におけるビーガングルメ

芳文社っぽい絵柄で闇深さもありストーリーも進む

②インターネット・ラヴ!

 

 

まさにY2K岡崎京子マインドすら感じるが、セクシュアリティの表現部分は商業ではかなり最先端

 

③つばめアルペン

 

 

山登り漫画①

『イジめてごっこ。』の南文夏 はやくこの絵柄で成年描いてほしい

 

④乙女の地球の走りかた

 

 

山登り漫画②

 

⑤パラレルリープ・シンドローム

 

 

⑥炎の闘球女 ドッジ弾子

 

 

⑦糸を撚る

https://amzn.to/48KuRHA

 

⑧君と宇宙を歩くために

 

 

⑨ころぶところがる

 

 

⑩リセットのない世界より

 

 

 

 

meganedesk(メガデス

https://x.com/meganedesk?s=21

 


heisoku 春あかね高校定時制夜間部

 

・キャラそれぞれのエピソードの具体性が強くて面白かったです.



 山口貴由 劇光仮面

 

・ヒーロー観の迫力がすごいです.



西尾維新,岩崎優 暗号学園のいろは

 

 

・駄洒落や掛け言葉が無限に湧いて出てくるのが好きです.

 

今井新 フラッシュポイント

booth.pm


・不意打ちの倍返しパロディで腹抱えて笑いました.

 

斉藤なずな 遡る石

bigcomics.jp


・僕もグリ石になりたいです.

 

島袋光年 ヤバイ

shonenjumpplus.com


・ヤバイだけで何ページも持たせられるのがすごいです.

 

岡田索雲 アンチマン

comic-action.com


・比喩的な描写の挿入がうまくて唸りました.

 

ママの飯がマズくて:長女編

select.mamastar.jp

・メシマズ嫁ネタを消化したら今度は娘視点で続編を描くというネタの再利用方法が衝撃でした.

 

すあま TwitterID:@suama7700

 

・他人がミスをして嬉しいというネタだけで4コマ3本分引き伸ばす腕力がすごいです.

 

鬱とエロスと委員長1~3 | hujikirio

hujikirio.booth.pm

・2023年イチ性癖に刺さりました.

 


伊東黒雲

https://x.com/itou_cocoon?s=21

 

・劇光仮面

 

 


まだ実相寺二矢という名前のただ事でなさをよく飲み込めてない。

 

 

・商店街のあゆみ

 

 

panpanyaの幾何的なイメージとの相性の良さが、家屋や地図と交差することにより浮き彫りになっていていい。『自己隔離期間の線形代数I』はまだ積んだままです。

・出会って4光年で合体

www.dlsite.com

 


アメリカにはトマス・ピンチョンがいるかもしれないが、日本には太ったおばさんがいる。

 

・ころぶところがる

 

 


カロリー。黒田硫黄化学同人や産業図書から漫画を出す世界を幻視してしまった。

 

・夏・ユートピア

 

 


密度を上げても息苦しくならない上手さがあってよかった。

 

ジュンスズキ

twitter.com

 

2023年に発売された5巻以内の「忖度抜きで本当にめちゃくちゃ面白い漫画」という観点で選びました。

1位『正反対な君と僕』阿賀沢紅茶

 

 


作者は現在、そしてこれからの人間を圧倒的な観察眼で高精細に描ける人だと思います。
間違いなく2023年で一番面白かった漫画です。

2位『これ描いて死ね』とよ田みのる

 

 


全漫画家及び漫画家志望者及び漫画を愛する人間たち必読の書。
マンガ大賞受賞は通過点のひとつで、キャラも揃ってますます面白くなっていく最高の青春譚。

3位『出会って4光年で合体』太ったおばさん

www.dlsite.com

迸る情熱に当てられて呆然としてしまう。
この作品に出会えたことが確実に人生の糧になったと言える大傑作。

4位『住みにごり』たかたけし

 

 


構成力がすごい。1巻から醸成されてきた不穏な空気が5巻で大嵐になる。
あらゆる伏線が最悪の状況を導くように回収されていく負のグルーヴに快感すら覚える。

5位『ふたりスイッチ』平本アキラ

 

 


シンプルかつプリミティブな男女入れ替わりラブコメに適宜挟まれていく様子のおかしさをフックに物語に没入させる手腕。
とんでもないものを読まされている感があります。

6位『アタックシンドローム類』吉沢潤一

 

 



令和のトランスグレッシヴ・フィクション。この時代にこれをやる胆力。
読者の脳髄に深く刻み込もうとする意思が10年後も語り継がれる傑作になることを証明すると思います。

7位『セーフセックス』原作:森もり子、作画:岩浪れんじ

 

 


心の栄養価がはちゃめちゃに高い漫画です。
主人公2人がお互いに好ましく思ってる要素があって、一緒にいる時の空気が絶妙に噛み合っていく過程がとても心地良い。

8位『ダイヤモンドの功罪』平井大

 

 


1巻3話までの『おおきく振りかぶって』の皮を被った超絶ダークな野球マンガだという印象が、4話以降のU12日本代表編で複雑な心情描写を見事に表現した超絶面白野球マンガに変化しました。

9位『戦車椅子-TANK CHAIR-』やしろ学

 

 


世界観、キャラ、外連味、すべてが渾然一体となって押し寄せてきて、揉みくちゃにされる楽しさがあります。
4巻以降の展開がどうなるのかという期待に、更に物語を加速させて応えてくれる信頼できる作品。

10位『劇光仮面』山口貴由

 

 


正直、3巻まで何を読ませられてるのかよくわからないヤバさがあったんですが、4巻で最高に面白いヤバさが発生しました。
すごい。

 

 

 

 

八月のペンギン

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★謹賀新年 2023年私的マンガベスト10★

①町田洋『砂の都』
齋藤なずな『ぼっち死の館』
③薄場圭『スーパースターを唄って』
田島列島『みちかとまり』
⑤オカヤイヅミ『雨がしないこと』
平井大橋『ダイヤモンドの功罪』
⑦ほそやゆきの『夏・ユートピアノ』
⑧村岡栄一『去年の雪』
⑨田沼朝『いやはや熱海くん』
オジロマコト『君は放課後インソムニア

本年もよろしくお願いいたします。

今回も帰りの新幹線車中でまとめました。乱文失礼します。抜けもあるはずです。ご容赦ください。

例年どおり、昨年中に単行本第1巻ないし最終巻が発刊されたマンガ作品のランキングです。以下に選評を記します。

①町田洋『砂の都』

 

 


広大な砂漠をさすらう丘。そこには人の記憶から生まれた建物が並び、人々が穏やかに暮らしている。その町で青年と少女が出会う。
フランツ・カフカ安部公房スタニスワフ・レムといった世界文学に匹敵する想像力も、それに世界としての形を与える研ぎ澄まされたペンも神業です。
変化と、それに伴う切なさを描いた物語です。作家をしていた少女の姉は、愛する伴侶を得たことで物語への興味を失ってしまったと告白し「いつかは消えてしまうものを売り物にしてしまった」と重い言葉をこぼします。あらためて、町田洋先生の9年ぶりの単行本を手に取ることができた僥倖に感謝せずにはいられません。
無駄のない絵についても少し触れておきます。すべてが美しいのですが、とくに猫のような少女の黒目がちの目が印象に残ります。オーバルではなくスクエアに近い瞳の輪郭が蜃気楼のように揺らいでいて、それが彼女の内面を表しています。記号的なマンガ絵の魅力を再確認させられました。

齋藤なずな『ぼっち死の館』

 

 


独居老人たちの団地暮らしの現実を直截に描く。
タイトル通りの内容ですが、老人たちの会話は軽妙で、ユーモアと毒があり、悲惨さはありません。1946年生の作者は、連想で次々と連鎖していくイメージを絵にして、老いても想像世界が衰えないことを示しています。
決して達観することなく、日々の暮らしを通して、生きていることそれ自体を讃える作品。若い描き手には辿り着けない境地です。話の構成が緻密で作画も線が多く、流し読みを拒絶し、再読を要求しさえするタイプのマンガですが、言い換えれば、噛めば噛むほど味が出るということ。このマンガの長所です。

 

③薄場圭『スーパースターを唄って』

 

 


母と姉を亡くし借金返済のためヤクの売人となった17才の少年が、天才トラックメイカーの親友とラップを始める話。
大阪の貧困街のひりつく空気。容赦のない暴力。本作の閉塞感は2023年のリアルにほかなりません。光を掴もうと初ライヴに挑む第1巻ラストは鳥肌必至です。
人物配置や物語構造が『まんが道』的な王道で、題材や演出の新しさとバランスがいいです。堀越耕平や浦部はいむに似た少しラフな絵も、人物の表情や背景の細部がよく描けています。コマの間白に横書きで入るモノローグが、マンガで通常つかわれるアンチゴチではなくアンチック体オンリーなのも効いています。この一工夫でメタな感じが出ています。
それから、やはりアナログ作画がいい。反社組織で売人をやらされている主人公が、HIPHOPに救いを求め、自己表現に目覚める物語には、作者のフィジカルなタッチがダイレクトに伝わる表現がベストです。
モデルとなっているラッパーの存在すら知らずに読みましたが、そんな素人にも届く圧倒的な熱量が本作にはあります。

田島列島『みちかとまり』

 

 


8歳の夏、まりは竹藪でみちかを見つけ、彼女を神様にするか人にするか決める権利を得る。二人は級友・石崎のセーブデータを求めて冥府へ赴く。
田島先生のユーモア溢れるワードセンスと可愛い絵柄で中和されていますが、ガールミーツガールのダークファンタジーです。
千と千尋の神隠し』のような少女の成長譚になるはずですが、本作の異界はずっと余所余所しくて恐ろしい。子供の一人くらい容易く飲み込んでしまう深淵が覗いています。彼女たちはあまり世界に祝福されていません。成長したみちかの「語り」が要所要所に入りはするものの、緊張を強いられる物語です。

⑤オカヤイヅミ『雨がしないこと』

 

 


30歳になるOL・花山雨(マイペース、料理好き、アロマンティック)をめぐる人間模様を描く連作短篇。
マンガを安易に「文学」と形容するのは慎むべきですが、オカヤ作品はそうとしか言いようがありません。一見穏やかなのに迂闊に触れると怪我をしそうです。
タイトルの「雨がしないこと」とは「恋」であり「結婚」でしょう。パートナーを持たずに一人で生きていくアロマンティックの生きづらさと自由さとが、様々な視点から浮かび上がる構成はさすがです。読みながら同じくアロマンティックの人生をテーマとする(たぶん)『葬送のフリーレン』を連想しました。

平井大橋『ダイヤモンドの功罪』

 

 


スポーツの天才であることを除けば素直な普通の小5の少年が、しかしその圧倒的才能ゆえに周囲との軋轢を生む。
未熟さゆえに残酷な少年たちの危うい関係を見せる心理劇であり、少年の才能に魅せられ、狂っていく大人たちを描く一種のファム・ファタール(雰囲気からいって「オム」ではありません)ものでもあります。とにかくよく人間が描けています。野球マンガを期待すると肩透かしを食わされますが、抜群に読ませるマンガなのは間違いありません。
物語では野球初心者の主人公がU-12野球日本代表のエース投手に選抜されますが、興味深いことに、作者自身も本作が初連載。画力を見るかぎり、マンガを描き始めて日が浅いのではないかと思われます。
この作者の描く不気味さは、椎名うみ青野くんに触りたいから死にたい』に似ています。どちらもコミュニケーション不全の話。作画に関しても、キャラクターの表情は影響を受けているように感じられます。作者が、もし『青野くん』に触発されたのがきっかけでマンガを描き始めたのだとしたら、紛れもなく天才です。

⑦ほそやゆきの『夏・ユートピアノ』

 

 


ガール・ミーツ・ガール(非恋愛)を描く二本の中篇を収録。
コマ割りが縦横どちらに読み進めるべきか分からず不親切だったり、シーンによっては誰が何をしているのかが分かりにくかったり、読み手を選ぶマンガです。でも自由で面白い。静かで清潔な時間が流れています。
作者はひとが修練して身につける技術に魅力を感じる人で、とくに円運動(ピアノの構造、バレエのターン)がお好きなご様子です。トリビアルな知識を披露するだけに終わっていません。舞台が北海道なのも両作品でうまく生かされています。読んでいて堀江敏幸の短篇集『雪沼とその周辺』が浮かびました。
マンガが好きな読者ならば、高野文子イズムが迸る表題作の冒頭数ページを見ただけで、びびっと電流が走るに違いありません。

⑧村岡栄一『去年の雪』

 

 


還暦を過ぎた作者が「逢う事が叶わなくなった人」を回顧する6つの短篇を収録。
作者は第6話の執筆後に病で右半身不随となり、筆を折ったといいます。この単行本は作者の実娘が担当編集として世に出した、作者の両親、友人、恩人、そして作者自身の生きた証にほかなりません。
村岡は1949年会津生。中学時代に岡田史子らと同人活動を行い、上京して17歳で永島慎二のアシスタントとなり、翌年に雑誌『COM』でデビュー。その後はギャンブル劇画家となります。本単行本にも岡田史子滝田ゆうとの交流が綴られていますが、より痛切に胸に迫るのは両親との思い出を物語る短篇のように思います。

⑨田沼朝『いやはや熱海くん』

 

 


高1、父子家庭、ひとりっ子、美形でゲイで恋愛体質の熱海くんと、リベラルで偏差値高めな周囲の人々とのダウナーな対話劇。
絵柄は全然違いますが、画面全体が白っぽくて初期の大友克洋の飄々とした雰囲気を思わせます。良質のコメディ。わりと思索的です。
ちなみに、短編集を『四十九日のお終いに』と併読したところ、作品によっては抜けのある背景の描き方(というより空間の作り方)、オノマトペの使い方、鼻の穴や影の表現等に大友克洋の画法が明白に見てとれました。あまり見ない影響の受け方です。
この短篇集と『熱海くん』に通じる創作テーマのひとつに「『互助会』的な繋がり」があります。男性同士の間にそれが描かれる例は貴重です。新規性があると思います。

オジロマコト『君は放課後インソムニア

 

 


夜に眠れない共通点で親しくなった高校生男女のラブコメを、大友克洋フォロワーが描く。
「気分」を分節して感情の機微を伝えるコマ割りの技術は神業レベルです。元々高い画力も、6巻辺りからさらにレベルアップ。伸びやかになった線に、自信がうかがえます。
不眠症の要素はあくまでフックで、ヒロインは別の困難を抱えています。作者は物語をメロドラマにすることもできた、というより、その方が楽だったはずです。でも、力を込めて敢然と踏みとどまってみせた。その心意気を称えます。悲劇が現実にありふれていればこそ、読者を勇気づける物語には価値があります。
友人たち皆いい子だし、誰よりもヒロインがいい子だし、そのヒロインとの甘酸っぱい高校生活が恐るべき解像度で描き出されるので尊いです。「青春様」です。真面目な優等生で、でも、未熟さゆえの傲慢さを持った主人公が、自らの無力を思い知らされることで一回り成長する、その展開も青春しています。
夜空にひときわ明るく輝く一等星のようなラブコメマンガの傑作です。昨年は優れた長編マンガが数多く完結しましたが(ヤマシタトモコ『違国日記』、押見修造『血の轍』等)、そのなかでもマンガ好きにあまり読まれていなそうな本作を入選します。ちなみに、舞台は令和6年能登半島地震で被害が甚大だった七尾市です。復興を祈るばかりです。

以下も面白く読みました(順不同です)。

よしながふみ『環と周』
よしながふみの新作が面白くない訳がありません。正直に選べば10選に入ります。「殿堂入り」という扱いで今回は敢えて外しました。
やはり圧倒的な筆力です。格が違います。決まって環と周という名の二人が登場する五本の連作短篇にエピローグが付きますが、いずれも甲乙つけがたい濃密な人情話。夜中大泣きしたせいで翌日まで瞼がひりひり痛んだのをよく覚えています。繰り返し読み返すことになるだろう一冊です。

□冬野梅子『スルーロマンス』
文字がべらぼうに多く、時折妙な心理の図解が入る、32歳女性2人組の『HUNTER×HUNTER』です。脳内をぐるぐるめぐる言葉を飾ることなくそのままアウトプットするところに、この作者の凄みがあります。「真実の愛」というワード、なかなか恥ずかしくて書けませんよね。
前作の主人公あみ子には作者と近い属性が与えられていたのに対し、本作の主人公二人、マリと翠はより創作の度合いが強い印象。そうしたキャラクターと状況を掛け合わせた思考実験の結果としてストーリーが生まれてくるライヴ感が魅力です。展開が全く読めません。

坂上暁仁『神田ごくら町職人ばなし』
森薫を思わせる緻密で職人的な作画で江戸の職人(桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官)たちの手仕事を紹介する連作短篇。しかも良質の人情話に仕上げています。基本的に主人公は女性で、唯一男性の畳刺しの話も舞台は遊廓。花魁が重要な役割を担っています。

□エルド吉水『龍子』
令和の園田光慶。「これが『劇画』だ!」という情念がアナログ作画のペンに籠り、インクに迸っています。『女囚さそり』オマージュの主人公が外連味たっぷりに躍動。時系列が錯綜する語りも線がごちゃつくアクションも読みやすくはないけれど、劇画衝動の前には些事にすぎません。

ゴトウユキコ『天国』
短篇四本を収録。椎名うみ先生が帯文執筆者の一人なのは、「天国までひとっとび」が『青野くんに触りたいから死にたい』っぽいからでしょうか。角田先生は角田晃広に瓜二つ。山本直樹「夕方のおともだち」オマージュの場面も。個人的には「迷子犬とわたしたち」にいちばん胸をしめつけられました。

□我妻ひかり『パコちゃん』
パコちゃんは三十路を迎えるフリーター。既婚男性から関係解消を告げられた日に、21歳大学生からアプローチを受ける。シモが緩めでメンヘラ気質の女性の生態を山本直樹風のタッチで淡々と描き出します。林静一も少し意識している気がします。間違いなく面白いです。

□スタニング沢村『佐々田は友達』
カナヘビや虫が好きな陰キャの佐々田とギャルっぽい見た目で陽キャの優希、同じクラスでキャラが正反対のJK二人が親しくなっていく。マンガが恐ろしく巧い。高野文子が脳裡をよぎるほどのセンスです。ペス山ポピー名義の作品では爪を隠していたんでしょうか。

売野機子『インターネット・ラヴ!』
インスタで繋がった日本人と韓国人、バイセクシャル同士の爽やかなBLマンガ。絵、コマ割り、そしてモノローグ。作風が暗くなる前の岡崎京子を意識していて「東京ボーイズブラボー」といった趣。作者がこれほど器用で達者なマンガ家だとは。お見逸れしました。

□原作森もり子、作画岩浪れんじ『セーフセックス』
『ギャルと恐竜』の森と『コーポ・ア・コーポ』の岩浪、夢のタッグが生み出す、気怠くて刹那的で、それでいて優しさと配慮に満ちたギャル風の男女の恋愛話。距離感に敏感すぎると、踏み込んで関係性を進展させるのがかえって難しいんですね。勉強になりました。

□heisoku『春あかね高校定時制夜間部』
定時制高校夜間部を舞台に、少し違った高校生の「日常」を描く。13歳で精神病院に入院し、入院中に両親が亡くなり、数年前にNPOの支援を受けて退院に至るまでの四半世紀を失った40歳の鉄黒よしえというキャラクターの存在が強烈。エピソードとしては第5話のラスト、あんみつの話が白眉。目頭が熱くなること請け合いです。

□地球のお魚ぽんちゃん『霧尾ファンクラブ』
ともに級友の霧尾くんが大好きな女子高生・藍美と波、友人兼ライバルの二人による漫才の掛け合いのような対話劇。『桐島、部活やめるってよ』インスパイアのコメディです。ただし本作には、おそらく隠し事があります。それが本作に緊張感を与えています。

□中原ふみ『ナッちゃんはテンションで水深が変わる』
感情の起伏に応じて生息する水深の異なる生物が具現化されるJKの学校生活を描く。少し不思議な主人公と、彼女の能力を理解し寄り添う友人たちとの交歓が愛らしい。些事で一喜一憂する思春期の気分と、成長に伴う変化を肯定する爽やかな作品です。

うぐいす祥子『僕に殺されろ』
不登校気味の男子中学生が「化け物」を殺すための力を手に入れる。安彦良和を思わせる流麗な線で描かれる黒髪ショートで切れ長の目がクールな女子高生・朝倉先輩が本当に美人。人は誰しも心のなかに童貞男子を飼っていますが(適当)、その少年の魂が震えます。

□泥ノ田犬彦『君と宇宙を歩くために』
普通のことができず困っているのに周囲に理解されず「ヤンキー」になってしまった高校生が、自分よりもさらに普通から外れた発達障害の転校生と出会い、少しずつ変わっていく。生きづらさを抱えた子たちが生き生きと描かれます。みんな本当にいい子です。

panpanya『商店街のあゆみ』
ひと皮剥けた印象です。収録作がすべて面白いのは驚異。なかでも「うるう町」は発想、構成とも抜群です。日常のなかに積極的に面白みを見出だしていく「正しいおにぎりの開け方」も作者ならでは。個人的には表題作の最終コマ、主人公の後ろ姿に完全にやられました。

福島鉄平『放課後ひみつクラブ』
キュートすぎます。降参です。絵も可愛いしボケとツッコミの言語センスも並外れています。そして何よりマンガが巧すぎます。学園の秘密を探るコメディを、多層レイヤーを駆使した少女マンガ風のトリッキーな画面構成で読ませるところに本作の妙味があります。

□柿沼こうた『ゆうれい色の日常』
可愛らしい絵柄で日常に存在する幽霊と人との穏やかな交歓を描いた掌篇を全26話収録。温かい気持ちになれます。モノトーンながら、表紙絵のような優しく淡い色彩、すなわち「ゆうれい色」が不思議と全編に感じられます。その秘密は多用されたカケアミにあります。少し気になったのは、幽霊を含む登場人物の性別の偏り。基本的に女性ばかりです。納得する気持ちが半分、それはちょっと安易だと思う気持ちがもう半分。難しい問題です。

□ウラモトユウコ『天沢さんを推してます。』
ソシャゲのサービスが終了し突然推しキャラとの別れを経験した女子高生が、「偶然」推しと同姓同名のおにぎり移動販売の女性と出会い、親交を深めていく。作者はお洒落な高野文子フォロワーの印象でしたが、本作は、さべあのま先生の遺伝子を強く感じる作風です。わりとベタな話で、そこがいいです。

山本ルンルン『涙子さまの言う通り』
舞台は昭和初期の東京。刑事・沢渡はある少女の殺害に新興宗教の教祖・犬養涙子が関与すると睨み、行動を監視しはじめる。人形のような美貌で命を玩ぶ涙子の破滅が約束された物語が妖しくも魅力的です。刑事の見た目と雰囲気は坂田靖子作品を思わせます。

□井田千秋『家が好きな人』
若い女性5人のそれぞれの家と暮らしを、端正で可愛らしく温もりのある絵柄で丹念に描出。作者の本業はイラストレーター。フルカラーで、読み味はマンガというよりBDに近い印象。住人の趣味や嗜好に合わせて細部まで考え抜かれた部屋を眺めるのは思った以上に楽しいです。

□天堂キリン『再生のウズメ』
28歳で女優の夢を諦めて以来12年間引き籠もっていた40歳女性が便利屋で働き始める。藤本由香里によれば、少女マンガの根底には「私の居場所はどこにあるの?」という問いが流れています。本作は少女マンガの正統です。作者の満足のいくまで描いてほしいものです。

□ウオズミアミ『冷たくて柔らか』
彼氏にふられた33歳の宝は勤め先で中2の頃の同級生・エマと偶然出会う。女性同士の20年越しの恋を描く少女マンガ。宝がエマの想いを知らないこと、エマが既婚なこと、この二つが絶妙な距離を生んでいます。絵もコマ割りもモノローグも集英社らしく正統派でウェルメイド。

□綿野マイコ『かわいすぎる人よ!』
地味な見た目の女子中学生・メイと、32歳の美形すぎる叔父(亡き母の弟)との同居生活を描く。1970-80年代の乙女チックラブコメ風の絵柄や雰囲気があって、作者が新人とは思えません。一話が短くて、読み味もさらりとしていて、それでいて心が動かされます。

□こいしゆうか『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』
作者が出版業の「縁の下の力持ち」である新潮社校閲編集部に取材した、エッセイマンガ形式のお仕事マンガ。以前読んだ『私でもスパイスカレー作れました!』も良かったし、この作者は力のある描き手ですね。変則ゴマも多いわりに読みやすい。

秋★枝『放課後メタバース
コミュ力の高いJKと図書委員の作業中に対話するなかで、コミュ力の低いDKが少しずつ変わっていく。設定は『僕ヤバ』の二番煎じながら、作者らしい生真面目さと潔癖さは相変わらず。女性キャラの大きなバストを「まなざすことの禁止」は本作でも遵守されています。
ひと並みに性欲がある主人公が、にもかかわらず、好きになったヒロインには一切性的なまなざしを向けず、「ともだちになりたい」「嫌われずに距離を詰めたい」と純粋な思いを抱き続けるところが、かえって歪で、実に作者らしい。秋★枝のマンガはある種の思考実験だと思います。奇妙な魅力があります。
そういえば、眼鏡の奥の目の表現にデジタルならではの工夫がありました。やはり変なところにこだわる作家さんです。

以上、おつきあいいただき、ありがとうございました。

2022マンガベスト10(永井乳歯,中野でいち,竹田純,南田冬,yaca,水田まる,一ノへ,くそごり,川勝きりん,両棲類,シャルトリューズ山田,ねぎしそ,ななめの,ジュンスズキ,小野未練,佐藤タキタロウ,人間が大好き,okadada,ふぢのやまい,井戸畑机,投擲装置,華沢寛治,@maritissue,しゃりあ,ほしがた,41号_西瓜士,げそにんちゃん,藤井夏子,関野葵,八月のペンギン)

みんなの2022年のマンガベストです。去年から倍の人数になりました。みなさんありがとうございます。番号がない人は順不同。

 

投擲装置(鶴田裕貴)

 

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1.『偽物協会』白井もも吉

 

 

読みましょう。

 

2.『アクティング・クラス』ニック・ドルナソ(訳:藤井光)

 

 

藤本タツキとか言ってる場合ではない。

 

3.『デーリィズ』めごちも

 

 

どうして終わってしまったの。

 

4.「純情小路」なまえれんらく(『X-EROS』#97掲載)

今年もっとも爽快なファックユー。

 

5.「77:PRINCESS」水田マル

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「生きづらさについて懊悩した挙げ句に結局伝統的家族の再構成に至る」短編が多すぎてイライラする状況を爆破してくれる痛快。

 

6.『風水ペット』花輪和一

 

 

危ない人より、それを美学化しようとする人の方がずっとヤバい。

 

7.『放課後ひみつクラブ』福島鉄平

 

 

こんなにマンガリテラシーを要求するマンガがあたかもポップなものであるかのように流通する状況に万歳。

 

8.『レーズンラムと申します』ファミリーレストラン

 

 

見た目よりすっと大衆的であること自体が面白い。

 

9.『アンディ』バシウス

 

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おもしろショートコント。

 

10.『追放されたチート付与魔術師は 気ままなセカンドライフ謳歌する。』(画:業務用餅 作:六志麻あさ キャラ原案:」kisui)

 

 

たぶん原作者は心が広いとかではなくてそもそも作家性みたいな神話を信じてないんだと思う。

 

※番外編

『The Complete Little Nemo』Winso McCay(Ed. Alexander Braun)

内容というより出版としての今年の大事件。ずっと高騰していたTaschen版の完全版リトル・ニモが復刊。安価になったぶんオリジナルより版が小さくなってるのが玉に瑕だが、こだわり抜いた印刷クオリティは健在。悪いこと言わんから1万切ってる間に確保しとけ。

 

『楠勝平コレクション』(山岸凉子:編)

やばすぎる。

 

永井乳歯

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・さよならキャンドル/清野とおる

 

 

写真が盛りだくさんで嬉しい

 

・鍋に弾丸を受けながら/青木潤太朗 森山慎

 

 

エピソードの強度が高い

 

・足立区四畳半会議/桜宇宙

 

 

本物の漫画

 

・ツッパリヤンキー地獄録/龍村景一

 

理想的な作風

 

 

・静と弁慶/三木有

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完成度が高い

                               

・言葉は水滴みたいに/黒川明

 

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絵がいい。ラスト1ページにしびれる

 

・77:PRINCESS/水田マル

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カッコよすぎる

 

・何処として何一つ非の打ち所のない僕の日常/オヒル

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とにかく食べるところの多い、奇跡みたいな読切。言及したい部分は多々あるが割愛。今年のジャンプラの読切で一番たくさん読み返した気がする。

     

 

中野でいち

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「隣のお姉さんが好き」藤近小梅

 

 

香山哲のプロジェクト発酵記」香山哲

 

 

「静と弁慶」三木有 

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「君に会いたい」売野機子

 

 

「インスタントサッキュ」関谷あさみ

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1098441

 

「とかげ Kindle版」時田 

 

とかげ

 

「劇光仮面」山口貴由

 

 



 

 

竹田純

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満田拓也MAJOR 2nd

 

 

天才の息子だけど才能がない男の子が主人公で、チームメイトはほとんど女子。モチベーションや実力、属性がバラバラの良い群像劇。

 

藍本松「怪物事変」

 

 

現代伝奇バトルもの。何でもっとヒットしてないのかよくわからない。(ウルトラジャンプだから…?)

 

 

クロマツテツロウ「ドラフトキング」

 

 

TBSの「戦力外通告」的なスカウトの世界。悲哀がある大人の漫画。

 

コージィ城倉「キャプテン2」

 

 

まさかの続編で最初は怪作かとおもったけど、どんどん面白くなってきた。近代スポーツを実践する墨二が熱い。

 

三田紀房「Dr.Eggs ドクターエッグス」

 

 

山形の医大に入った大学生の日常。マジ普通の人だけの話だけど三田文法が効いてて面白い。

 

・あおいましろう「仏恥義理ステッチ」

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裁縫が得意な女子がヤンキー校で「王様の仕立て屋」をする漫画。主人公の性格がよくっていつのまにかニッコリ。

 

・山川直輝(原作)、朝基まさし(作画)「マイホームヒーロー」

 

 

気弱そうな父親が娘のDVに怒り、行くところまで行くおはなし。ベストファーザー賞

 

サライネス「誰も知らんがな」

 

 

サライネス・イズ・バック。音楽に詳しいおばあちゃんが最高。

 

・灰田高鴻「夢てふものは頼みそめてき Daydream Believers」

 

 

いっけん素朴な絵だけど、めちゃエロティックな絵師たちの群像劇。

 

本宮ひろ志「猛き黄金の国 二宮金次郎

 

 

グランドジャンプで毎回興奮しながら読んでた漫画。本宮ポエジーが爆発。俺はいったい今何を読んでいるのか!?と問いながら最終回まで駆け抜けた。



南田冬

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コメント:ぶたないで



1 ようきなやつら

 

 

岡田索雲先生は確かなメッセージを漫画に込めようとしているが、強いメッセージ性を伝える目的だけに留まることなく読んで楽しい「エンタメ」を作ることに物凄い拘っていて大好きです。

2 もういっぽん!

 

 

今一番いい柔道漫画です。ずっとおもしれ~から、最高!

3 Dr.STONE

 

 

今年完結しましたね。終盤は本誌で読んでましたが、単行本買って通して読んだら駆け足だった印象がだいぶ変わっててよかったです。不思議!!

4 ひらやすみ

 

 

作中で起こる事件がリアルな「日常」に起こり得るチクッとしたささくれなのに、どうしてあんなに引き込まれるんだ!?大好きな漫画です

5 フォビア

 

 

オムニバス形式のホラー漫画です。2巻が今年出たんですよ。2巻収録の「長身」が好きです。

6 スキップとローファー

 

 

2022年12月現在、単行本未収録のお話がめちゃくちゃ良くて「ワノ国」すぎる。今一番ワンピ面白いんだって!っつっても何も内容を言えないあのもどかしさをスキップとローファーでもずっと味わっています。

7 あの頃の増田こうすけ劇場 ギャグマンガ家めざし日和

 

 

実録のエッセイなのにギャグマンガとしてちゃんと面白いネタがあるのすごすぎる。

8 ラーメン赤猫

 

 

面白い!!クリシュナちゃんが好きですね

9 緑の歌

 

 

絵がめちゃくちゃ上手すぎるし、装丁もすごいし、松本隆の帯が面白かったです。

10 ニックとレバー

 

 

内容があまりにもめちゃくちゃ面白くて、装丁もすごくよくて、本当は一位なんですけど2021年12月刊行なんですよ。わかってよ。わかんないかな。なんだ?お前やんのか?おい!









Yaca

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2022読んだ漫画

 

白井もも吉「偽物協会」

 

 

6話のカツレツの話は自分には無い感覚というか、作者の独特な見方や想像力を感じた回だった。

その感覚にある種のグロテスクさをも感じた(お話し自体にグロテスクさは1mmもありません…)。

他人の幸せなんて自分にはわからないけど、それをなるべく繊細に、踏み込みすぎないように扱う登場人物たちの距離感が良かった。

露々々木もげら「K子と病みおじ」シリーズ

www.pixiv.net

こういう怪奇キャラエロ漫画がシリーズ物として続くことが本当に嬉しかった。

K子も好きですが竿役にもしっかりとキャラクターがあって自分の性癖にジャストフィット。

あくまでエロをメインで扱いつつお話しが進行していく感じ自分には新鮮に感じた。

 

黒咲練導「彼女中2」

 

 

黒咲練導先生の新作が出続けることにまさる幸せなし。

 

藤本タツキチェンソーマン」第二部

 

 

自分の制服を武器に変えて下着姿で戦うシーンが最高。

藤本タツキ先生の作品には無意味無秩序セクシーがない。セクシーな描写があるならセクシーに至る理由がある。

もぐこん「まつりのあと」

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十数年前、実は弟の前歯を折ったのは自分で、事故だし乳歯なので大事には至らなかったけどあの時のなるべく思い出したくない気持ちを思い出した。

Rem, Bikkuri「Devil's Candy」

 

 

単行本を買ったのは21年ですが、青騎士で日本語版が始まったので。

キャラクターデザインが好きすぎて画集買った。

なか憲人「とくにある日々」

 

 

なか憲人先生のTwitter入院レポ漫画とアップされる写真が好きでした。



水田マル

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淡島百景(最新4巻)/志村貴子

 

 

次巻で完結だなんて……

青い花の二人組が番外編で出てきて嬉しかったです

 

・アンデッドアンラック(最新14巻)/戸塚慶文

 

 

キャラクターみんな好きになっちゃいます

 

・かげきしょうじょ!!(最新12巻)/斉木久美子

 

 

主人公のさらさちゃんを見ているとものすごく元気が出ます

 

・ブルーピリオド(最新13巻)/山口つばさ

 

 

どうなっちゃうんだろうと思って12巻と13巻は今までで一番ドキドキしました

 

・魔導騎士アスフェル鈴木の一日/西村たまじ ※ジャンプ+読み切り

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アスフェル鈴木の毎日をもっとずっと見ていたい……



・ぷにるはかわいいスライム

 

 

コメント:ぷにる……すきだ……





一のへ

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【メダリスト】

 

 

・可愛くて熱くて面白い、これ以上に必要なモノなんてない。

・助っ人のお兄さんがポッと出てくるけど顔が良すぎて違和感感じないの凄まじい。

 

女の園の星】

 

 

・ずっと笑ってました。

 

【ミムムとシララ ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~】

 

 

・回を追うごとに「ちんちん」に対する熱が真剣(マジ)になっていく主役二人が最高です。

 

へのへのもへじと棒人間とパンツ】

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・キャラデザを棒人間にするのはまだ理解できるんですけど、それが上質なラブコメの一アクセントにすぎないのはクールすぎる。

 

【アンデット・アンラック】

 

 

・ずっとアクセル踏んで面白さが加速していて、すごい

 

【BAT】(ジャンプGIGA2022SUMMER掲載)

 

 

・47ぺージに詰め込めるおもしろさを全部突っ込んでて最高でした。

 

【ハレトキドキアメ】

 

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・料亭のお吸い物みたいな力がある、素朴なのに強い

・胸やけするぐらい優しい恋の話でした

 

【放課後ひみつくらぶ】

 

 

・なんらかの法に引っ掛かるぐらいキャラデザがかわいいしテンポもよく大好きです。

・木曜の夕方ぐらいの時間帯でアニメやってほしいな。土曜の9時とかでもいい

 

【ぼっち・ざ・ろっく!アンソロジーコミック】

 

 

「とあるクラスメイトが見た結束」byコンフレーcu

「はじめてのがっき」by大豆田

・アンソロってそういう角度で殴るのありなの?

 

【生徒会にも穴はある】

 

 

・尾鳥たん君が好きなので



くそごり

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黒川明 言葉は水滴みたいに

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伊藤拓登 鍵がない

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コノシマルカ 空をわたる生き物

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殆ど死んでいる 異世界おじさん

 

 

奈良有 静と弁慶

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松木いっか 日本三国

 

 

あんぎゃまん ラーメン赤猫

 

 

尾田栄一郎 ワンピース

 

 

モリタイシ あそこではたらくムスブさん

 

 

日々曜 スカライティ

 

 



川勝きりん

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花輪和一 呪詛 封印版

 

 

川島のりかず フランケンシュタインの男

 

 

ちびっこ牛乳 受胎告知/夏の想い出

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古川益三 御祭舟 特装版/妖怪

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凡天太郎 それからのフランケンシュタイン博士

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両棲類

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ひらやすみ 真造圭伍

 

 

やっぱり最高の漫画。3巻発売直後、石川さんのこと1週間くらい考えていた。

春先に豪雪地帯の賃貸長屋に引っ越した両棲類の友人の家が、今月の雪で完全に埋まって倒壊しかけたとの報せがあった。引っ越し直後、ひらやすみだって浮かれてたのに…

ヤナギホールで会おう/ ユズキカズ

 

 

ちょっとさわがしくも、それでいて伸びやかな息遣いで描かれた町、人、犬、魚、植物、雨。そのどれもが愛おしい。

 

うみべのストーブ/大白小蟹

 

 

夜更けに見つけてとても愛おしく感じる、自販機の「あったか〜い」の滲んだ光。

収録されたどの短編も、その光と似た優しさを持っていると思う。夏の雪女の話と、透明人間の話が特に好き。

 

テフテ/ウツボカズラ病(同人誌)

booth.pm

荒々しさと緻密さに溢れたペン画によって紡がれる、めちゃくちゃにカッコいいSF長編。

バトルあり、ドバドバ流血あり、人体欠損ありと中々に大変なことになっているけど、どこか飄々とした語り口でするすると読めてしまう。夏休み直前の小学生に、こっそりとこのまんがを手渡す仕事をしたい。

 

ベースキャンプ1K秩序/不良出版社(同人誌)

どこまでも等身大に描かれた、言葉を選ばずに言えば代わり映えの無い、繰り返しの生活の一幕。もしかしたらこの生活は、自分のこれらはこの後も…と考えてしまう自分とそれでもやっていくぞと顔を上げる自分。そのどちらも受け入れてくれつつ、何も語りはしない部屋。主人公の最後のセリフは、そんな部屋への信頼と諦め、どちらも孕んでるのかも。

 

シャルトリューズ山田

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ガチ恋粘着獣

 

 

 実質バトル漫画です

スキップとローファー

 

 

 みつみちゃんが好きです

ブルームブラザーズ(志村貴子)

 

 

望郷太郎

 

 

 みんなもう読んでると思いますが…

プーねこ

 

 

 いつどんなタイミングで読んでも面白いです

平和の国の島崎へ

 

 

 これから売れまくると思います

たたセン

 

 

 バカエロすぎておすすめです

サタノファニ

 

 

 バカアナルエロで本当におすすめです

猫奥

 

 

 こういう途中で読んでも面白い漫画が好きです

 

おひとり様物語

 

 

 

 

ねぎしそ

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2022漫画ベスト10

1.泰三子『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』22巻

 

 

:警察の制服を着るものにしか分からないこれまでの積み重ね、および第188話でケーキから出てきたペアリングに敬意を表して。

2.いしいひさいち『ROCA 吉川ロカストーリーライブ』

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:「おまえはオレのシマ」なので。

3.平方イコルスンスペシャル』4巻

 

 

:一瞬でもさよちゃんが伊賀さんのために命懸けて勉強するって思ってくれただけで十分嬉しいし一生忘れへんと思う、私が。

4.涼川りんあそびあそばせ』15巻

 

 

:永遠の「おあいこ」を求めるシャネルとぺんぺんの「ふたりあそび」の始まりと、愛着のあるあそ研の物語を強烈に読者から突き放す終わりが美しい。

5.瀬戸口みづき『めんつゆひとり飯』5巻

 

 

:「コスパ&タイパ」と「丁寧な暮らし」を体現する女ふたりが脳内に互いを住まわせて会話し、翻弄される様子は、アニー・エルノー『ある女』に通じる一種の百合概念。

6.阿部共実『潮が舞い子が舞い』8巻

 

 

:第88話で更新される水木と百々瀬の関係性が、第81話の百々瀬とバーグマンがつくりだす空気をさらに特別なものに変えていく。

7.村岡ユウ『もういっぽん!』20巻

 

 

:強くなるための環境を見極めることができる氷浦という女に感銘。

8.るぅ1mm『あさみちゃんのなくしもの』

:本当に欲しいものが分からないまま衝動的に罪を犯す女がたまらなく可哀想で愛おしい。

9.模造クリスタル『スターイーター』

 

 

:独自性を追求しつつ、キャラクター、および物語までも「かわいい」と思わせる筆力に脱帽。

10.こゆびた べる『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』

 

 

:アニメでは膨らむ頬に秘められていた須理出未来の内なる声が、漫画では残酷にも言葉にされている。漫画と私との間にある共犯関係を自覚しつつも、ツンデレ幼なじみ百合の素晴らしさに屈服せざるを得ない。





ななめの(織戸久貴)

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・冬虫カイコ『みなそこにて』1・2

 

 

 どうして今年各種ランキングで言及されなかったのか。不穏さも、汚さも、純粋さも、どこにも行けなさもある。そういう空気がコマの白さという圧迫感を生み出している。

 

・ばったん『けむたい姉とずるい妹』1・2・3

 

 

 以前からたばこの表現に思うところのある作者だが、間取りやコマ、人間のあいだを越えるものとして煙が意識的に使われており、なんなら2巻ではその属性を持つものがさらに現れており、ぞっとする。

 

・たばよう「しいく委員のおしごと」

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 今年もっとも人間の本質を描いた漫画だと思う。

 

・天野美樹『ことり文書』1・2

 

 

 ハルタはこれまでも理想とする距離や関係を描いてきたが、ここにおいてまだ汲み尽くせていないことがわかる。

 

・高江洲弥『リボンと棘』

 

 

 原液を蒸留でもしたんじゃないか、という作品群。溺れる。

 

平方イコルスンスペシャル』3・4

 

 

 こんなまんがになるってだれが予想できたんだろう。

 

とよ田みのる『これ描いて死ね!』1・2

 

 

 4pまんがから学びはじめるというのが今っぽさを担保している。

 

藤近小梅『隣のお姉さんが好き』1・2

 

 

 見つめるという行為は他者を特権化させる枠組みだが、なおそれでも見つづけることはその枠の在り方じたいを薄れさせることでもある。

 

市川春子「三枝先生」

 

 

 とくに言うことがない。

 

・こかむも『クロシオカレント』1

 

 

 コミティアの味をどう普遍化するのかについて、だれもわかっていないが、ただそれに近づく方法のひとつが示されているという感じがする。

 

 

ジュンスズキ

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今年発売された5巻以内の、忖度抜きで本当にめちゃくちゃ面白い漫画、という観点で選びました。

ランキングとか賞レースとか好みは人それぞれとか、そんなものは全てどうでもよくて、この10作品が2022年で最も面白い漫画なので何卒よろしくお願いいたします。

 

1位『女の園の星』和山やま

 

 

間違いなく今年一番面白かった漫画です。

 

2位『ふたりスイッチ』平本アキラ

 

 

ゴーヤがヤバすぎて爆笑するマンガ初めて読んだ。ゴーヤ最高。

 

3位『コーポ・ア・コーポ』岩浪れんじ

 

 

人間を描くにあたって解像度をここまで魅力的に高められる人は稀有。戸籍が汚れぎみの人間には特によく刺さります。

 

4位『ヘルドッグス 地獄の犬たち』イイヅカケイタ、原作:深町秋生

 

 

1巻の1話から5巻の最終話まで、緊張が一切途切れることなく完璧に面白い。出てくる警察とヤクザがみんな超怖くてカッコいい。人間の関係性を好物にしている人たちにおすすめしたいです。最後のページが痺れるくらい良い。

 

5位『アタックシンドローム類』

𠮷沢潤一

 

 

自分が漫画に求めるものがすべて詰め込まれています。度肝を抜かれる。

 

6位『正反対な君と僕』阿賀沢紅茶

 

 

ジャンプの歴史を変える作品になると思います。心情描写の細やかさという点において時代が明らかに変遷している、その転換点を代表する超傑作。

 

7位『これ描いて死ね』とよ田みのる

 

 

全漫画家及び漫画家志望者及び漫画を愛する人間たち必読の書。

 

8位『あと一歩、 そばに来て』武田登竜門

 

 

漫画ってこう描くのか…という一つの到達点。圧倒的な才能を目にすると涙が出てしまうアレが発生しました。

 

9位『ゴクシンカ』ピエール手塚

 

 

『ピエール手塚くんのグルメ紀行』→『ヘレディタリー/極道』→『ゴクシンカ』に至る定食屋のババアの進化を是非楽しんでほしい。会話劇の名手として、和山やまの次に来るのはピエール手塚です。

 

10位『地元最高!』usagi

 

 

こはるさんが出てきてから作品の空気が変わってそれからずっと最高です。ここぞという時に力を入れたコマを出すメリハリが超上手い。

 

小野未練

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夏・ユートピアノ(ほそやゆきの)

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・漫画にするにはささやかで遠回しな心の動きを誇張するでなくしっかりと届けた作品だったと思う。全6話で読みやすい。ライブの後の夜空のシーンが好き

ルリドラゴン(眞藤雅興)

 

 

・よみがえれ

女の園の星(和山やま)

 

 

・面白すぎ

望目(監獄銘菓)

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・自分が前に描いた作品と同じ演出で「正解」を見せられた気がした。こう描けばよかったのか〜

77Princess(水田マル)

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・吹っ切れてからのテンポがドカドカ上がってく感じがいい

絵に描いた餅を描いた餅(林快彦)

 

Twitterにいる人たちが全部語ってるから私が語ること何もない。良かった。

 

へのへのもへじと棒人間とパンツ(林快彦)

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・同上。時代はエアインテーク

オナ禁エスパー(竜丸)

 

 

・同上。時代はフリクリ

With you,to atrantis(相互確証破壊(同人誌))

booth.pm

大戦後の飛行機乗りが人魚たちと会う話。鉛筆の優しいタッチが水中のとろけるような光の加減を描けていて、ラストの余韻が大きくなって良かった

贋作(プラ製バター(同人誌))

https://amzn.asia/d/0SUnQxD

詐欺師の画商とそいつに贋作を描かされる画家志望の話。二人がそれぞれ一発かましてからのグライダー飛行みたいな終わり方が綺麗だった

 

佐藤タキタロウ

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1.『Paul』 市原大志朗

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ジャンプラ読み切り、2022年9月期ジャンプ新世界漫画賞 佳作

2.『包丁を買う』折田洋次郎

 

 

スペリオール第2回次世代新人マンガ大賞

3.『フールナイト』ヤスダ佳澄

 

 

4.『ひざ』 下原誠矢

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ジャンプラ読み切り、2022年9月期ジャンプ新世界漫画賞 佳作

5.『伯爵トンネル』和邇

ジャンプGIGA2022SUMMER 読み切り

 

 

6.『まぶしく輝く輝かない勇気』赤井ゆうき

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ジャンプラ読み切り

7.『もどるもどるすすむ』日登利和

shonenjumpplus.com

ジャンプラ読み切り、2022年9月期ジャンプ新世界漫画賞 佳作

8.『劇光仮面』山口貴由

 

 

9.『さよなら絵梨』藤本タツキ

 

 

ジャンプラ読み切り

10.なし

 

あんまり新作漫画に感動したりする年じゃなかった………

とか思いながらスペリオールを立ち読みしてたら後ろに乗ってた読み切りが凄い良くてひょっこり2022ベストにいれちゃいました 『包丁を買う』凄く良かった……




人間が大好き

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  1. ニチアサ以外はやってます!(1) 猫にゃん

     

     

特撮研究会の青春を描く4コマ。主要キャラは戦隊・ライダー・ウルトラマンゴジラなどを元ネタにしており随所に仕込まれたオマージュが楽しい。そしてオマージュ=過去の作品の力を借りることが物語上でも重要な意味を持つ。4コマでありながら絵コンテの枠を4コマ漫画に見立てたり、枠のない一枚の絵で連続的な映像を表現したりと斬新な表現を追及している。

 

  1. 偽物協会(2) 白井もも吉

     

     

不安になると毛布になってしまう人間の偽物・包見綿子と、「普通」からはみ出た「偽物」たちが集う「偽物協会」の会長が織りなす1話完結の不思議なエピソード。温かみのあるイラストで各話ごとに意外なモチーフが提示され、それが何のメタファーでどのような寓話を描いているのか次第にわかってくる謎解きの快感がある。予想もしない想像力の広がりや意外なものを繋ぐ感性に驚かされる。2巻は1巻以上に斬新で撮れ高のある画面が多い。

 

  1. ルリドラゴン(1)  眞藤雅興

     

     

ある日ドラゴンの血が目覚めてツノが生えた女子高生・ルリの日常を描く。ドラゴンという突飛な存在でもクラスメイトは自然に受け入れる。それを画面の中でも時にモブとして描いてしまう回やドラゴンであることに一切触れずプリクラを撮りにいく回など示している。説明ではなく空気によって説得力ある描写をしているのがよい。ジャンプ連載作だけあって急に火を吐くシーン描写など動きの画面も見栄えしている。

 

  1. とくにある日々(1) なか憲人

     

     

「犬のかがやき」名義でもお馴染みの著者による、女子高生2人の掛け合いを軸にした学園ギャグ漫画。勢いやキレのあるコントのような会話だが程々な上品さがあり心地よい。ギャグだけでなく、日常の何気ない物事から面白さを見つける若く瑞々しい感性に心洗われる。

 

  1. ネコマタ解釈の成立 鈴木りつ(青騎士6A読切)

     

     

猫から人になった存在であるネコマタを保護するところから始まり、最初はよくある人外同居モノかと思いきや、なんと人権や戸籍を求め法廷や行政にまでレンジを広げてしまう。ファンタジーを現実的に突き詰めたり予想外のスケールにするのが面白いだけでなく、アーバン・ファンタジーにありがちな自助・共助による生活や社会からの不可視化に対するアンチテーゼでもある。

類似のテーマを扱った『妖こそ怪異戸籍課へ』もおススメです

 

 

okadada

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 呪詛 封印版 - 花輪和一

 

 

今年は花輪和一の旧作のすごさに気づいた年だった

 

劇光仮面 山口貴由

 

 

もうどこまででも行ってほしい

 

かけ足が波に乗りたるかもしれぬ 菅野カラン

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すごい

 

静と弁慶 – 三木有

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サンデーの抒情派っぽい

 

絵が上手くならない問題 - 夜なのに朝日

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三人組の駄弁りシリーズはずっと読んでたい

 

偽物協会

 

 

無意識で向う側にいる人

 

千年狐 ~干宝「捜神記」より~

 

 

前は合間に突然出てきてたホラー表現が今年から前面に出てきてうれしい

 

コワい話は≠くだけで。 影山五月

 

 

期待枠

 

となりの百怪見聞録 – 綿貫芳子

tonarinoyj.jp

期待枠2

 

アンナコムネナ 佐藤二葉

 

 

かわいい

 

岡田索雲 ようきなやつら

 

 

高い志を伝えるための道具としてのユーモアが、当の志を超えてしまっている

 

ダンピアのおいしい冒険 トマトスープ

 

 

ジャードゥーガルもいいけど4巻面白かったよ

 

とくにある日々 - なか憲人

 

 

今年はこれくらいの感じがよかったかもしれない

 

関係ないけど読んだ旧作の中で良かったの

鉄風 - 太田モアレ

大奥 - よしながふみ

マーチャンダイス - 大石まさる

レベティコ - デヴィッドブリュドム

イビクス - パスカル・ラバテ

sunny sunny ann - 山本美希

かしこくて勇気あるこども





ふぢのやまい

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ミワさんなりすます

 

 

来陽と青梅

 

 

偽物協会

 

 

ういきき

 

 

77:PRINCESS

comic-days.com

ヤナギホールで会おう

 

 

肉欲の美学

https://book.dmm.co.jp/product/4162026/b472abnen01335/

 

昭和天皇物語 

 

 

風水ペット

 

追放されたチート付与魔術師は 気ままなセカンドライフ謳歌する。

 

 

 

 

井戸畑机

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* 原作/青木潤太朗,作画/森山慎「鍋に弾丸を受けながら」

 

 

気軽に食べられるものじゃないが、本当においしそうだ!

* 日之下あかね「河畔の町のセリーヌ

 

 

優しい話。ずっと読んでいたい漫画。

* 川井十三「5080」

 

 

5080問題をコミカルに描いている。

* ガンプ「断腸亭にちじょう」

 

 

すごい漫画だ。

* 原作/松尾諭,漫画/勝田文「拾われた男」

 

 

俳優である松尾諭の自伝風エッセイをコミカライズした作品。勝田文先生はオリジナルももちろん面白いのに、コミカライズもめちゃくちゃうまい…。

* 筒井哲也「ニーティング・ライフ」

 

 

家から出ないことのリアリティがすごくておもしろい。

* 森下真「すだちの魔王城」

 

 

こういうテンションの漫画も好きなことに気づいた。あと絵がかわいい。

* 吉沢潤一「アタックシンドローム類」

 

 

新刊が楽しみな漫画が増えて嬉しい。ぜひ読んで欲しい。

* のむらしんぼ「コロコロ創刊伝説」

 

 

コロコロを創った人々のアツいエピソードと作者の身の上話に泣いてしまう。

* おのえりこ「こっちむいて!みい子」

 

 

小学生の時に読んでいたが、今改めて読んでもめちゃくちゃに面白い。みい子の前向きな一生懸命さが読んでいて切なくなる。








 

華沢寛治

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インク色の欲を吐く

 

 

泥濘の食卓

 

 

付き合ってあげてもいいかな

 

 

神様お願い

 

 

くるくるくるまミムラパン

 

 

気になる聖凪の頭の中は

bigcomicbros.net

OLと人魚

 

 

ミューズの真髄

 

 

世襲制トライアングル

 

 

ガチ恋粘着獣

 

 

 

 

 

@maritissue

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2022年漫画ベスト

※ほぼ2022年以降に単行本発売縛り

1位

リトルホーン〜異世界勇者と村娘〜(額縁あいこ・講談社

 

 

絶対に売れてくれ!

2位

ツイステッド・シスターズ (山下和美講談社

 

 

 

上は75歳、下は新生児!? 昭和から令和までをつなぐ、怒涛のかしまし5姉妹が織りなすドタバタコメディ。トンデモフィクションに垣間見えるリアリズムに爆笑する傑作。

3位

ユトポリス(影革・ジーオーティー

 

 

 

近未来の管理都市から脱出を図る少年少女のディストピアストーリーと言えば月並みだが、描き込まれたディテールと、軽やかに発されるアメリカ映画さながらの台詞が小気味良い。

4位

愛したぶんだけ愛してほしいっ!(まにお・一迅社

コミック百合姫 2022年11月号〜連載開始

 

 

『きたない君がいちばんかわいい』、通称「きたかわ」の作者・まにおの新連載。ポップにかわいく闇深く❤️

 

5位

T子の一発旅行(穀子・祥伝社

 

 

留学生がTinderで出会いまくりのオフパコレポフィクション。主題からブレない程度に挟まるギャグテンションが楽しい。次ページに何が描かれるのか、展開の読めなさが他のレポ系漫画とは一線を画す。

6位

異世界人生劇場〜竜と魔王とエビフライ〜(ka92・小学館

 

 

かわいすぎるハイカロリーショートショート。一気読みすると胸焼け必至、毎日2話ずつくらいがちょうど良い。

7位

残り一日で破滅フラグ全部へし折ります ざまぁRTA記録24Hr.(天城望福留しゅん・KADOKAWA

 

 

最近の悪役令嬢モノの中でも爆売れ作品。残り一日、たった一日。作者や作品をも苦しめかねないリスキーな制約に痺れる。現時点の二巻までは制約を感じさせないスピード展開。果たして何巻まで繋げられるのか、見ものである。

8位

これ描いて死ね (とよ田みのる小学館

 

 

目新しさはなくとも、純粋に応援したくなるような、それぞれの爽やかなキャラ立ちが好印象。

9位

ホワイトアンダーグラウンド花見沢Q太郎ぶんか社

https://www.amazon.co.jp/dp/486704489X

エロへのエキサイトと、お小水へのこだわりが光る。明るいロリがいちばん楽しい。

10位

僕の心がチューと鳴く(胃下舌ミィ・KADOKAWA

 

 

はるか昔、心のどこかにしまい込んだはずの何かが込み上げる。そんなものが自分にあったかどうかすら定かではないが……。

ネズミの時と人間の時、当事者視点と第三者視点の書き分けのバランスがうまい。終盤、父を追いかける娘の涙にグッときた。




怖いリプライ ~ sᴄᴀʀʏ ʀᴇᴘʟʏ ~(しゃりあ)

https://twitter.com/Sialia_



マンガ10


●君は恋する殺人鬼 / あきやまえんま

 

 

地雷女の話と思いきや、殺人の要素を上手く使いながら、悪い方へと転がっていく人間関係を活かして、あらゆる上っ面の向こう側にある本音のコミュニケーションをずっとやっている。エゴゆえに傷つけあってしまうこと、それを承認し合うこと。他者に真に求めているのは、セックスでも承認でも寂しさを埋め合うことでもなく、愛し愛されることなのに、解決しきれない物語は寛解しないまま2人を置き去りにして終わりを迎える。

●終の退魔師 エンダーガイスター /四方山貴史

 

 

『VS Evil』から続く第2章なんだけど、こっちを読み進めつつ後から1章を読んでも問題無い。ゴブリンやら魔女やらの設定が渋いな〜、現代なろう系の感じかな〜とか思ってると、深掘り横堀りがされていって、映画ネタ盛り盛りな王道SFファンタジーモノなことが分かるので読んでいて気持ちがいい。エンタメサービスにためらいがないのも良い。POVになる戦闘描写など、表現に挑戦が見えるとやっぱり嬉しい。

●ヴァルハラ・オティンティン館 /作者:原作/求嵐 キャラクター原案/萌木雄太 漫画/夕仁

 

 


こんな話なのに原作付きである。コンプラ無視のエロコメは頭を無にして読めるから本当に良い。この作品における転生モノ"チート能力"は「すごいチンポ」。そのすごいチンポで次々と女を籠絡していってもバカすぎて不快になる余地がない。チンポビンタなど、絵力も普通にある。

●時間停止勇者―余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる― / 光永康則

 

 


明確に細かい目標設定があるので章分けが分かりやすい。その上で1話自体のボリュームが結構あるし、ちゃんとその中で展開があるので、読後の満足感が結構ある。毎回必ず主人公がヒロインたちの女性器を確認するコマが数回描かれるのはこのマンガだけ!

●さよならエデン / 愛南ぜろ

 

性愛とはいざ知らず、恋愛感情の伴わないセックスなんて所詮セックスでしかない(肉体交渉以上でもそれ以下でもない)し、プラトニックなコミュニケーションが肝要だと分かっていても、やっぱり好きな女がやたらめったら発情してヤリまくっていたら気が狂う。最終的に開き直るにせよ、清純を押し付ける側に振れるにせよ、どちらも性の加害性と中毒性について激しく自己追求しながら内省せんといかんよ。

●さとるくんの横縞のスカート/井ノ巳吉

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10p読切マンガ。絵が綺麗だしコマ割りも見やすい。明らかに『青野くんに触りたいから死にたい』を参考にしすぎているが、『青野くん』にはない「軽さ」が軽快なテンポとポエジーに相まって良い。このくらい真剣に軽やかに生きるべきなタイミングは確実にある。他作品では『夏休みのともだち』は結構面白かった。今後が楽しみ。


●松山くんと小林さんの3メートル / 与左衛門

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幻覚患者の見る夢。アウトサイダーアート。話も展開があるわけじゃないんだけど、異形の描き方が凄すぎる。
ボーダーを超える、他者について勇気と優しさをもって踏み込むということは恋そのものだ。
このまま小林さんについて何も明らかになることもなく、ただ不気味で意味不明のまま、恋をして欲しい。
他者とはそういうものなので。

●雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

 

 


漫画:アラカワシン 原作:戸倉儚 キャラクター原案:白井鋭利

なろう系の良いやつをディグるときの基準として、モンスターの絵がガチガチに描かれている、設定が緻密でネーミングセンスがある、テンプレ展開に対して登場人物の感情の裏付けや構造上の理由がある、あたりを目安にしてるんだけど、これはそれら全てに該当していた。ここからどうなるのかなーと原作を読みに行ったら、マジでブッ倒れるくらい面白かった。なろう系読める人は読め!


●泥濘の食卓 / 伊奈子 

 

 


「人には優しくしなさい」といいう言葉の無謬性、無辜性を信じていくことで起きる悲劇は、善なるゆえに絡み付いて離れない。閉鎖的な地方モノとして見ると平凡だけど、それは絶対事故るの目に見えてるだろという計画を、善いことだからと目を瞑り、欺瞞の上で直進する愚かな主人公が良い。こういうのは最悪の終わりを迎えるか、茶を濁してホンマにハッピーエンドか?と言いたくなるような終わり方になるのが定石な気がするけど、うまいこと「優しさ」について掘り下げて納得のできる結末を迎えさせて欲しいなと思う。単行本で買おう。

●ゆめかの日記~ちょっと怖い白昼夢~ / 坂入カツユキ

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ホラー枠。怪談とはセオリーに対してどれだけ捻りを加えて「この話は初めて聴いたな」と思わせるかどうかだと思う。そういう観点では『僕が死ぬだけの百物語』も面白いし絵力あるので迷ったのだけど、『ゆめかの日記』には前者にはないポエジーがある。多用される横ゴマでの「私は」に泣く。クリーチャーのデザインも、『不安の種』以降のホラー絵からちゃんと脱却していて偉い。3話がお気に入り。

ほしがた

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とくにある日々

 

 


光が死んだ夏

 

 

大丈夫倶楽部

 

 

生徒会にも穴はある!

 

 

きみだけがほんとう

 

 

月出づる街の人々

 

 

アタックシンドローム

 

 

住みにごり

 

 

劇光仮面

 

 

断腸亭にちじょう

 

 

 

 

西瓜士

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めちゃくちゃ順当なベストになっちゃった

 

  1. スーパーベイビー 丸顔めめ

     

     

こてこてのギャル×眼鏡くん、最近では「正反対な君と僕」と似た構成ながらリアリティの線引きをかなり曖昧にしつつ、ときおりドギツいナマの台詞が飛び込む

漫画の力を信じようというガッツを感じる 主人公カップルを愛せた作品は初めて 大好き ベスト

 

  1. ラーメン赤猫 アンギャマン

     

     

猫の神秘性に甘えず人対人の漫画にしたところが偉い 人、職業に対する作者の視座にあまり不安がない 単なるスカッとに絶対逃げない構成もよい

作者が過去書いていたカッパと仙人の漫画はこの漫画と逆にアクション10割で面白い ジャンプラ最近お仕事漫画ちょっと推してる?

 

  1. 限界煩悩活劇オサム ゲタバ子

     

     

腐女子あるあるをイジるのはいかがなものか、集英社は昔同人に対して~という文脈で「打ち切られ漫画家、同人イベントへ行く。」(同ジャンプラ)と共に小火が起きたりもしたが、あるあるものはとにかくキャラが可愛ければ面白い ここでしか得られないデフォルメが堪能できる

タメ⇒大ゴマで飛距離のある台詞という構成を崩さないので安心して読めるし、除霊方法は対話という案外イマイマなテーマでやってる

 

  1. ぷにるはかわいいスライム まえだくん

     

     

コロコロ「らしさ」、SNSでの飛び方、感情のコンテクストさ、食い合わせが悪そうなのだが全てめちゃめちゃに高水準

でもおれはカビぷにる人気には"待った"と。"NO"と。そう言いたいね(ぷにるの主体的にカワイくあろうという朗らかさが奪われているからね)。

 

  1. 断腸亭にちじょう ガンプ

     

     

作者が前作をとつぜん休載、アカウントを消し一切の情報がなくなってしばらくの後、ガンプ名義でのこの作品によって読者ははじめて作者がどのような健康状態にあったのか知る…というとんでもない作品

読み進めていくうち「じゃあつまり作者は…」という不安がどんどん募っていく

 

  1. とくにある日々 なか憲人

     

     

2巻に入って、学校や散歩道での脳みその隅っこをつつくような「気づき」が主人公二人の関係をより深める役割を果たし始めており、ずっと嬉しい

好きな回 摩擦文字、ピザって10回言って⇒お世話になりました…、スペアメガネ、おかきもある、鼻

 

  1. ようきなやつら 岡田索雲

     

     

去年も東京鎌鼬をベストに上げたので二年連続

とにかく強い怒りを感じるがコマの時間の作り方が上手いのでコレクトネスに対するまなざしが読み味を阻害していない

 

  1. かないさん 伊藤九

    comic-days.com

文学が上手い 22p 言うことなし 18歳←ふざけるな 嫉妬

 

  1. オナ禁エスパー 竜丸

     

     

馬鹿馬鹿しいお話はその馬鹿馬鹿しさによって面白さのごまかしを一定量得ている場合があるのだが、コマ演出台詞全部高水準ですごい 馬鹿馬鹿しさに逃げてない

 

  1. 静と弁慶 三木有

    shonenjumpplus.com

ジャンプらしさ・らしくなさはもういちいち新人が何か言うことではないと思うのだが、ジャンプで7年ほど前改造人間ロギイをやってた作者がこんなにジャンプ「らしくない」漫画をいまジャンププラスで出したことに感動する

擬音のストイックな少なさと余白づかいによって逆に体育館を満たすように音があるのだと感じられるのがすごい

 

げそにんちゃん

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綺譚花物語

 

綺譚花物語

綺譚花物語

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ワイン知らず、マンガ知らず

 

 

きたない君がいちばんかわいい

 

 

追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆる綺ものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~

 

 

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

 

 

これ描いて死ね

 

 

生徒会にも穴はある!

 

 

娘じゃなくて私が好きなの!?

 

 

偽物協会

 

 

正反対な君と僕

 

 


藤井夏子

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1位「アクティング・クラス」

 

 

2位「マオニ」

to-ti.in

3位「彼岸花

to-ti.in

4位「ROCA」

www.ishii-shoten.com


関野葵

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東京ヒゴロ1、2巻

 

 

スカライティ1巻

 

 

ポラリスは消えない1、2

 

 

 

女の園の星3巻

 

 

われわれは地球人だ!1巻

 

 

八月のペンギン

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①熊倉献『ブランクスペース』

 

 


本作を朝の4時に読み終えた私は、興奮のあまり徹夜で職場に向かう羽目になったことをよく覚えています。
私は「クリエイター」という言葉の使用を自らに極力禁じています。それはこのような作家との出会いを期待してのことです。熊倉献先生は正真正銘の創造主(クリエイター)です。
マジックリアリズムに支えられた世界水準のメタフィクションマンガにして、澄みきった青春文学。
「想像=創造」力に関する物語を決して実験作に終わらせていませんし、群像劇でもあるのに芯をまったく外していません。そこらの凡百な「クリエイター」とは明らかにものが違う。天才です。すごい。すごすぎます。こんな作品を描いて作者は大丈夫なんでしょうか。この先も創作を続けていけるのでしょうか。それが唯一の気がかりです。

②大白小蟹『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』

 

 


七本の短篇マンガと、各話に添えられた短歌からなる作品集。日常のなかの、死や喪失が潜在しているがゆえにこそかけがえのない時間を、詩情豊かに描き出します。フェミニズム的な切り口の作品が多数を占めますが、性別を問わず温もりを伝えることに主眼があります。
作者は「温度差」の感覚を大切にしています。寒風の下のストーブであり、暑くて冷たい雪女の夏であり、夕陽を集めて日陰のオフィスを照らす反射鏡であり、雪の冷たさとシャワーやお風呂な人肌の温もりの対照です。この誰もが知る皮膚感覚が、理屈でなく生理として読者の共感を呼び起こす肝のように思われます。
冷たくて痛くて切なくて、それでいて痒いような甘いような不思議な感覚が研ぎ澄まされた短篇ばかり。いずれ劣らぬ傑作揃いです。

③厳男子『ムラサキ』

 

 


個体にしても自我にしても連続体を分けることで存在する人間という存在、それらを連続したものへと還す試みとしてのダンス(ヨガや格闘技や宗教と隣接するものとしての舞踊)を、圧倒的な画力と研ぎ澄まされた言葉の力で高解像度に描き切った作者に平伏せずにはいられません。
言うまでもなく、作者は連続体を分けることで成立するマンガにも挑んでいます。全人物が光の柱の前でスパークする終盤に向けて、マンガを構成する図と地の二分法(コマの枠線やキャラの主線の内と外、あるいはキャラと背景)を解体し、読者の共振を呼び覚まそうとしています。その試みの成否は、ほかならぬ一人一人の読者に委ねられています。
正直にいえば、何が描きたいのか誰を描きたいのか、やや未整理な印象は拭えません。しかし、贔屓目にはその混沌もまた本作の魅力とうつります。コンテンポラリーダンスというマイナーなテーマに挑み、人物の身体を流麗に描き出し、日本マンガ史に金字塔を築いた傑作(という評価を得てほしい!)。作者の次回作が本当に待ち遠しいです。

④松田舞『ひかる イン・ザ・ライト!』

 

 


歌が大好きな中3女子がアイドルを目指してオーディションに挑む話。
作者は成長著しいです。前作『錦糸町ナイトサバイブ』よりも物語にドライブ感があります。そして、嫌みのない前向きな主人公がきらきらと輝いています。
衒いのない真っ直ぐな作品です。表現者の宿業を描ききり、読者の感情を激しく揺さぶります。感涙を流しすぎて脱水症にならぬよう水分補給をくれぐれもお忘れなきよう。

⑤高妍『緑の歌 収集群風』

 

 


器も中身もおそろしく古風。これを愛でるのは、さすがに躊躇われます。でも悔しいかな、いいんです。
賢くて器用な作者が描いた「私マンガ」の傑作にしてサブカル糞野郎の「踏み絵」です。恥ずかしげもなく告白すれば、細野晴臣村上春樹をはじめ作中に登場した固有名(本、レコードやCD等)にひとかたならぬ思い入れがある私は、否応なく心を動かされました。作者の日本文化への愛情自体にも嘘偽りはなさそうです。でも「親父転がし」のビジネス臭がきつすぎる!
若くて可愛らしい台湾人女性から「日本の昭和(と平成)のサブカルが大好きです」と言われて鼻の下をのばしている団塊の世代のオヤジたちの情けない表情が浮かんできます。自分も気を抜くと同じ顔をしてしまいそうで、それがとにかく恐ろしい!

⑥冬虫カイコ『みなそこにて』

 

 


「水たまり」のようだと語られる郷に住まう美しい少女の姿をした人魚と人間の少女たちとの交わりを描く伝奇ホラー。家父長制が充満する閉塞した田舎町で生きる女性の息苦しさを寓話化。嫌というほどリアルです。不穏さは『新世界より』を想起させます。九州の片田舎で育った身として肩入れせずにはいられません。
主題は令和の「24年組」。作画はよしながふみや以前の吉田秋生のように余白に感情を込めるものです。

⑦小骨トモ『神様お願い』

 

 


作風には(とくに初期の)山本直樹の影響が見てとれます。ただし対象との距離が隔絶した山本作品とは異なり、いずれの短篇にも作者の強烈な私性や学校への呪詛がこめられています。粗削りですが、そこがいちばんの魅力。勝手ながら2022年の最優秀新人賞の表彰状を贈りたく思います。
後書きによれば、帯の推薦文は押見修造ゴトウユキコ(帯は電子データに含まれていないので、フィジカルで買えばよかったと後悔しました。購入される方はご注意くださいませ)。これらの作家のファンは必読です。

とよ田みのる『これ描いて死ね』
伊豆王島に暮らす高1女子が、憧れのマンガ家の久々の新作を求めて遥々コミティアに行くと、そこにいたのは何と!
フィクションではありますが、伊豆大島出身で藤子A(安孫子素雄)先生に私淑するマンガ大好きの作者が描く『まんが道』といった趣きのマンガ家マンガです。
キャラクターそれぞれに際立った個性があって言葉もキレキレ。キュートでユーモラスで何よりマンガへの愛情に溢れている素敵な作品です。引っ込み思案な性格の共同執筆者が厳格な母親にコミティア参加を直訴するマンガや、友人兼ライバルが主人公の作品を認めてくれる台詞には大いに涙腺を刺戟されました。

藤近小梅『隣のお姉さんが好き』

 

 


ジャンルは大別すればラブコメですが、本作が当初フォーカスしたのはお隣に住む3つ歳上、高2の映画好きのお姉さん・心愛に思いを寄せる中2男子・佑の報われぬ恋心。お姉さんと、その横顔を一方的に見つめる主人公との間に横たわる絶望的なまでの距離を、情報を統御しながら巧みに描き出していました。
その絶望的と思われた距離が、2巻で少しずつ近づいていきます。急速に成長し視野が広がっていく佑。少しずつ「めんどくささ」が爆発していく心愛。人物を描く解像度が異常に高くて感心させられます。
人物の内面が(語り手を兼務する主人公を除いて)モノローグで説明されることがないため、読者の読解力が試されますが、そこが本作の魅力。とくにめんどくさい性格のヒロインに生々しい存在感があって、どこか高橋留美子作品を想起させます。

⑩もぐこん『推しの肌が荒れた もぐこん作品集』

 

 


偶然の繋がりに支えられて次のステージに進む少女の物語が切なくも清々しい余韻を残します。作者の特徴は表面への拘り。アトピーの肌、痩せて肋の浮いた体といったざらつき、凹凸のあるテクスチャー(この並びに古い家を加えることも可能でしょう)をトーンを使わずペンの描き込みのみで表現します。
個人的な趣味の話をすると、本作のつげ義春「やなぎ屋主人」のオマージュにやられました。似たモチーフの「ゲンセンカン主人」と比べて評価も知名度も劣りますが、「やなぎ屋主人」の細密に描かれた女将の肉感的な身体に触発された作者の慧眼に拍手をおくり、固い握手を交わしたい気持ちです。




今週読んだマンガ#3

もう今週どころではない。忙しかった。

 

・ももいろさんご

前々から読みたかった。2巻の表紙絵の仕上がり方。ずっと絵が良すぎるだろって声に出しながら読んでいる。

 

・A.O.Z RE-BOOT GUNDAM INLE ガンダム・インレ ‐くろうさぎのみた夢‐ 

藤岡建機展行ったので。『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』高すぎるほしすぎる。「ジオンってさ 世界の半分を殺したんだよ」エモすぎ。

 

 

人類は衰退しました のんびりとした報告

サークル「彼岸泥棒」も読んだことないのにコミティア出ててすいません。漫画がうますぎる。原作も読みたし。思わず2019年ごろのトーチ読み切りも久々に読んでしまった。

 

・貸本怪談まんが傑作選 妖の巻

川島のりかず復刊記念(?)スペースにて川勝徳重先生が話していて、そこでこの本存在をはじめて知りました。どれもめちゃくちゃおもしろいのだけれど、とみ新蔵がずば抜けて超おもろい。なんていうか吹き出しの中が全部自由。

 


以下新刊

・私の息子が異世界転生したっぽい

かなり面白い。仏壇の前で祈りささげる日々を送っている私たちが異世界転生をどうして信じちゃいけないの? かなり攻めてる。

 

 

 

・ヤナギホールで会おう

過去作が高騰しているユズキカズ先生のいちおう新刊。初出一覧がべらぼうにおもしろい。90年代の「パチンコ必勝ガイド増刊 漫画パチンカー」熱量がすごい。犬童一心監督の映画『二人が喋ってる。』のポスターってユズキカズだったんだ。

 

今週読んだマンガ#2

今週読んだ漫画は35冊くらい。今週は忙しかった。

 

 

・くるくるくるま ミムラパン

 

 ついに3巻が出たので。展開もビビったがアシスタントに浄土るるの名前があったのにも驚く。これまでで一番画面が跳ねていて楽しい。驚愕のどんでん返しと必殺の後頭部泣き(?)が炸裂している3巻。1巻で読むのを辞めてしまったような人も読んでほしい。全然好きなマンガではない。でも語り合いたい。そういう位置にいるマンガになった。ひっそり開かれた完結パーティーにて関野先生は、散らかった部屋のゴミを静かに片付けながら次の次の読み切りの話をされていた。

 

 

・かんかん橋をわたって

 

なんか知り合った編集者がみんな読んでいる気がする。Twitterでも去年一昨年話題になっていた気がする。今更読む。

アブサロム、アブサロム!とおもっていたら、かなりHUNTER×HUNTERみたいになって能力バトル。ほんとみんなこれ読んでいる。

 

 

 

 

 

以下新刊

 

・「神様」のいる家で育ちました

 

今年ベスト級に面白かった。題材以上に、マンガにするさばき方がうまい。本人が抱えている切実さをクドクド話したりなんかせず、暴力そのものを見せたりもせず、その痕だけを見せたりしてずっと省略が効いている。

 

・追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフ謳歌する。

これもTwitterから。話題作なのもわかるというか、キャラクターたちが崩したナマっぽい言葉で笑いあうのが超嬉しい。

 

・幸子、生きてます

 

最終巻。4巻発売時点で1巻と2巻が絶版プレミア価格というのにビックリした。

 

・マザーパラサイト

 

ものすごく面白い。いってしまえば表紙通りのけばけばしいソープオペラなのだけれど、そこへの振り切り方に躊躇がない。なんらかの新事実が発覚すると登場人物たちが驚きながら飛び跳ねる。最近義母モノ流行ってない?

 

・東京ヒゴロ

 

そんなに好きではないけれど小ネタと元ネタ多くて全然追いつけない。全然わからないので誰かまとめてください。漫画部の部室の壁に貼ってある新体操会社『思考錯誤』についてつぶやいたらついにAmazon在庫切れになった。2,3人おれのツイート見てから買ったのか。

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