2025マンガベスト10 その4(okadada 陰山涼(げか) ななめの 投擲装置 ジュンスズキ ねぎしそ 梢はすか 八月のペンギン marity ふぢのやまい meganedesk)
そのほかのページはこちらから
okadada
・エンゼル - カウリバー
今年読んだ中で最初のベスト
・チート付与魔術師 - 業務用餅,六志麻あさ,kisui
本当になんなんだこいつ、菊池寛か?
・魔女の右手 - 箱いっせ
次の連載も楽しみ
・心霊写真密売マニュアル - 池袋万里
まだ一話しか読んでないけどめちゃくちゃ面白い、単行本楽しみです
・ウリッコ - 大森かなた, 殺野高菜
人が学習していく漫画が好きなので「ありす宇宙までも」とかと同じカテゴリとして読んでます
・呪いの絵日記 - 江河川
『 呪いの絵日記 第3話︰予言者の鏡』①
— 江河川(新) (@kappadokia1024) 2025年12月2日
鏡の中に光る虚像か、鉄の必殺仕事人か─────?!
📢83ページ一気に投稿したら@kawawa1024がロックされちゃったのでこちらから再投稿します笑!
夜露死苦!お願いします👊#漫画が読めるハッシュダグ pic.twitter.com/CmCHXKn9tU
変わった漫画だし、全く賛同できないのに好感が持てる人間観って貴重
・うちがキングダム - 森巡る,砂糖野しおん
丁寧に丁寧を重ねた漫画
・緑の予感たち - 千葉ミドリ
あんまり文句がない
・囍 - 下川林
中国怪奇漫画、もっと読ませてください
・伴天連怪談 - 三木有
読んでると何かの予感が常にする
・裏バイト:逃亡禁止 - 田口 翔太郎
ここ二年くらい毎週楽しみにしてて毎週面白い漫画なので、畳みにかかっている今改めて挙げておきます
面白かった読み切り次点
・順子 NEVER DIE!!! - 地球のお魚ぽんちゃん
・異世界整体師タダシ - おきらくボーイ
・月のお寿司を抱えてねむる - たいぼく
・ライブアクション - 鎌田樹
・芦葉総一朗のガラクタ - 藤のよう
・好子さんのいる地獄で死にたい - 浮足
・呑んでゴメン - 尾瀬あきら
陰山涼(げか)
陰山涼(げか)
https://x.com/kage_kyage
伊藤九『ランチユーインザスカイ』(モーニングtwo/講談社)
千葉ミドリ『緑の予感たち』(トーチweb/リイド社)
大嶋宏和『GHOST』(COMIC MeDu/ジーオーティー)
清永卵『かたすみのきおく』(モーニングtwo/講談社)
原作:伊東潤/漫画:幾花にいろ『国を蹴った男』(ミステリーボニータ/秋田書店)
かわじろう『あたらしいともだち』(SHURO/マガジンハウス)
浦部はいむ『生きづらいまま笑えたなら』(COMIC MeDu/ジーオーティー)
『本なら売るほど』のヒットにも象徴されるように、2025年はハルタの力を感じた一年だった。『午前二時は食卓で』『船長、問題ありません!』『かみちゃんがいればマル』など注目の新作は多かったが、特に『人魚のムニエル』と『現象X』そしてなにより『極楽にはまだ早い』を勧めたい。『人魚〜』は『悪魔二世』の志波由紀による短編集。あのクセになるリズムとユーモアはそのままに、アイデア溢れる見事な短編ばかりで驚いた。『現象X』は海外ドラマ風の超能力事件捜査もの。シーンとページのコントロール力が凄まじく、語りの滑らかさが尋常ではない。話もクールなようで熱くなってきたのでぜひ2巻まで読んで欲しい。『極楽〜』は年末に現れた文句なしの傑作。舞台は江戸時代、処刑人の主人公と罪人たちのドラマが恐ろしいほど端正なタッチで描かれていく。いたって素直なマンガに見えるのだが、透き通るような演出の力で完全にもっていかれてしまう。このパターンが一番すごいと思う。
ユニークなタイトルが目立ったのがモーニングtwo。7年越しに単行本がでた『趣都』もさることながら、『かたすみのきおく』と『ランチユーインザスカイ』が抜群に良かった。『かたすみ〜』は説明が難しいが絶妙な関係性を描いたマンガ。絶妙さが絶妙すぎてずっと面白いのでとりあえず読んでほしい。『ランチユー〜』は説明不要。一瞬の煌めきが駆け抜ける。とりあえず読んでほしい。ダークホース的な媒体としてはCOMIC MeDuが面白いことをしていた気がする。『GHOST』はいわゆるグラフィック・ノベル的なスタイルがユニーク(公式には「グラフィック・コミック」とされているが、これはかなり不思議な呼び方だ)。中年男性たちのドラマが本当に沁みる。本当に。『生きづらいまま笑えたなら』は、社会規範に馴染めないキャラクターたちの描写に本気を感じられる稀有なマンガ。かつ、最後にはどうにか希望を描こうとしていて本当に頭があがらない。
トーチからは『緑の予感たち』、SHUROからは『あたらしいともだち』を選んだ。この2作については他のところでも書いているし世間の注目度も高いので詳細は控える。とにかく絵と間合いだけでも十分すぎるほど良いマンガだ。最後になんだか不思議な企画の『国を蹴った男』。時代小説のコミカライズで、今川義元の息子・氏真とお抱えの鞠職人の物語を描く。原作は講談社だが秋田書店ミステリーボニータ連載、なのに単行本はヤングチャンピオンコミックスという謎のマンガ。おそらくもともとの話もかなり面白いのだが、幾花にいろによる演出が本当に輝いている。所作と動きの切り取り方が素晴らしく、ただ鞠を蹴っているだけでも感動的だ。なお、今回はどうも10作に収まる感じがしなかったので、勝手ながら以下にもう10作挙げさせてもらう。これが入ってなかったら嘘だろ、というものばかりだ。
里見有『血園のジヤ』(竹コミ!/竹書房)
山口晃『趣都』(モーニングtwo/講談社)
ヤマシタトモコ『SUGAR GIRL』(OUR FEEL/シュークリーム)
市川ヒロミ『二兎の除霊師』(週刊ヤングジャンプ/集英社)
沖尚樹『パンクガン』(週刊ヤングジャンプ/集英社)
光用千春『次の整理』(ビッグコミックオジナル増刊/小学館)
ほそやゆきの『シルク・フロス・ボート』(&Sofa/講談社)
雁須磨子『起承転転』(Ohta Web Comic/太田出版)
原夏見『それ以外の星たち』(JOUR/双葉社)
堅貝『擬族』(ヤンマガweb/講談社)
ななめの
・五十嵐純『拝啓、在りし日に咲く花たちへ』1・2
作中でも言及される通り、吉屋信子『花物語』やそのキャラクターの語りを念頭に置きつつも、次第にそうした物語によって閉じ込められた関係がもたらした功罪を語りはじめる、この百合の目つきがヤバイ2025です。また花に満ちた心象描写だけでなく、ともすると画面がわかりにくくなる光のバランスも繊細で印象に残った。
・るぅ1mm『ベラドンナの恋人』
もともと絵の上手い方だとは知っていたが、その力を活かしてストーリーのなかの一枚でバキッと空気を変えて読者を飲み込むセンスが図抜けている。表題作はちゃおプラスに掲載されていたこともあって、この媒体にこの描線の百合で殴り込みに来ていいんだ……!と感動した記憶。
・鈴木りつ『鈴木りつ短編集 考幻学入門』
短編集といいつつ、ページ数は作品によって長いものから短いもので用意されていて、それぞれの枚数でどういったストーリーや変化球を与えるかに作者が自覚的であることがよくわかる、イマジネーションだけでは決して説明すべきではない佳品が揃っている。
・藤見よいこ『半分姉弟』1
差別言説を目の前にすると、受けた側は日常的な思考の外から急に殴られて、咄嗟になにもできずフリーズしてしまうシーンを複数回描いていて(文脈は異なるが痴漢を受けたときのフリーズに似ている)、そういう共有不可能性みたいなものを群像劇として出し、人々のあいだの摩擦をも描いていることは、たいへんストレスフルな作業だと思われるし、めちゃくちゃエールを送りまくりたい。
・冬虫カイコ『土曜日の三重奏』
もともと『みなそこにて』をはじめ、ホラー演出が得意な作家ではあったが、日常空間を緻密に描かずとも最低限のシチュエーションと場で説得力を持たせるテンポや間の置き方が絶妙。
・森長あやみ『こんづくし』1
シチュエーションと会話のズラしの組み合わせだけで終始掴まされてしまう、熟練の業。
・圷見南子『ぷくちょらりファミリア』上・下
ぬい活オムニバス漫画。ライフステージのさまざまな場面でともにいる存在としてのぬいぐるみを描きつつ、BLで活動していた方でもあるので、男性キャラのデザインや愛嬌もグッド。
・猫にゃん『魔法少女イナバ』1
読切版のころから『劇光仮面』フォロワーであること指摘されていたが、実際の連載で出てくる怪人の能力描写の説明などには『アラクニド』といった他の仮面ライダーや怪人バトル漫画の系譜もうかがえ、どこまでやれるんだ……!?とまだ底が見えない怖さがあり、全力で暴れてほしい連載のひとつ。
・遠野人夏『やちるさんはほめるとのびる』1・2
最初はシチュエーション人外ラブコメの亜種かと思ったが2巻から初期『青野くん』がホラー演出によってフィルターをかけていた(性)暴力の話をやり、しかし同時にエロ漫画由来であろうトーンやカケアミを使った演出処理もおこなう表現の綱渡りを見せたうえ、現代ラブコメらしいコミュニケーションの話もやっていて、とにかくサーカスみたいな漫画になっている。すごい。
・田川とまた『CHANGE THE WORLD』1・2・3
高校演劇漫画をやっている先行作品の多くがその団体競技性に着目しているのに対し、こちらはあくまでパーソナルな関係の上に舞台を置いており、キャラクターが増えることもその関係性のノードを増やすことで、だからこそ演目がそれらの関係とガチッとハマる瞬間を周囲に感染させる手続きがべらぼうに上手い。なにより舞台だけでなく、日常パートでの会話が心地よい。実在する作品名ふくめ、表現を主題にする漫画にしてはあまりにも計算されすぎている。ここからまだ面白くできるのかが不安なくらいに面白い。
投擲装置
こうの史代『空色心経』
般若心経の読み方を教えてくれるマンガ。ほんとうによくわかる。わかっていくことがドラマになる。コマの外に経典を書いて、コマ枠内でそれを分かりやすく表現した物語が展開するという、児童向け教育マンガのようなフォーマットを追っていくうちに、作中人物と一緒に、あのむつかしい般若心経を今の私たちが声に出して読む理由ができていく。空と色という抽象概念を「空色」というふうにセットにしてぽーんと投げてくる軽やかさも嬉しい。
Jimmy! the Comic Art of James Swinnerton
1900年代の作品を中心にした、ジミー・スウィナートンの作品集。わざわざアメリカ行って初出見てきた作品なので言いたいことはたくさんあるんだけど、うるさくなるから、42cm×36cmというクソデカいハードカバーの復刻マンガが年一くらいのペースで出版されていることだけ今日は覚えていってください。楽しいでしょう。マッケイの影に隠れているけど、すごい天才だと思う。
千葉ミドリ『緑の予感たち』
面白い! 優勝! 他の人が話してるときに、話してる人と目を合わせてない(読者側を向いている)人の表情がいちいち良い。絶対他の人も挙げまくってるだろうから、何か言おうとすると面映ゆいですね。
MEK.txt "I am here"
it's 4am and I'm wide awake pic.twitter.com/A9i2KVSVJR
— MEK.txt ⌨️ (@michaelmicasso) 2025年6月17日
キリスト教モチーフのデジタルアートをよく上げているMichael Alexander氏のマンガ(?)たしかこれを読むちょっと前にプイ氏の『エロマンガの裏道 vol.3』を読んでいて、その中で画面の中に適切にベタを配置することでリズムを作るみたいな話が印象に残った、はず。リズムや享楽の次元だけ考えると、マンガの画面は白黒二値のドット絵に近づくのだろうか?
黒黒としたドットのシカが、白い空の下で"I am here"と言う。次のコマでは空にツブツブと色が付き、それを輪郭として雲が立ち上がる。代わりに下方はブランクになる。ダブルクォーテーションの有無と文の位置の変化も、相手がいることと相手を意識することの差異がドラマになってて良い。黒/白、いる/いない。感涙。
ナガノ 無題
— ナガノ (@ngntrtr) 2025年5月6日
よくぞこれをマンガにしてくれました。とても嬉しい。自分は「死ぬ死ぬ死ぬーっ!」「あっ!チンポ」など、より「禁忌感」に振らないと対応できない。
模造クリスタル『グラウンド アンダー』
模造クリスタルの新作は読まなければならない。他の商業作品より同人誌(特に『ゲーム部』)っぽい方向に寄せていて嬉しかった。誰も自分のやることの意味は考えていない。意味を考えているらしい人の考えている意味もよく考えたら意味がよくわからない。意味がある感、意味抜き。ただ仕事だけが続く。それを露悪ではなくあっけらかんと描けるのは偉大なことだと思う。
chicobeam "If music be the food of love"
実存乗りまくりエロマンガ。それはなによりも画面の黒さであり、男の体毛としての線の細かさだ。竿役が自分にしか見えなかった。そう、俺たちって自意識過剰なくせに、スネ毛剃らないで半ズボン履くよね。脱毛産業に金払う余裕もないよ。
エロマンガとしてもしっかり使えた。昆虫みたいに突いてきやがる、という台詞の、セックス下手糞な童貞としての説得力と、何らかの意味で女が感じていることの矛盾を解決するレトリック! パートナーの有無と無関係な成熟モデルを、みたいな言説に全振りできれば幸せだけど、なかなかそうもいかんわなぁ。
龍村景一「心中遊泳」
作者本人による解説と一緒に読みたい。マンガと生成AIの関係をめぐってはまことに不毛な物言いばかりが流通している。そのくせ我々は、どうせ皆なし崩し的に生成AIを受け入れていくんだろうなという予感も共有しているに違いない。
そんな状況を切り裂くように、いきなり高レベルでマンガと画像生成の関係性についての問いを物語に落とし込んできた。出力ガチャだけでなく、教える-教えられるという相互フィードバック関係において遊べるような関係性をDiffusionモデルと結んでいかなければならないのだ(Transformerモデルの画像生成ってあるんですか?)。2025年で最も示唆的なマンガ批評だった。
批評家の端くれとしては、完全にしてやられたなとも思った。夏目房之介的描線批評が全く新しいかたちでもう一度立ち上がってきたのかもしれない。
姫川明『KAMUDO 風の神門』
線の迫力!!! 純粋な魔力をボコボコ食らわされる。マジックミサイル。気持ちいい〜〜〜。こういう気持ちよさについてはまだまだ語彙を身につけられていないです。日米同時展開作品としても注目。早く次巻出ろ
ジュンスズキ
2025年に発売された5巻以内の「超面白い大好きな漫画」です。
『百瀬アキラの初恋破綻中。』晴川シンタ
『サンキューピッチ』住吉九
『人間一生図巻』いがらしみきお
『ラブイズオーバーキル』アストラ芦魔
『囚人転生』原作:いとまん、作画:ホリエリュウ
『友達だった人 絹田みや作品集』絹田みや
『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』まるよのかもめ
『んば!』熱焼江うお
『ファタールゲーム』ばったん
この10作品が「超面白い大好き!」という人とは魂が共鳴すると思うので、今度飲みにでも行きましょう。
ねぎしそ
お疲れ様です!ねぎしそです。ベスト漫画10提出させていただきます!
今回も百合で縛っています。よろしくお願いします!
2025百合マンガベスト10
1.さいとう林子『月の光を背に』
人生に対して無気力な女が、創作という光を一身に受ける「光」のような存在の女の子に心を焼かれ続ける描写がとんでもなく素晴らしかった。ここ数ヶ月で10回は読み返している。
2.五十嵐純『拝啓、在りし日に咲く花たちへ』2巻
緻密な筆致とモノローグが印象的で、「エス」の雰囲気を体現するような作風でありながら、現代的な可愛らしさと展開の面白さを取り入れることに成功した稀有な作品。リボンを交換するという倒錯的なスイッチが、さらに作品に奥行きを与えている。
3.林快彦『姉と壁尻と私』
私はハイスピードハイテンション姉妹百合コメディがこの世で一番好きなんですよ。まごうことなき傑作。
4.つるまいかだ『メダリスト』13巻
ライバルとまともに張り合えない自分に絶望し、スケートから離れようと思い詰めるいのりに対して、彼女をスケートリンクに縛りつけるために「最高のスケートをする」と光が誓う流れはスポーツ百合の真骨頂。
5.白梅ナズナ/まきぶろ『悪役令嬢の中の人』6巻
最終巻にして、異世界転生百合の最高峰に到達した作品。読者を気持ち良くさせる「なろう/追放系」のテンプレートを踏襲しつつも、その根底に異世界に転生した女の倫理的な美しさに惚れ込んだ悪役令嬢の感情を据えることで、最初から最後までとてつもない百合の味がする。終わり方も狂気に近しく、それでいて感動的なので本当にすごい。
6. たかみ裕紀/みかみてれん・藍藤唯『Link!Like!ラブライブ!@COMIC』
本作は『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』の外伝的な立ち位置のショートストーリーをコミカライズしたものだが、ラブライブ!というコンテンツのエピソードであること(前提知識を要すること)を差し引いても、卓越した画力により、萌え萌えキャラクターものの百合漫画として成立している。幼なじみ百合、同学年百合を至高とする私に、縦繋がりの百合の良さを知らしめたエピソードの強さも有している。版権の壁を超えて広く読まれるべき傑作。
7.んみ『咲きそめコンプレックス』
ロリコンであることが明言された少女の葛藤を描く作品。これまで数多くのロリコン百合(おねロリ)漫画が描かれてきたが、2025年4月におねロリの看板を背負っていた某漫画が「逃げ」のラストを選んでしまったので、アンドロイドと人間の恋愛観の違いを『ロマンスコード』で見事に描き切ったんみ先生に、おねロリ界の命運を託します。
8.本尾みゆき『だってワタシ、120点だもの。』5巻
成功至上主義の母親のせいで、現在に至るまで何者にもなれずにずっと自分に自信が持てなかった主人公が、かつて見下していたのにSNSで成功し、書籍を出すに至った同級生の女にサイン会に呼ばれたものの、そこから逃げずに自分の気持ちを真正面から伝えるシーンが本当に素晴らしかった。もっとも、そのサイン会をしている女は、ひたすら主人公に執着し、もはや狂人と化しているのですが……。
9.碇理界『ハートに火をつけて』
特定の女から向けられる殺意以外に何も心が動かされない女、という設定が良い。その心のうちはつゆ知らず、その女に執着してしまう女もめちゃくちゃ好み。
10.ヒロユキ『ドリーム⭐ジャンボ⭐ガール』3巻
個人的に絵柄がめちゃ好みだったものの、男×女ギャグ漫画しか描いてこなかったヒロユキ先生が遂に百合に手を出したという記念碑的作品。ギャグ漫画ゆえ感情の重さは表出しにくいいものの、主人公はロリを買ってメイドYouTuberとして金を稼がせ、無職の女のヒモを飼って地下アイドル崩れの女の面倒を見ながらアホな幼なじみの面倒を見るなど、主人公を中心とした女ハーレムが形成されつつある。
梢はすか
さわたしゆん『ReberSible』(COMIC快楽天 2026年2月号)
さわたしゆん先生の作品といえば、ダイアローグとモノローグを細かく行き来する緻密なセリフ設計と、それを強引に押し破るキャラクターの演技。すなわち、いったん積み上げた言葉(理性)が無効化するエロティシズムこそ魅力であり、今年発表の2作『釣った魚の大きさは』、『街で困っている所を助けていただきまして』でも、それが遺憾なく発揮されている。そして最新作『ReberSible』は、さらなる新境地と言える。登場人物たちはいきなり行為の渦中に投げ込まれ、三角関係を巡る言語のドラマと、絡み合う肉体の運動が、同一平面上で進行していく。まるで、しずるのコント「とてつもない情報」のようだ。コントの中で進行するヤクザもののドラマとBGMの『LOVE PHANTOM』がそうであるように、『ReberSible』における言い争いとセックス描写は、互いを制止することができない。言葉が無効化するエロティシズムをより推し進めた、ブレーキ無しの痛快作。
南文夏『スイート・マイ・ワイフ?』(COMIC快楽天 2025年12月号)
今年の「ヒロインが可愛い」大賞。ヒロイン・こよりさんがジト目で包丁構えた立ち姿は額装して飾りたいくらいだし、全てのシーン・全てのコマで「この表情しかない」という正解を叩き出している。また、南文夏先生の近作は、肌や衣服のテクスチャーが楝蛙先生や桃雲先生のようなリアリズム志向に近づいていて、ヒロインが読者側までグッと近づいてくる迫力がある。
へのえの『安心安全に配慮した施工を心がけています』(COMIC ゼロス #128)
一癖あるタイトルのつけ方や、目が大きくデフォルメ性の高いキャラクター、ギャグセンスなどから、良い意味でコミティアスピリットを感じる。あと、へのえの先生の漫画にはよくヒロインがキレて叫ぶ展開があって、そこが好き。
東京編から登場した新ヒロイン・マウント武士が可愛い。読者・作者ともにマウント武士の可愛さを認めている節がある。『アオイホノオ』31巻では、主人公の漫画家・ホノオモユルと、そのアシスタント・マウント武士は、二人で映画を見に行き、ビデオレンタル店のアダルトコーナーを見てはしゃぎ、疑似告白、抱擁、膝枕までしている。……何だこれは? 別ジャンルの漫画に変貌してはいないか? 戸惑いながらも、この変貌に抗いがたい引力を感じている自分がいる。そういう訳で、この並び順の最後に『アオイホノオ』を持ってきた。
八月のペンギン
★謹賀新年 2025年私的マンガベスト10★
①サイトウマド『怪獣を解剖する』
②高妍『隙間』
③原案燃え殻、漫画川勝徳重『漫画 湯布院奇行』
④トキワセイイチ『三角兄弟』
⑤いがらしみきお『人間一生図鑑』
⑥田川とまた『CHANGE THE WORLD』
⑦岩浪れんじ『バルバロ!』
⑧児島青『本なら売るほど』
⑨絹田みや『友達だった人』
⑩岡藤真依『彼女は裸で踊ってる』
本年もよろしくお願いいたします。
乱文失礼します。抜けもあるはずです。ご容赦ください。
例年どおり、昨年中に単行本第1巻ないし最終巻が発刊されたマンガ作品のランキングです。
以下に選評を記します。
①サイトウマド『怪獣を解剖する』
地震被災者に思いを寄せ、気候変動に胸を痛めるとともに、多様性と人間の知的好奇心を称揚するSFマンガ。設定、ストーリー、キャラクター、絵、言葉、全てが魅力に溢れています。なかでも不条理な現実を突きつけられて、なお知的な歩みを止めない主人公の生き様に胸を打たれます。
作者は非常に知的で、力強い言葉の持ち主です。そのぶん絵柄は過不足のない、遡ると高橋留美子あたりに行き着くシンプルなものを採用しています。しかし、よく見ると入り抜きのある伸びやかな線でセンスも抜群。キャラクターを生き生きと描き出しています。『このマンガを読め!』のランキング第1位も納得です。
本作は、ぜひとも『解剖、幽霊、密室』と併読されたし。短篇版「怪獣を解剖する」はもとより、全3話からなる中篇「天井裏に誰かがいる」も必読。異なる世界が不意に重なり合い、住人同士が干渉し合うスリリングな作劇に大興奮必至です。
②高妍『隙間』
祖母の死と叶わぬ恋から逃げるように沖縄へと留学した台北の女子大生・楊洋。彼女は様々な人々と交流し、祖国を思い、沖縄の歴史に触れるなかで自分を取り戻していく。およそ『緑の歌』の作者とは思えぬ誠実な筆致。静かな怒りに満ちています。絵はもとより各巻末のエッセイも非凡。
一人の女子大生の青春の苦悩を通じて、台湾の人々がどのような歴史を持ち、どのようなアイデンティティを抱いているのかを知ることができます。鄭南榕という運動家や、戦前の「蛍の光」の歌詞の変化についても学びを得ることができます。台湾情勢が緊迫するいま、多くの読者に読まれるべきマンガです。
③原案燃え殻、漫画川勝徳重『漫画 湯布院奇行』
古井由吉「杳子」が表現したようなアイデンティティの危機を、つげ義春「ゲンセンカン主人」を踏まえた筋書きと、貸本時代の水木しげるを薬籠中にしたスタイルで描き出した、いま最もエッジの効いたマンガ。鈴木清順の映画のようなドライブ感があります。
友人の作品を毎年のようにランキングに入れることに抵抗がないでもないのです。しかし、やはり問答無用で凄いんですよね。どう考えてもこれ以下の順位にはできません。
④トキワセイイチ『三角兄弟』
かわいい絵柄で地球存亡にかかわるハードSFを描く点は藤子・F・不二雄を、人類と生きる時間の異なる存在をメインに据える点は萩尾望都を継承しています。似たコマを並べて微妙な目線の変化にフォーカスするコマ割りがクール。読後に表紙絵を見つめると切ない!
生きるとは、誰かとともにあることであり、何かを繋いでいくことである、そう強く思わせてくれる、とても優しい作品です。
⑤いがらしみきお『人間一生図巻』
生きた時代も場所も異なる20人の架空の人物の一風変わった一生を、それぞれわずか8頁で描く短篇集。身体の奥にある芯が、しんと冷える読み味。マンガという表現形式の強みを最大限に生かした世界水準の文学性に圧倒されます。天才マンガ家の70歳の記念碑的傑作。
ここで生々しい本音を吐露します。かなり読み手を選ぶ作品です。本作を面白いと思える人間で良かったです。自分を誇りに思います。
⑥田川とまた『CHANGE THE WORLD』
亡くなった女優の舞台に感動して劇作家を志した浜野陽太と、その女優の娘・村岡茉莉とが高校で運命の出会いを果たす。『ひとりぼっちで恋をしてみた』の作者が飛躍的に成長。大胆なコマ割りとキレキレの台詞で読者の魂を揺さぶる高校演劇マンガの傑作が誕生。
「どんな人を殺したいと思うのか、どんな人に欲情するのか、どんな革命を起こしたいのか、誰にも話せないような無垢な言葉以外いらない。(略)浜野くんのすべてをさらしてよ。でなきゃ私の身体は使わせない」という第1巻のヒロインの言葉の自己言及性に震えました。この作者は、作者のすべてをさらしています。
⑦岩浪れんじ『バルバロ!』
大阪のファッションヘルスで働くまゆみ、チナツ、シヲの人生を描く。『コーポ・ア・コーポ』の作者による人間讃歌。客、黒服、嬢の夫など全人物への眼差しがフラットでニュートラル。皆の生き様をひとしなみに肯定しています。馴染みのない世界を覗き見るのも一興。
あけすけで、からりとしていて、自分に正直に生きる人がたくさん出てくる、読むと元気になれる作品です。太めで陽キャのまゆみ、元ヤンでM男転がしのチナツ、薄幸そうな美人のシヲ、それぞれのキャラクターを生き生きと活写。そこらの文学より全然「文学」しています。ちなみに私は断然シヲ推しです。
三者三様のメイクを仔細に解説するオマケページも興味深い。こうした女性の生態への解像度の高さは、間違いなく本作の魅力の核心にあると感じます。
⑧児島青『本なら売るほど』
古書店・十月堂の店主を中心に、人々とそれぞれの本との関わりを描くオムニバス。冨樫義博を端正にしたような絵柄と大友克洋のような緩急自在のコマ割りで、本好きには堪らない人情噺を高水準で展開。ケチのつけようがありません。電子で読むのは無粋な作品です。
作者は以前SNSで話題になった『幽☆遊☆白書』の二次創作「バーバー田宮」の人。デビューしたてなのに、マンガがすでに名人の域です。
⑨絹田みや『友達だった人』
多分に作者の「私」性が投影されているであろう、女性が主人公の短篇4本を収録。収録作に共通するのは「自分の感情に正直に生きるべきだ」というシンプルで力強いメッセージです。秀作揃いですが、とくに表題作の開放コマには読み手の魂を揺さぶる凄みがあります。
作者はきっぱりとした線を引く人。画力も相当。何より絵に思い切りの良さがあります。コマ割りも大胆不適。作者はあとがきに、表題作は「コマ割りを考えるのが面倒で全部横で割った」と記していますが、じつは視線誘導が完璧。あるいは、ウェブトゥーン(スマホで読む縦スクロールマンガ)を意識しているのかもしれません。
⑩岡藤真依『彼女は裸で踊ってる』
絵が好きでデビュー以来ずっと追いかけてきました。本作で、作者は完全に一皮剥けました。全身全霊で描いているのがビシビシ伝わってきます。女性としての、人としての尊厳を賭けて戦う登場人物たちの姿に励まされ、賦活され、目頭を熱くさせられます。知らず、高畑勲監督『かぐや姫の物語』の疾走が脳裡に蘇りました。
女性が自身の性的な身体を、誰のためでもなく、ほかならぬ自分自身のために肯定する物語は、少女マンガ史を振り返っても意義深いものに思われます。山岸凉子、吉田秋生、岩館真理子といった先達たちから託された課題に、作者なりの真摯な答えを出した作品のように感じられて、その意味でも胸アツです。
以下も面白く読みました(順不同です)。
□かわじろう『あたらしいともだち』
世界にとっては取るに足りない、しかし個人にとっては劇的な「変わること」と「変えること」をめぐる短篇10本を収録。シンプルで伸びやかな線と大胆なトーンワークと墨ベタで描かれる作品世界は、少し不思議で少し悲しく、けれどもその余白は光に溢れています。
先日、つきあいの長い文学研究者との酒席で、最近のマンガについて訊かれました。毎年毎年マンガを愛する新しい描き手たちがシーンに登場して、読者に見たこともない作品を見せてくれるので、マンガ業界を愛しています、と答えました。本心からそう思います。
□ニコ・ニコルソン『呪文よ世界を覆せ』
お笑い芸人が難病を患った女性と短歌に出会う話。短歌監修は穂村弘。要所要所で紹介される短歌は状況に合っていてキャッチーなものばかり。たいへん勉強になります。
最終巻は滂沱必至。ジャンルとしては難病ものに違いないけれど、単なるお涙頂戴ではありません。世界の美しさを言祝ぎ、その世界すべてに匹敵するほどに愛しい運命の人に捧げるための三十一文字、すなわち短歌という営為の尊さを、全4巻というコンパクトな長さで表現しきった傑作です。
□おかくーこ『父を怒らせたい』
怒ってばかりいた父との間に蟠りを抱えた24歳フリーターの次女が、死期の迫った父をいま一度怒らせようと奮闘するなかで少しずつ父の人間性を理解していく。シンプルで思い切りのよい人物の造形も背景の描き込みも、からりとした線で湿っぽくないのが持ち味。
親子の和解というありふれたテーマではありますが、徐々に父親の苦しみが浮かび上がっていく構成で、主人公の成長譚でもあり、しかも意外と先の展開が読めず、読み応えがあります。母親、長女、伯父、元カレ、友人等々、人間味のあるキャラクターたちを、生き生きとチャーミングに描けてもいます。
□イシコ『邪神の弁当屋さん』
戦争を起こした罪で謹慎中の神が人として弁当屋を営む話。岩本ナオフォロワーらしく、見た目は親しみやすく物語は骨太なファンタジー。シンプルな独特な絵柄で、一見分かりにくいのですが、すべての線が迷いなく引かれていて実は画力も高い。面白いマンガ家です。
□千葉ミドリ『緑の予感たち』
短篇4本、掌篇2本からなる作品集。黒田硫黄を思わせる自在な画風で極めて独創的なイメージを次から次へと見せてくれる令和の鬼才。展開が村上春樹の奇譚小説のような「カッパの理髪店」の、部屋の床、壁、天井に髭が生えているコマには、息を呑まずにはいられません。
□小川しらす『あみかはポテトになりたかった』
家庭環境や才能に恵まれず、ときに自暴自棄になってしまう孤独な思春期の少年少女に、そっと寄り添ってくれる存在がいる希望を、荒削りなマンガで表現した短篇4本を収録。いい意味で話が変です。非常に独創的。阿部洋一の影響がありそうな絵もいい。
作者は山本美希門下生でしょうか? 大白小蟹といい、この作者といい、唯一無二の個性を輩出していて要注目です。
□光用千春『次の整理』
小説家を夢見る清掃員・黒川は、高3のとき隣席でイジメられていた天野と10年ぶりに再会する。売れっ子小説家になった天野は、黒川を元級友と気づかず、ある依頼をする。歯切れよいラップのリリックのような強い台詞が、計算された視線誘導によりリズムよく入ってきます。
□鳥トマト『東京最低最悪最高!』
とにかく第1巻が素晴らしい。年齢も性別も職種も異なる各話の主人公の苦悩を高解像度で描き出す、絲山秋子並のイタコ芸。SNSでバズった第1話はもとより、『なんとなく、クリスタル』を想起させる第2話、「アッコちゃんは世界一」を変奏した第3話、入社から30年を凝縮した第4話、みな珠玉。
□えれまどか『えびすこ!』
入門一年で幕内上位となった同姓同名関取と間違えられて角界入りした勇雀(田村勇一)や周囲の力士たちの奮闘を描く大相撲マンガ。激アツです。三宅乱丈や安彦良和のような卓越した画力と、羽海野チカのような鋭利な切れ味のネームを、二つながら備えた有望株。
残念ながら、第2巻で完結。軟着陸の打ち切りエンド(おそらく)が惜しまれます。この巻では幾分肩の力が抜けたためか、絵柄も線の質もユーモアも高野文子フォロワーの本性が露わに。1巻と比べて迫力こそ見劣りしますが、非常に眼福です。
□あむ『澱の中』
男性ばかりの職場に26歳黒髪眼鏡巨乳ドジっ娘の夢園さんが入社してきたことで、29歳素人童貞弱者男性・五味次郎は自らの欲望を直視させられる。
2巻である事実が明かされ、なるほどそうきたか、と。ヒロインの「26歳」という年齢が絶妙です。
心象表現が非常に達者。横槍メンゴフォロワーの作風ですが、描きたいものが明確。この作者は欲望に抗えずに人生を破綻させてしまう人間の愚かさが愛しくて仕方がないようです。
□天野茶玖『サボタージュ・サマー』
勤務先の倒産で暇になったミナトは、長期間家族が留守になる親戚の小学生ランの面倒を見に岡山へ。お調子者のミナトとしっかり者のラン、ふたりの過ごす夏休みを描く日常系マンガ。高い画力で作者の故郷がモデルの町が再現されていて題材を支えています。
盛夏の8月に全3巻で完結。読み進めるごとに、二人で暮らす特別な夏休みが終わってしまう気配が濃くなり、読んでいて段々と鼻の奥がツンとしてきて、駅ホームでのお別れの場面で涙腺が決壊してしまいました。めちゃくちゃエモいです。
実録エッセイマンガのはずなのに、なぜか極上のホラーコメディになっています。出会ったその日にプロポーズしてくる壇蜜の存在は「あやかし」そのもの。磁場を狂わせ怪奇現象を呼び寄せる美貌の奇人・壇蜜、恐るべし。作者の伯父・清野登美夫氏も非常に興味深い人物です。
□冬虫カイコ『土曜日の三重奏』
医師の父、専業主婦の母と職員用住宅に暮らす小6の息子・真琴が、同じ集合住宅で一人暮らしをする研修医・弦木と出会う。ピアノを通じて結ばれる縁により、真琴、母親、弦木が自らを縛る呪いを解いていく上質な短篇連作。幸福なその後を予感させるタイトルも秀逸。
□藤見よいこ『半分姉弟』
日本社会で暮らす「ハーフ」と呼ばれる人々や、その周囲の人々の日々の葛藤を描く短篇オムニバス。複数レイヤーで異なる感情を並置させられる少女マンガスタイルの強みを生かし、怒り、悲しみ、孤独、苛立ち、後悔など、ネガティヴな感情もエンタメとして読ませます。
□ぐみさわ『ぷらぷらチッケッタ』
女性三人が公園の遊具で遊んだり海沿いの展望塔に登ったりローカル駅で隧道を散策したりする作品。遊ぶ場所の選択がいいし、なにより絵が恐ろしく達者。しかも丁寧で几帳面。身体には肉感があり、背景は谷口ジローのよう。時間をかけて堪能すべきマンガです。
□志波由紀『人魚のムニエル』
『悪魔二世』の作者の初短篇集。初期作品8本を収録。いろんなマンガを読んできた人のマンガ。人は案外自分のことが分からないし、悩みを自覚してもなかなか他人にうちあけられず藻掻いてしまうもので、傍目から見るとそれが滑稽に見える、という冷めた視線が持ち味。
□るぅ1mm『ベラドンナの恋人』
触れたものの命を奪う毒の呪いをかけられたベラ。森で独居する彼女は、ある日売れない絵描きのアンナと出会う。体重の乗った百合。御伽噺に終わっていません。終盤アンナのもとに画面奥からベラが駆けてくるシークエンスが素晴らしい。表題作のほか短篇2本を収録。
□いましろたかし『つりまん』
二人組の中年男性が渓流釣りに出かけては、言葉を話すクマに脅されたり、サルに荷物を奪われたりする変なマンガ。脱力していて突拍子もないテイストが癖になります。本作は、明らかにオマージュしている風景の大ゴマもあるとおり、思いっきり「つげ義春」しています。
服飾の勉強のため高校卒業時に複雑な家を出て、今はアイドルの衣装を製作する32歳の新田明良が、貧窮して14年ぶりに帰った実家には、成長した弟と妹のほかに意外な人物が暮らしていた。岡田の込み入った話をオジロがものの見事にマンガ化!
主人公の実家があるのは神奈川県真鶴町。階段が多くてフォトジェニックなのに、観光地化されていない静かな港町です。これは完全に余談ですが、川上弘美の『真鶴』を読み、以前ふらりと訪れたときに撮った写真が、偶然にも表紙の背景と同じ場所でびっくりしました。私、結構センスがあるみたいです。
□稲井カオル『宇宙不動産ほしの』
24世紀の太陽系で住まい探しをサポートする不動産屋が主人公。緻密なSF設定の作品世界で漫才のような対話劇を展開。稲井節は健在です。各エピソードに短篇的な切れ味と人情味がありますし、主人公のシリアスな過去が本筋をどう構成するか、今後が楽しみです。
□うぐいす祥子『怪怪ギギギギギ』
80年前の謎の「爆発事故」で呪われた街を舞台に、憑かれやすい主人公と父を探すオカルト趣味の少女らが怪奇現象に翻弄される、単話完結のホラーコメディー。安定の面白さ(100%の褒め言葉です)。本作のヒロインは黒髪ショートボブの美少女。いや、眼福眼福。
□押見修造『罪悪』
意外にも作者初の短篇集だそう。作者はマンガの領域で勝負していません。完全に純文学。喩えるなら、40代まで生き延びた太宰治が書いたかもしれない、枯れた味わいの私小説。そういったものを私マンガとして世に問う、押見にしかできない仕事です。読むと胸がしんと静まります。
□渡部大羊『おかえり水平線』
高校生になって初めて存在を知り、一緒に暮らすようになる異母兄弟と、その級友たちの日々を描く。家庭環境が複雑な少年少女たちが各々の居場所を求める物語の中心に、主人公たちが営む、銭湯という地域住民の憩いの場を選んだ点が慧眼。令和らしい人情話です。
□藤原ゆん『そんな、14歳。』
キャッチコピーは「まだ知らない恋のはじまり」。口数が少ない高橋さんと思ったことを口に出す塩屋くん、ピュアすぎる二人にキュン死にします。とにかく絵が可愛らしく、とくに色素が薄そうな高橋さんの瞳と睫毛が可憐。集英社の作家らしく視線誘導も巧妙です。
□吉田日果『鎌倉市腰越ふたりぐらし』
同じホストに袖にされた女性ふたりが腰越の古い家で共同生活を始める。温度や湿度が伝わる柔らかな筆致と確かな画力が持ち味。第2話の雨ふりの描写はとくに見事。食べ物も実に美味しそう。少しずつ暮らしが整えられていく過程は読んでいてわくわくします。
□林シホ『9回裏の恋』
4つの短篇は、どれも若い男女(うち3つは高校生)が恋人同士になるだけの話。なのに、見せ方ひとつで強く読者の胸を打つ。対話中、不意に訪れる劇的な瞬間を、コマとコマとの落差(圧縮と開放)で巧みに演出。アップとロングのメリハリや、ニューウェーブっぽい絵柄も良い。
□龍村景一『ツッパリ探偵怪人メルヘン心中』
作者のデビュー短篇集。近松門左衛門が生きていたら激賞したに違いありません。虚実の皮膜に遊び、物語を紡ぎ出す、新しい才能に驚嘆。内容を模倣するかのようなマンガ表現も興味深い。作者のマンガの臨界を見極めようとする姿勢は、じつに「ポスト藤本タツキ」的です。
□増村十七『全員記憶喪失オフィス』
やはりマンガは「キャラ」ですね。本部長子をはじめとした一癖あるキャラたちが繰り広げる即興コント。伏線も綺麗に回収されますが、恐らく偶然ではないかと。バカリズムや東京03の笑いのノリが好きな人は絶対好きだと思います。フルカラー作品でBDのような中間色が魅力。
□越谷美咲『香港ネクロポリス』
1997年、香港。彊屍を追う道士と彊屍となった新米女性刑事のバディが、黒社会の権力闘争の渦中に飛び込んでいく。『ハルタ』期待の新人のようですが、男女のバディものだけあり、作風は完全に『少年サンデー』。艶のある墨ベタが魅力。2025年は『トワイライト・ウォリアーズ』の年でした。香港映画ファンに強くオススメしたい作品です。
□阿賀沢紅茶『氷の城壁』
LINEマンガを読む習慣がないため、書籍化されて初めて手に取りましたが、掛け値なしの傑作。大袈裟でなく「令和のカレカノ」です。心の機微を言語化する能力の高さに感服。主人公の小雪(こゆんちゃん)は、その卓越した言語化能力で、鬼殺隊に入ったら柱になれそうです。氷柱・氷川小雪! わけてもライバル女子に向かって放った「桃香ちゃんそのものが嫌いなわけじゃない」「桃香ちゃんの『行動』に肯定できない部分があるだけだよ」という台詞には痺れました。
『正反対の君と僕』とともにアニメ化決定も嬉しい限り。さらに多くの悩める思春期の若者たちに届くよう祈っております。
□福田晋一『その着せ替え人形は恋をする』
13巻で確変し(読んでいて総毛立つような感覚をおぼえたことを昨日のことのように記憶しています)、14巻で山場を越え、迎えた最終巻は最高にハッピー。王子・海夢ちゃんの夢と希望と優しさに満ちたプロポーズは胸が震えること必至です。作者が描きたいものを描ききった印象。ファンとしても大満足。7年間ありがとうございました。
以上、おつきあいいただき、ありがとうございました。
marity
①シルバーマウンテン/藤田和日郎
おもろすぎ!藤田和日郎流の異世界転生モノ。ファンタジーであれ拳で解決!因縁の2人の掛け合いに蚊帳の外のヒロイン。強くなりたい腰痛龍が最高に癒しᯓ★(՞ ᴗ ᴗ՞)
②ぽんドロイド! はまさん/はれやまはれぞう
こういう合法?エロロリギャグマンガしか読めなくなってきたかも。
戦闘用メカなので時たまアクションが挟み込まれるが、そのくせ涙目がデフォ仕様なのもグッとくる。
③彼は友達/浦野月鼓
もはや劇画並みの極太線でストレートな少女漫画をやっている。ギャグもギリ寒くないし普通に先が気になる。周りやクラスメイトが嫌なやつそうで全然嫌じゃないのはやっぱスキロー以降を感じる。
④魔女とくゅらす/柴田康平
めちゃくちゃ可愛い!癖(へき)!ストーリーとかどうでもいいけどただただ絵だけでガンガン読み進められる。
⑤父を怒らせたい/おかくーこ
昨今特にモロ露悪的な作品が増えてきた中で、毒親テーマながら爽やかさと誠実さを感じる。ドンチャン騒ぎな結末も泣き笑いしたくなる良作だった!もっと読みたかった!
⑥半分姉弟/藤見よいこ
下手なこと何も言えないけど、100%わからなくても少しでもわかりたいという気持ちがある。
⑦ミハルの戦場/濱田轟天・藤本ケンシ
とにかく漫画が上手い。「このマンガがすごい!2026」では7位だが7位どころじゃないだろ!
美醜のコンプレックス&ブラック労働の掛け合わせなんていくらでももっと性格悪く、ギクシャクできそうなのにそうはしないのが令和なんだなぁ 3巻以降からが命運分けそう。
⑨そういう家の子の話/志村貴子
同時連載&「淡島百景」もアニメ化されるし志村せんせーめちゃくちゃ忙しいと思うけど志村せんせーの群像劇大好きだから今回も気長に続きを待ちたい。
⑩アルケミックガール×バーサーカーボーイ/松賀諒真
薩摩の武将・島津義弘を主人公にした戦国漫画。少年期のかわいらしい快活さとは裏腹に戦国ものらしく死ぬ時は容赦なし。
無邪気さとバーサーカーっぷりを同時に叩きつけてくる構成でテンポよく、逆に青年期以降どう描くんだろうと思っていたらまさかのあっさり打ち切り完結。惜しい。
ふぢのやまい
上野くんは開発済み 中浦トモキ
テニス編に至るまでの脅威の面白さ。読切の時点で妙なペーソスがあったけれど、直近の展開がずっとすごい。とにかく登場人物の表情が愛おしくてたまらない。勢いに溢れているけれど、丁寧で慎ましい。本当に好きなマンガだ。もっともっと大人気になってもいいのでは。
写らナイんです コノシマルカ
ネームがうますぎて、変な声を出しながら読んでしまう。細い細い針の穴のような、胃が痛くなるような作者の思考回路の痕跡を辿り直す作業が、読書という行為にはあるような気がして、特に本作のような作品を読んでいると、ひたすらに驚嘆し続けさせられるから、こちら側の身が持たずややしんどいとすら思ってしまう。
岳本路朗『ある日熊と出会う』 (『恋愛狂人ラブ事典』収録)
【『恋愛狂人ラブ事典』中身紹介③】 岳本路朗『ある日熊と出会う』(冒頭三ページ) pic.twitter.com/RNDeYDAqUb
— 肥溜め (@k_o_e_d_a_m) 2025年10月21日
肥溜めさん編集長による同人誌、『恋愛狂人ラブ事典』がとにかく素晴らしかった。伊藤九先生に添田おうげん先生、そこに肥溜めさんの作品、さらに極めつけに執筆者による恋バナ対談!
人の作った同人誌に対して、こんなに自分が作りたかった!と思うことも今後の人生でないと思う。肥溜めさん自身によるデザインセンスも素晴らしい。添田おうげん先生のこの絵にこのロゴデザイン。
その中でも特に岳本路朗さんの短編が素晴らしかった。沙村広明の『おひっこし』のような芸大恋愛模様と吹き抜けるような爽快感のラスト。
澱の中 あむ
え、終わるの?!という衝撃があったものの、あむ先生の作品はいろんな作品の固有名を想起させつつも唯一無二だ。すげー場所にすげー吹き出しが置いてあるのが嬉しすぎるというか。
限界OL霧切ギリ子 ミートスパ土本
あと何回人生を繰り返したらこんなマンガが描けるのだろうと果てしない気持ちになる。絶対アニメ化とかして、はちゃめちゃな感じになってほしい。
うちがキングダム 森巡る , 砂糖野しおん
千と千尋のような冒頭から、まさかのホームドラマへ。ジャンルとしてはホームドラマなのだろうが、読み応えとしては良質な青春ヤングアダルト・児童文学を読んでいるような呼吸がある。どのように人に薦めたらいいのかわからないけれど、とにかく紙で持ちたくなるような漫画だ。大友克洋的なコマというか。とにかくキャラクターが静止しないんすよ。マンガの「演技」とは、かくあるべしというような気迫すら感じる。
新潟~北海道旅行レポ漫画 中野でいち
自分でこのようなマンガベストを人様に聞いてまわっていながら、とてもとても近くの知り合いの方の漫画を褒めることは変な緊張感が走りそうだし、恐れ多くも遠慮させてしまいそうで避けたいのだけれど、とにかくこれは素晴らしくよかった。船旅特有の、身も心も洗われるような澄んだ空気がそのままパッケージングされているというか。静寂に包まれた船の夜。不思議としんと静まり返った感じ。朝のご飯のあたたかさ。たくさんの、いろんな人の、こういう漫画をたくさんたくさん、商業でじっくりと読みたいのですが。
はなまる・エントロピー みぞグミ絵璃
以前、みぞグミ絵璃先生のエッセイを読んではいたが、独自の読み味で記憶に残っていたのだけれど、本作は結構ビックリした。あまり情報を入れずに皆さん読んでほしい。タイトルも素晴らしい。そして単行本帯の「別れの前夜の恋人たちへ」というフレーズがとにかくカッコいい。2025ベスト帯。
船頭安五郎 黒田硫黄
未だ単行本化されていないものの、すでに素晴らしいぶち抜きを静かに連発し続けている黒田硫黄の最新作を。題材が題材だけに萎縮してしまう方も多いのかもしれないが友人が、本作に関連した高瀬舟のプチ解説noteを書いていてそちらが大変によかった。
一緒にごはんをたべるだけ
すごいマンガにはすごいと言いたい。
meganedesk
織田信長、千利休、豊臣秀吉の影響を受けた武将であり茶人の古田織部の生涯を描いた茶の湯エンタメギャグ歴史SF漫画。武人としてのスジを通すのか、数奇者としての果てない欲の道に己を捧げるかという対立軸に笑わせたら勝ちのルールを持ち込んで、数々の有名な歴史小話を再解釈した和製クルエラ。果てない自己実現欲求と現実社会の課題との折り合いの付け方に現在進行形で悩んでカチコチになっている自分にとっては「その時その時で己の都合のいい方につけばいい」という古田織部のスタンスが一つの光明のように感じられました。
各武将の死に様を通じて、全身全霊を注ぎ魂を込めた人の業(わざ)は、たとえその人が道半ばで挫折したり時代の波に翻弄され頓挫したとしても、必ずその意味と真価を解する者が現れ、思想を繋ぎ、後世に残っていくものなのだ、という目利き同士の信頼に基づいた世界観を構成しているんですけど、唐突で露骨なパロディや超解釈由来譚の乱れ打ちもその視座を補強する細部だってこと、俺にはマジで全部”伝わってる”ぜ、山田芳裕…。
②お母さんとイタリア(けらえいこ)
あたしンちの作者けらえいこが母に親孝行でイタリア旅行に連れて行くエッセイ(未完)。
あたしンちには時々妙な湿っぽさがフィーチャーされる回があり(例えば父と母が上京して子育てし始めた頃を回想する話とか)、その源泉が、田舎育ちで粗野で不器用だけど子供想いの実母を、本当は大切にしたいのに自分の中のキラキラした理想の母親像や世間の普通の母親と比べてしまってついつい怒ってしまう娘という親子力動にあることがこのエッセイで明らかになる。苦労ばかりだった母親にいい思い出を作ってあげたい気持ちから始まった海外旅行がアクシデントの連続でどんどん空回りしていく。ある種独りよがりな娘のお節介で、思い描いた幸せの型に母を当てはめていこうとするものの、マイペースな母はことごとく逸脱し、その振る舞いに一喜一憂するけら先生の内省の描写に胸がきゅっとなる。
ちなみにあたしンちは夫の上田信治さんとの共作で、コマ割りやセリフのブラッシュアップは夫が意識的にやっていたそう(あたしンち公式ファンブック電子版より)。現在けら先生がnoteに連載している月イチあたしンちは喫茶店でおばさんが雑談してるのを盗み聞きしてるみたいな暑苦しい読み味になっていて、読売新聞連載時にはあったテンポの心地よさや家族同士の普遍的な情緒、デジャブめいた日常生活の質感が薄く、編集の概念の重要性を改めて感じさせられます。
③コピ本(ゥ) (生ハムお嬢様)
https://freshhamafuro.booth.pm/
ジャカジャカした線で描かれた細い四肢にデカ目の女の子がチョ〜可愛いです
けら先生いわく、切実の極限にある人を見ると感動するか笑ってしまう、そういった切実さの持つリアリティがあたしンちのテーマなのだそうで、へうげものにおいて古田織部が目指した究極の必死さが産む笑いの力にも通じてそう。2025年はそういう年でした。
2025マンガベスト10 その3(一ノへ 葉や川いおり 今井新 水田マル 背川昇 シャルトリューズ山田 中野でいち 関野葵 匿名潟嬢姫 人間が大好き竹田純 yaca)
そのほかのページはこちらから
一ノへ
かっこいいシーンが多すぎる
「こういう気持ちになりたいから
短編読んでるのかも」って気持ちになりました
よふかしのうた-楽園編-:コトヤマ
「主人公がはたから見たらメチャクチャ強い」って展開が
大好きです。
サボタージュ・サマー:天野茶玖
こういう漫画を定期的に見てるから
俺は社会というものを嫌いにならずに
生きている気がします
男子校の画豪とミューズ:フセキ
話しもめちゃくちゃおもしろいんですけど
扉絵の演出が本当にかっこいいです
黒根さんはニャーと鳴かない:乙川灯
キャラの表情、背景とキャラのバランス、トーンにいたるまで
とにかく画作りがうまい!!!
いろんなページに学びがあって大変素晴らしかったです
きみのためなら:ほしつ
おもしろすぎる
死ぬ間際とかに読みたいです
こころの一番暗い部屋:雨夜幽歩
コンセプトと仕掛けが面白くて怪談もしっかり怖くてじめっと暗い
最近の展開とキャラのこころの動きがかなり好きです
ヨメトメ☆にっき ~専業主婦歴30年の姑との日々~
:桃聖純矢
この題材でメイン二人どちらもいい人で片方を上げるためにもう一方を下げてないの素晴らしいなと思います
ナヴィガトリア:押石和佳
最終話に向けてのアクセルのかけ方がかなり好きです。
キャラが全員まっすぐ曲がってるのも読んでて楽しかったです
ブルーアーカイブ ゲーム開発部だいぼうけん!:水あさと
スピンオフってこんな好き勝手したうえで面白くできるんだ、って
毎話驚かせられます
葉や川いおり
蛍と嚥下 ぼくくぼ
野球・文明・エイリアン へじていと/山岸菜
かわいい同盟 南文夏
電ファミニコゲームの漫画 秋おこ
やる気なんかありません 奥野とみー
鶴の折り返し 加速
ウリッコ 殺野高菜/大森かなた
今井新
2025年はいろんなことがありましたし、実はなんか面白い漫画いっぱい出た年なんじゃ無いかと思っています。
パットおじさんのいた夏
神。リンクから全部読めるからすぐに読め。
「正反対な君と僕」 阿賀沢紅茶
2025年ついに単行本完結してしまった訳ですが、いや名作やろ!アニメもやるし!やっぱ高校の頃を思い出すんですよ。学校に行けなくて横浜ビブレの裏の室外機が並んでるところでボンヤリ座ってた時、こういう高校生活を夢見て妄想してたんですよ!この作品を楽しむことで、あの頃の俺が報われるってもんですよ。
「岩毱山大観光ホテル」ツムラネオ
夢から醒めても夢を見に行く物語だと読みました。漫画は夢見せてくれてナンボですよ。「ページめくらせるためのワクワク」を作者の欲求だけで駆動させていく、ハードコアな漫画でシビれました。また、はじめてツムラネオの漫画で「不安」を覚えた作品でもありました。まだたくさん俺にツムラしか知らない世界を見せてくれ。
「アンダー3」榎本俊二
俺はずっと待ってましたよ。紙で読める日を。この漫画がなければザ・キンクスはあり得ないわけで、しかもまだ続いている訳です。ナンセンスギャグが避けて通れない道「下ネタ」を、カリスマがどう向き合っているのか、俺たちは1秒も瞬きせず刮目するしか無いと思っています。
「ツッパリ探偵怪人メルヘン心中」龍村景一
2025年1月、妻が買ってきたスライサーで大根をスライスしていたら、親指をスライスしてしまい、ありえんほど出血して、妻に破片を拾ってもらいました。ちょうど同時刻、偶然にも大根をスライスしていた龍村くんが親指をスライスし「今井さんもですか!?っていうかお久しぶりです!」と声をかけてくれました。龍村君は芸大メディア映像の後輩で、彼の修了制作が「芸大ではじめて買取作品とないう名誉を得た漫画の修了制作」であり、そこから派生した短編集がこの「ツッパリ探偵怪人メルヘン心中」です。龍村君は一貫して「表現媒体やジャンルが織りなす特性」を行ったり来たりして表現を模索していて、それが本作収録の『心中遊泳』にて一つブレイクスルーを起こしたのですが、とにかくこの短編集を読んで、新時代の漫画表現を見つめてください。
「焚き火」夕暮宇宙船
2025.10 モーニング46号掲載読み切り
「utopia」でジャンプラ読み切りランキング1位を獲得した夕暮宇宙船先生ですが、俺はこの読み切りの「焚き火」が大好きです。コミティアで配布していたフリーペーパーでもそうだったのですが、夕暮宇宙船は「こういう話題や単語は下品かな?」と思ってしまうようなことを、すごい軽やかに表現してしまうんですよ。自分の中でちょっと口をつぐんだり遠慮してしまうようなことを、簡単に表現に入れ込める、繊細で美しい作風が好きです。
「何もしないをしに行く日」まんきつ
このスピード感です。この人に怖いものはない。いや本人は何かにビビっているのかもしれないが、こんなにも僕の知らない世界を華麗に見せてくれた上でクソしょうもない内容に落とし込める、テンションの乱高下を示してくれる漫画は他にないのでは無いでしょうか。
「バルバロ!」岩浪れんじ
これ去年メール送信した次の瞬間「載せ忘れた!」って気づいたんですよ。最悪です。軽く自分を責めたものの、自分を責めるような「呪い」に打ち勝つための物語がこの「バルバロ!」です。くしくも榎本俊二「ザ・キンクス」第1話「うれいらずたのぼー」とも関連するテーマというか、皆呪いに勝つためにやるべきことをやっている、人間讃歌です。
「力石持つ」大山海
今、打ってて気づいたのですが、山に海の名のつく人が石の漫画描いているんですね。だからなんだ?って話ですが実は俺これかなり重要な気がしていて、一つ大きな力を持つものが偉いというシンプルすぎるお話を、山と海の名を冠する者が描くこのリアリティですよ。ド根性が切れたら人はおしまいなのも頷ける。
「毎日、病んでます」桜壱バーゲン
桜壱バーゲンの漫画は、そりゃ昔から露悪的だと言われる作風だったのかもしれないけれど、一貫して嘘をつかない漫画だったとも思うんですよ。ただ懸命に何かに向き合う漫画を描いていて、どんな内容だろうがなぜか勇気がわいてくるんですよね。偉そうにすみません。ずっと衝撃的な漫画を描かれていてこっちだって困っているんです。この作品は懸命に生きる命そのものと言いますか、生きるパワー、愛そのものですよこんなものは。なんなんだふざけんな。なんなんだ。何最後に笑ってんだお前コラ。ふざんけんな。
「ああ資本主義の悪の華はいつまで咲き誇るのか。」今井新
俺が載せないで誰がこの漫画載せるねん!ということで、載せさせていただきます。2025年1月に年賀状でトーチ編集部より「打ち合わせしましょう、飲みましょう」と描かれた年賀状が届きまして、榎本俊二賞取った時もめちゃくちゃ飲ませてくれたのに、また飲ませてくれるのか!と、ノコノコ編集部へ出向きました。そこで、なんとかまとめたコンセプトシート(怪文書)をおそるおそる提出し、編集のエ☆ミリー吉元は絶句。やっぱ商業って難しいよな〜と途方にくれる隙もなく中川編集長が「これは本当に面白いので今すぐ漫画にしましょう」とおっしゃってくれました。その後、漫画とは関係ないところで自分の人生が大変なことになりながら、4月にはプロットがまとまってネームを描き始め、話のストックがたまって今に至ります。1話より2話が、2話より3話が、どんどん面白くなる予定ですので、今後もお楽しみに。
水田マル
ウリッコ
社会の闇の部分のおいしいとこだけ抽出して綺麗ごとにして消費する感じが無く、すごく誠実で好き 感銘を受けて自分自身、漫画の作り方について考えた
メガロザリア
主人公のロザリアが本当に愚かで愛しい 人殺しの主人公をこんなに好感度高く描けるの凄すぎる
サンキューピッチ
ふざけかたが好き
ガールクラッシュ
躍動感がすごい スポーツ系少年漫画の熱さと少女漫画の華やかさのいいとこどり
これ描いて死ね
コマ割の工夫に妥協が毎回一切なくてすごい
るすばん猫きなこ
ずっと胸が締め付けられる
悪虐魔獣ゴンギュラス
コミティア152宣伝
— 西水隆弘コミティアえ28b (@ww8820) 2025年5月31日
新刊『悪虐魔獣ゴンギュラス バージョン2』
試し読み(1/3)
前回出したものに5ページ足したやつです
スペース R18a
サークル コミック西水
価格 200円
よろしくお願いします pic.twitter.com/MVAEFAg8pE
最新作をまだかまだかと待っている
絵が下手になったと思ったら脳梗塞でした
【漫画】絵が下手になったと思ったら脳梗塞でした 第1話 pic.twitter.com/jJaqCHLyNu
— 岡部閏 (@okb0803) 2025年10月1日
読んでて心臓がバクバクした
滅亡天使ほろぶちゃん
やっぱ自分の漫画が一番おもしろいと思って作ってる
背川昇
佐橋くんのあやかし日和 三卜二三
ふつうの軽音部(3) クワハリ/出内テツオ
やさしくない奴全員殺す ペル
よくばれ!人間さん 大石日々
変声 はやしわか
完全版 終わりと始まりのマイルス 鬼頭莫宏
つないでなくても大丈夫 丸襟
下降、そこへ ほねずき
あかねちゃんとたまえちゃん コチカナオ
【COMITIA150新刊サンプルと部数アンケート】
— コチカナオ (@kochika_nao) 2024年11月1日
「あかねちゃんとたまえちゃん」
A5/本文68ページ/無線綴じ/700円
11月17日コミティア150にて頒布予定
その後通販を予定しております
サンプル1/4#COMITIA #COMITIA150 #コミティア #コミティア150 pic.twitter.com/qtLQY4sYEV
不死累々 えかてん
コミティア149で出した本、若干数だけどboothに登録したぞ!送料とかかかっちゃうけど、来れなかった人とか、是非…
— えかてん (@Ekaku_tempa) 2024年8月29日
【COMITIA149】不死累累! | どーにもならん! https://t.co/l7OqEL7qpW #booth_pm
シャルトリューズ山田
・ガチ恋粘着獣
2025 1/1現在であと一話で完結…!めでたい!107話がとにかくよかったです。ぜひ読んでください
・罪と罰のスピカ
今一話と二話が読めるはずなので読んでみてください!圧倒的サスペンス!
・またのお越しを
知らない誰かのクローゼットを見てるみたいで好きなんです
・君の横顔を見ていた
三角関係群像劇です。こういうの好き
・一緒にごはんをたべるだけ
取り合わせに驚きました
・パラレルパラダイス
1巻に一回はエッチシーンを入れるようにしていると聞いてからプロ意識に惹かれました
・リエゾン こどものこころ診療所
ずっと読んでます。おもしろい!
・住みにごり
とんでもないことになってますよね…
・深層のラプタ
絵が好きです!結構ひどいことが起きてるんだけど大丈夫なんですか?!
・マイホームアフロ田中
癒しです
中野でいち
■連載
・はなまるエントロピー/みぞグミ絵璃
・放課後帰宅びより/松田舞
・うちがキングダム/森巡る/砂糖野しおん
・伴天連怪談/三木有
■同人&読切
・チドリと順平と落書帖/三途
・流るる星のランデブー/ショーノ
・いつか、どこかの、その日まで/シェリー野郎
いつか、どこかの、その日まで pic.twitter.com/cqAug8WmOS
— シェリー野郎 (@Gp_o2) 2025年11月6日
関野葵
みいちゃんと山田さん5 亜月ねね
サンキューピッチ 住吉九
ランチユーインザスカイ 伊藤九
100年の経4 赤井千歳
ハードボイルドなデフォルメガールのパンチラインはブラックアンドイエロー すみれちゃん
わたしはやさしくなりたいっ 薄宮・日々曜
全部救ってやる6 常喜寝太郎
匿名潟嬢姫
順不同です。
1.岳本路郎「ある日熊と出会う」
【『恋愛狂人ラブ事典』中身紹介③】 岳本路朗『ある日熊と出会う』(冒頭三ページ) pic.twitter.com/RNDeYDAqUb
— 肥溜め (@k_o_e_d_a_m) 2025年10月21日
まず絵が本当に大好き。話の構成も上手くて、大学生のサークル内でみんなが1人の女の子に恋してるって話だけでもよさそうなのに、そこに熊と同棲するという話が加わってくる。電車のシーンのだんだん視点が電車内から電車外の走る対象へ移っていって、3コマかけて描かれた遠くに小さく見える熊と片岡(みんなが好きな人)が、見開き2ページを挟んだ次の見開きでドーン!と写し出される、この見開きに電車内でのセリフを被せて、空間も音も隔たれているのにテンションだけマッチしているのが素晴らしすぎて仰天した。山下が海に行かないのもリアルだし、最後のコマで「好きだよ」と言っている人物はコマ外に押し出されて、山下の絶妙な顔だけが残る、この顔もほんとうに良い。
2.岳本路郎「サマーヌード」
1/5 pic.twitter.com/GqyDZU3jPC
— ダケモト (@mWkILEL1MN51683) 2025年11月17日
夢の話でこんなに面白くなるのすごすぎる。下半身丸出しの男と全裸になる女。恥ずかしさへの欲望が表れてるようで、それが魅力的な"見られている顔"から逆算的に"見る目"、ひいては読者の"読んでいる顔"が暴露される感覚になり、すごく恐ろしい。ラスト2コマは2人の見つめ合う顔!(計算なのか分からないけどその話をする主人公はサングラスをかけている)。
3.カウ・リバー「エンゼル」
主人公固有の失恋体験が、働いているファミレスの客のあるある話に飲み込まれてしまう、というところから始まって、失恋本を目にし、失恋ラジオを聴き、失恋ソングを聴いて、また同じように失恋をした女性と出会い失恋エピソードを聞く、そうして常に自分の感情が他の誰かの感情に代替/共有されていく恋愛そのもののような構造が、失恋ソングの歌詞を2人で考察する旅というストーリーとマッチしていてめちゃくちゃ面白い。対照的な"失恋で泣ける人"と"失恋で泣けない人"。更にその行き着いた先(海ではなく川!)で、ああこれは誰かに代わりに涙を流してもらうための旅だったのかも、と思わされて感動した。
4.カウ・リバー「たぶん絶対そうだと思う」
今度は職場で気になってる同僚女性を考察。前作よりギャグ度マシマシでめっちゃ笑った。知っていく度にどんどんメッキが剥がれていって気持ちが冷めそうになるけど、倍倍にあれも素敵!これも好き!となる人よりも、「でもいい人なんだよな…」と「でも…」が重なっていく人の方が恋愛は沼りそうな気がする。そんなことないかもしれない。
5.いましろたかし『完本 化け猫あんずちゃん』
いちばん面白い。とにかくあんずちゃんが良い奴すぎる。基本的に出てくるキャラみんな良い奴なんだけど、たまに誰かが悪事をはたらく時もここまでなら笑って許容できる、と倫理の線引きがうまいというか。前半は楽しそうに働く(職業:按摩師はあまりにもケアの象徴すぎる。妖怪が人間と暮らしていくには何か人のためになることをしなければいけない、ということなのか。ほかの妖怪たちは地下に潜んでいる)あんずちゃんに癒されて、風雲編では当たった宝くじマネーで映画を作ることになってデカい話になるのかと思いきや、完成しても身内や地域の市民センターのようなところで上映するだけでヒットしてる描写もなく、ごく小規模な世界観でまとまることに安心する。漫画におっさんぽさがありつつ全体を通して性欲がほぼ描かれないのが珍しくて良い。
6.『高木りゅうぞう作品集 ツイステッド』
背景作画ベスト。こういう見とれる背景みたいな絵のマンガなかなか無いから嬉しい。色んな人間を器用に満遍なく描いているけど、子供っぽい大人/大人っぽい子供を描こうとしてる感じが衿沢世衣子を思い起こして良い。
7.宮崎夏次系『カッパのカーティと祟りどもの愛』
やっぱ可愛いキャラって大事なんだなって思った。接着剤で割れた頭の皿をくっつけてもらってもすぐ何者かのチョップによってまた割られてしまうカーティが可愛すぎる。頻繁に入るフラッシュバックが現在時制と絡まって混濁したり、ひとつの画面でふたつ以上の物事が起こったりするのが読みづらくて、読みづらい(=情報量が多い)マンガが好きなのでとても嬉しい。貧困とか犯罪とか環境の悪さとかの病みが天然かつパワフルなギャグで描かれる話がほんと好き。
8.大山海『力石持つ』
村一番の力持ちらしい権蔵の激エモな死から始まり、権蔵は1話で去って、村からいなくなった兄のモ作を弟の杢助が追う兄弟の話。弟が謎のお婆や猿と出会って成長してることに感動してると、一方で兄は人助けに見せかけ他人の家を破壊したりしてめちゃくちゃ暴れてて面白い。前年ベストに入れた『はにま通信』もはちゃめちゃにおもろい。どんどんキャラの表情が豊かに魅力的になっていってる。
9.破賀ミチル『新刊100億冊ください』
腐女子百合ものでめちゃおもろい。こういうのが読みたかったんだ!みたいな漫画。姪が好きな同人作家が実は会社を辞めて実家に帰ってきた叔母さんで……って設定からして最高。いっぱいキャラ出せそうだし無限に展開作れそう。
10.ほそやゆきの『シルク・フロス・ボート』
画角の切り取り方がほんとかっこいい。基本的に空間が狭いんだけどそれによって一定のコマのリズムができてて読み心地が独特。2巻の160-161ページの見開きとか、連続するコマでじっくりと時間を捉えていくような描写がすごい。カイコを育てて製糸していく過程がものすごく丁寧に詳細に(蚕は割とすぐ死んでしまう等のディティール)描かれるのでハウトゥー本みたいな気持ちで読める。
人間が大好き
順不同です
シャモナベ/PYPYworks 『あの夏、秘密のコンフィチュール』
エロ同人にはジャンル分類不能な文学ともポルノともつかない作品が出現することが稀にある。その瞬間に立ち会える興奮がある。
父が不祥事で逮捕されたため、大学を辞めて田舎の姉の家に居候することになった主人公・彗。姪の友人である凛々花は彗に急接近し、2人は秘密の関係を結んでしまう。一方で彗はそれ以前から、姪の翠羽とも情事を重ねていて……。だが全4章からなる連作短編を読み進めていくうちに、彗はこの少女たちの内面に気づいていないこと、この秘密を凛々花も翠羽も知っていること、みなが甘美な秘密の味に溺れていることが明らかになってくる。章ごとに時系列をシャッフルして視点を切り替えることで、秘密を浮かび上がらせる巧みな構成が上手い。
いかにもエロ漫画らしいサムネイルと説明文に反し、画面上からは何か異様な雰囲気が漂う。風景を切り取ってアルバムに閉じたような扉絵、仄暗い風景、度々挿入される窃視的な俯瞰のショット、みずみずしい果物たち。コンフィチュールとはジャムの一種のこと。みずみずしい果物のような少女たちはその思いを秘密という砂糖の中に漬け込んで保存し、官能的な甘い香りを漂わせるコンフィチュールへと変わっていく……。
模造クリスタル『グラウンド アンダー』
『金魚王国の崩壊』の模造クリスタルの最新作。『カラスのいる荒地』の続編に相当するような作品だった。
舞台は巨大で恐ろしいカラスが跋扈する荒野。荒地に住む少女・シックチックはカラスの抜け羽を集めていたところ、道を見失い彷徨っていたハンターたちに出会う。道案内をするうちに、この荒地から地下資源や古代文明の遺産が見つかる。それが具体的に何をもたらすものなのかはわからないまま、あれほど危険だった荒野へと人々が進出していき、人間は労働者へと変わっていく。何かが起こりそうで何も起こらないまま物語は終わる。経済によっていずれは恐ろしい鳥たちがいる荒野も王政も倒されることが連想される。
全体を通してどこか徒労のような話であり、しかしどこか楽しそうで、不穏でもある。独特の社会観や人間性への洞察が垣間見える。
遠野人夏『やちるさんはほめるとのびる』1巻
「八尺様はえっちな妖怪」という誤ったイメージにより身長が縮んでしまったやちるを本来の姿に戻すため、八尺様の大ファンである青年・誠一郎と協力して試行錯誤をするというストーリー。様々な『検証』を重ねるうちに、やちるは誠一郎に褒められると元の背丈に戻ることに気が付く。やちるは性的な偏見を持たずひとりの存在として向き合ってくれる誠一郎の真摯な姿に信頼を重ねていくが、実は誠一郎は背の高い女性がタイプで……。やちるが元の姿に戻る条件は「性的に見られない」ということだけではないのだと次第に明らかになっていく。
よくあるラブコメなら「無遠慮な性的目線は悪い」「不同意な接触は悪い」「自分の尊厳を守ることが大事」という教条的な主張をするだけにとどまるが、この作品はその先を行っているところが凄い。元から誠一郎はやちるのような背の高い女性がタイプだったので『検証』を重ねるたびに悶々とし、やちるもまた自覚なく誠一郎に惹かれていく。2人は倫理的でありたい気持ちと、無自覚のうちに性的に見てしまう/見られたい感情の間で葛藤し、よりよい関係を模索すべく議論と試行錯誤を重ねていく。この葛藤と試行錯誤をフェチたっぷりのド性癖シチュエーション&もどかしいラブコメに昇華しているのである。倫理的なテーマを問うことがこんなにえっちで面白いのか!という感動がある。今一番アツいラブコメ。
幌田『俺のカスみたいな人生は全部タヌキのせい』1巻
学力はあるのに試験に落ちて二浪が決定した浪人生のアラタは、ある日タヌキが人に化けた存在である人狸が見えるようになる。自分の人生がおかしくなっている原因はタヌキではないか。この日本には人狸という存在が陰ながら暮らしていることを知らされ、タヌキの世界へと足を踏み入れることになる……。
アラタは自分の問題を人狸のせいにしたり、目の前に実在している人狸の存在を否定したり、人間社会を乗っ取ろうとしているのだと過剰に恐れたりする。人狸というファンタジーのモチーフを借り、いまこの現実ですぐ隣に異なる存在がいることを受け入れられない感覚を追体験させるのが上手い。現実におけるマイノリティやルーツをめぐる差別や包摂に通じる議論を、そうとは言わずに展開する巧みさがある。
7Liquid『なにも理解らない』1巻
異世界で記憶喪失になって目覚めた主人公が、言語も常識も全く通じない状況で必死に試行錯誤を重ねて手探りで未知の文明を把握して生き延びていく……という、可愛らしい絵柄から予想がつかない本格派のSFファンタジー。敵意がないことを示したり名前を聞いたりするようなわずかな意思疎通ですら相当に難しいことが最初から示されている。意思疎通や理解が少しでも進んだかと思えば、今度はこの異世界における未知の生命や未知の物理現象などが立ちはだかる。そうして少しずつこの世界の全容が明らかになる。この内容を可愛らしいキャラクターが織りなす萌えコメディみたいなやりとりでサラッと描いてしまう。すごい漫画だと思った。
眞藤雅興『ルリドラゴン』3巻
ツノがキモいよね、と陰口を言ってきた蒲田に対して当てつけでツノを折る意趣返しの痛快さと、その当てつけごと謝罪する和解のパートの議論がいい。知らないからキモいなら全部知ればいい。
青井タイル・ツナミノユウ『女甲冑騎士さんとぼく』
歴史的な役目を終えた甲冑騎士たちが住んでいる東京を描くアーバンファンタジー。主人公「ぼく」が女甲冑騎士と同居している。女甲冑騎士さんは現代社会のことをまだよくわかっていないが、出かけた先々で気高い精神と高貴な振る舞いを見せ人々を浄化していく。
変な騎士や変な人がさらに続々登場するが、おおらかな町がそれを受け入れているところが本当に嬉しい。無関心でも排除でも保護でもなく、程よい関心を持って付き合っているという社会がよい。ぼくが白百合の騎士の気持ちを全然わかっていない、少し切ないラブコメ回もある。
猫にゃん『魔法少女イナバ』1巻
成人女性が現実世界で本気で魔法少女をやっているという『劇光仮面』フォロワーな作品だけあり、あの山口貴由が帯コメントを書いている。コスプレではなく変身と言い張り、魔法少女の姿をしている間は人助けをしたり悪と戦ったりする勇気が出る。現実には敵もいなければ魔法少女の居場所もないと知りながら日夜人助けをし、社会との摩擦に苦しむ日々。だが本当の怪人が出現したことで魔法少女としての活躍の機会が訪れ、次第に「本物」になってしまう……。
『Vドライブ!』でまんがタイムきらら作品とは思えないハードなアクションやゴア表現を描いた猫にゃん先生が本領を発揮し、可愛らしい絵柄から容赦ない狂気、欠損、バイオレンスなどを繰り出す。「正義のマントを覇王って参上!」の本当の意味が明らかになる、1巻の衝撃のラストにして物語の本当の始まりに驚愕。
zinbei『この世でいちばん甘い毒』
「好奇心と恐怖と愛の短編集」と銘打たれている。zinbei先生は何気ない生活のワンシーンから不思議さや面白さを見つけ出す観察眼がすごい。石碑、風景、花、少しの違和感。その豊かな感覚が日常を非日常に変え、恐怖を呼び起こし、恋愛を鮮やかに彩る。
山形と東京の2つの感覚を描いているのもいい。地方出身者として、良いとも悪いとも割り切れない故郷への複雑なノスタルジーを覚える。
稲田晃司・巡宙艦ボンタ『浪と損害のティティス』1巻
近世風のファンタジー世界が舞台のボーイミーツガール。主人公は海上保険の鑑定人、ヒロインは運を消費して風の魔法を使う少女。全ての現象を科学的に解体して真実を明らかにしたいと考える主人公は、未知の魔法を使う少女を海難上のリスクとして追いかけることになる。
暴力や略奪が横行していた時代や科学文明が発展する以前から保険は存在し、貿易を安定させて人類の文明を大きく進歩させてきた。本作でも保険の鑑定パートで科学捜査の先駆けのようなシーンがあったり、蒸気船が最新鋭艦として挙げられていたりと、文明に関する洞察が伺える。ファンタジーを通じた文明や技術の再検討という、巡宙艦ボンタ氏の得意技が発揮されている。2巻以降でもそうした保険にまつわる洞察に期待。
竹田純
特に最近の選考会編。何巻分も議論をずーっとやっている。全っ然戦わない。でも不思議と読める。読めるどころか話してるだけなのに面白い。なぜ!?
藤田和日郎『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』
メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』の現代的解釈としてうますぎててビビる。これだけ今の研究と知見が入ってて100%エンタメにできるんだー。
高橋留美子『MAO』
高橋留美子の最新作。『犬夜叉』っぽいシリアス系なんだけど、突き抜けて陰惨。容赦なし。死滅回遊に出てきたら活躍しそうな人がいっぱい出てくる。
監督が主人公のJリーグマンガ。地域に根差すクラブチームの運営や、サポーターの解像度が抜群に高い。スポーツが共同体になるってこういうなんだなあ。
住吉九『サンキューピッチ』
野球というバキバキにルールが決まってて、先行作品も山ほどあるジャンルなのに、まったく新しいスポーツのように新鮮に読める異常さ。
『アオアシ』がヒットした小林有吾の料理漫画。数学の天才が料理に挑戦する話なのだけど、社会のシビアさが前面に出ているうえ、ギリギリの状況が連続してとにかく何度も絶望に突き落とされる。怖さの演出が印象に残る。
川勝徳重編『現代マンガ選集 恐怖と奇想』
丸尾末広の「無抵抗都市」がすごかった。ほかにも忘れられない作品が多い。山川惣治『骨ノ兵隊さん 指輪』が好き。
ときわ四葩『胡桃沢善彦の愚行』
『ダディデバディ』のときから、真面目な登場人物が真面目過ぎて破滅していく感じがとても好き。この漫画も破滅が約束されたストーリーでしかも意外と早く破滅しそう。
尾瀬あきら『呑んでゴメン』
『夏子の酒』と『どうらく息子』をミックスしたような前後編の漫画。ミックス過ぎでは?とか、オチはどうかな?と思うものの、達人すぎてそんなの関係なく面白い。
『マイホームアフロ田中』
「会社勤めの子育て中男性」の思考を見事にとらえているッ!と言いたくなるくらい、わかる~と言いながら読んでいる。仮想のパパ友こと、アフロ田中。
Yaca
・柊ちゃんと富川ちゃん(X、Kndle投稿)-犬山あむ
隣に#柊ちゃんと富川ちゃん 129 https://t.co/LcwDf1UBPT pic.twitter.com/LpvKeFljYs
— 犬山あむ🐄 Inuyama Amu🐄 (@kore_inu) 2025年12月18日
人の面倒にこんがらがった心理体系がこんがらがったまま書かれていて良い。家庭環境最悪だった人とかが読むとあるある漫画になる
・#ギャルとギャルの百合-イノウエ
感情のある無表情の書き方がうますぎる
(ただ表情筋が弱いだけで感情はある顔)
・まどわせないで矢守くん - いのぐちしな
惑わされるボーイが可愛いがち
・やちるさんはほめるとのびる-遠野人夏
恋愛、怪異、サービスエッチ要素、コンプレックスなどなどそれぞれが邪魔をしないで必要要素として作り上げられていてすごい作品
・本日の卜部さん-ましまし
「ババ抜きで負けたほうがなんでもする」という話がスポーツ漫画みたいな心理描写になるのが面白い
・その着せ替え人形は恋をする-福田晋一
ラストがすらっと綺麗に終わっていく。最終巻、最後の最後でもう一度事件みたいなことはなく、時間をなぞるように最終話を迎えるのが逆に印象的だった
・スケバンと転校生-ふじちか
時代設定と令和のノリがいい感じに合わさっていて新鮮で面白い
・チェンソーマン 第二部-藤本タツキ
二部は第一部に比べてキャラデザが濃いめで説明なしに魅力的な女キャラ(特に四姉妹)がよい。デッカいバトルと各々の思惑丸出しのいがみ合いがあまりにもオタク向け漫画
・ムチムチギャルと濃厚ぴっとり主従性活-九月ナガツ
今年リリースされたOneohtrix Point Neverのアルバム「Tranquilizer」と同じ。配置とバランスがとにかく自由。決まりきった枠組みの中で枠を壊さずにオブジェクトのシェイプをぐねぐねと大小さまざまに好きなように配置する。表現ってまだまだ自由にできるんだと思えた。自分も「大胆なバランス感」で創作をしたい
2025マンガベスト その2(問松居間 たかたけし 春原ハルア 伊藤九 中村汚濁 punk 肥溜め 西瓜士 華沢寛治 池袋不敗 津村根央 吉田貴司 さのさくら モバイルいわし)
そのほかのページはこちらから
問松居間
・ザ・キンクス
今年出た新刊も最高でした。
子どもの頃に考えてたけど、大人になって完全に忘れていたような出来事や発想が描かれていて、それは記憶力なのか、童心を忘れていないとかなのか、才能なのか、どれにしてもすごく羨ましい能力だと読んでいて思いました。
・さむわんへるつ
すごくおもしろいです。
ハガキ職人漫画なんていうハードルが高そうな企画を出す勇気もすごいし、ちゃんとユーモラスなのもすごいです。
なにより主人公とヒロインのキャラが良くて、連載が始まってソッコー二次創作を見かけましたし、キャラが良い漫画の見本だと思いました。
・みぃちゃんと山田さん
今一番楽しみな漫画です。
このマンガがすごいで4位にランクインしていて、おもしろいから当然なのですが、あまり広まっていないと思っていた好きな漫画がどんどん広まっていくのは少し切なくなってしまいます。ファンの良くないエゴです。
絵の抜け感も羨ましいです。
無料公開されてて初めて最後までちゃんと読んだのですが、おもしろすぎました。
ヒカルが成長するにつれて周囲もどんどんレベルの高い人たちに変化していくのが、成長欲を掻き立てられました。
サイが無双する話じゃなくヒカルが成長する物語な点が、強者憑依物のおそらく黎明作品でありながら2周くらい先のことやってる…となり腰抜かしました。
・恋とか夢とかてんてんてん
すごくおもしろいです。
読みながら都度幸せについて考えてしまい読み終わるのに時間がかかってしまいます。先を読ませたくさせる行動の力がなるほどな〜と勉強になります。
・シューリンガンの息子
Twitterに中盤の1ページが流れてきて、その絵の構図がすごくいいなと思って、他の絵も見たいと読んでみたら傑作でした。プロだな〜と思いました。
それと落語や演技のような「想像させるもの」は漫画と相性いいなと改めて思いました。
たかたけし
●呑んでゴメン(尾瀬あきら)
笑いました。
●パットおじさんのいた夏(ジョハン)
たまたまネットで出会って面白かったです。
●メタモルフォーゼの縁側(鶴谷香央理)
2025年にまとめて読んで感動しました。
●俺はバイト先のみんなに「ちんこを出させて下さい」と言った(酉ガラ)
ちんこを見せる理由を聞いても納得できないですが面白かったです。
●ガールクラッシュ(タヤマ碧)
紙の単行本が出て嬉しかったです。こんな絵が描けたならと憧れてます。
春原ハルア
2025年は社会人1年目で忙しくてあんまり読切漫画が読めなかったので2026年はたくさん読みたいです。
・パットおじさんのいた夏(ジョハン)
「僕はサウンドオブミュージックで抜いたことがある」←最高
ハッピー・マニア→後ハッピーマニア、トレインスポッティング→T2みたいな続編特有の過去に対するペーソスの良さもあってうれしかったです。
・空色心境 (こうの史代)
『描く人へ』も良かったけどこっちの方がやばい。ハードコアとしか言いようが無い。
変なコンセプトを思いついたとしてそれをやる、やり切る面白さがあってよかったです。
やはり良い漫画は背骨を強く意識させてくれます。漫画でうっとりしたい時に読み返してます。
・億劫です。(加藤青)
ヒーロー好きの女の子が成長して昔を黒歴史に感じてしまうというシンプルな物語で、二次創作の露悪さがちょっとあるなと思うけど、家にいる時は下着姿になってしまうという謎設定だけで無限に味がします。超可愛いギャグマンガ日和。
窃視的だけど絵柄が可愛いから健康的なエッチさがあるし、物語も健康的に泣けてしまう。ゼメキス映画みたいな良さがあります!
・呪いの絵日記(江河川)
『 呪いの絵日記 第3話︰予言者の鏡』①
— 江河川(新) (@kappadokia1024) 2025年12月2日
鏡の中に光る虚像か、鉄の必殺仕事人か─────?!
📢83ページ一気に投稿したら@kawawa1024がロックされちゃったのでこちらから再投稿します笑!
夜露死苦!お願いします👊#漫画が読めるハッシュダグ pic.twitter.com/CmCHXKn9tU
自分は「反骨」を読んで江河川先生ご自身が内なる無限性を秘めていて、それを切り出している人だと思っていました。けど、先生もすごい人たちと出会ってるんだなとこの漫画でわかりました!普通にキャラクターの作り方を教わった気がします。
出会う人みんな男なのも面白い。みんなどこか破滅的で不安定だけど肩幅のデカさで安心感を補ってる気がします!
トップをねらえ!2の「神様を見たことはたぶんないと思う。もし神様にも願い事があるとしたら、それは何に願えばいいのだろう。」みたいな、凄みがある人は何を信じているだろうかという思索にもなっている気がします!
・さとみくん/りゆにおん(国木田くにお)
さとみくん/りゆにおん(スペリオール新人作家大賞・大賞) - 国木田くにお | ビッコミ(ビッグコミックス)
「嗚咽」の国木田先生だと全然気づきませんでした!
絵柄の少年っぽいフェティッシュさと物語の内容との差が気持ちいいです!
無駄に情動を盛らず、諦観的なカラッとした目線が華倫変ぽい、この絵柄でそういうのやってくれるの嬉しすぎる!
「突撃!バイトの日常」もよかったです!無限にこういうの読んでたい。
・バルバロ(岩浪れんじ)
自分は三木聡映画の、「女の子の手のリスカで硬くなった皮膚でわさびを擦り下ろす」シーンがずっと好きで、それをずっとやってくれてる気がする漫画です。それでいてギャグがずっと面白いので最強だと思います!
このマンガがすごい2025でよしながふみが今年良かった漫画に挙げてたのアツかったです。
・ギャル神官はリザレがダルい(秋★枝)
『放課後メタバース』完結の傷がまだ癒えてないけど、流石に新連載嬉しすぎました。俺はやっぱ金髪ギャルと冴えない男の話が好きや…。
『黒根さんはニャーと鳴かない』『ふたりバス』『やめろ好きになってしまう』『スベる天使』『放課後帰宅びより』『さむわんへるつ』2025年は滋味のあるラブコメばっか読んでました、全部良かった。
・それはそれとして(夏景)
百合は特権的(だから今のうちに楽しもう!)って誰かが言ってたけど、ほんとにそうだと思った漫画。
男なんてひどい仕打ち受けてればいい、そう思えてしまう良さがあります!
・新潟~北海道旅行レポ漫画(中野でいち)
エッセイ漫画だけど、コマを割ること自体がリズムだし、感情も絵に預けられるので最小限の淡々としたモノローグと会話で進むのカッコいい。「あのトド片目が病気だね」で何も展開しないのやばい。
絶対この人と旅行に行ったら楽しいだろうなという気持ちに。
・たぶん絶対そうだと思う(カウ・リバー)
マジでこれからのスタンダードになっていくんだろうなって感じの漫画です。
ギャグが全部面白いしオチがカッコいいのズルい。金字塔です!
伊藤九
緑の予感たち - 千葉ミドリ
BORUTO two blue voltex - 池本幹雄/岸本斉史
宇宙人の彼女 - あまいろ
宇宙人の彼女 4/1 pic.twitter.com/6CqHragPlY
— あまいろ (@tentijin11) 2025年5月5日
ある日熊と出会う - 岳本路朗
【『恋愛狂人ラブ事典』中身紹介③】 岳本路朗『ある日熊と出会う』(冒頭三ページ) pic.twitter.com/RNDeYDAqUb
— 肥溜め (@k_o_e_d_a_m) 2025年10月21日
中村汚濁
1.かわいくないかわいいあの子
小骨トモ先生の新作!思春期のドロドロさは健在な上、絵の迫力が凄まじいです。
2.秘密法人デスメイカー
絵がとても可愛い。個性豊かな女の子たちが魅力です。ギャグもキレキレ。
3.グラウンド アンダー
待ちに待った模造クリスタル先生の新作。
独特な世界観と懐かしのキャラクターにノスタルジーを感じました。
4.劇光仮面
去年に引き続き挙げさせて頂きました。恐ろしい漫画です。
5.セイ少女黙示録 ですぺあ
宣伝です。是非読んでね。
punk
2025年は前年に輪をかけてインプットができず、なんか素潜りで漁をするように「読もうと思ってる漫画を読みに行く」ことしかできませんでした。もっと漫画の海にダイビングしたい……。順位をつけるのが苦手なので、前回同様に順不同です。
『ずっと青春ぽいですよ』矢寺圭太、コミックDAYS、講談師、連載中
ツイッターで気になって読みはじめた漫画です。かわいくて大好き。普通に萌え萌えしながら読んでます。ニコ先輩推しです。
『税金で買った本』ずいの、系山 冏(けいやま けい)、ヤングマガジン、講談社、連載中
マガポケで追ってます。これもキャラ萌えしながら読んでます。若い男女がいっぱい出てくるのに一切恋愛に発展しないのがいいです。推しは今村さんです。
『ヴァンパイドル滾(たぎる)』島本和彦、週刊少年サンデー、小学館、連載中
アイス・ロック・オン流行ってほしい……!と思いながら読んでます。単行本派。島本先生、ここにきて週刊連載で、絵がどんどん色っぽくなってるのすごすぎませんか……?
『負けヒロインが多すぎる!』雨森たきび、いたち、マンガワン、小学館、連載中
いや待ってください!違うんです!こいつまたか……って思ってるかもですが、騙されたと思って「23敗目③鰯雲と秋の空」を読んでみてください!こんな表現するの?!って度肝を抜かれました。毎回目が離せませんよ!
『健康で文化的な最低限度の生活』柏木ハルコ、ビッグコミック、小学館、連載中
NHKの『漫勉』で知って読みました。「災害編」、もうすごすぎて目が離せないです。こういう漫画を描こう!というの、自分は思いつきもしないと思うし、めちゃくちゃ大変だと思うので、本当に尊敬しています……!
『君が監督!』あじな優、マガポケ、講談社、連載中
これもツイッターで知った漫画です。スポーツ漫画って梶原一騎くらいしか読んだことのないぼくですが、この作品は、「野球ってこんなに面白いんだぞ!」「この選手はこんなにすごいんだぞ!」というのを、喩えていうなら『七人の侍』の侍集めをずっとやってる感じで、ワクワクしてめちゃ面白いです。
「タルト」ケレンメ、WEEKLY快楽天2025 6、ワニマガジン社
絵も話も演出もエロ描写も飛び抜けてて、もう衝撃でした。オシャレなのに淫靡でかっこよくてエロくて、もう憧れと才能への妬みしかありません。鼻血→鼻にキスとか天才ですか?と思いました。ケレンメ先生はどの作品もすごくてどの作品も好きです。最初に読んだ「タルト」の衝撃が忘れられないので、ここで挙げました。(成人向け)
「I'll drag you down to hell」すがる春、WEEKLY快楽天2025 33、ワニマガジン社
この作品、恋心のすれ違いを描いたものなのですが、自分が大事にしていたものを差し出したときに、それが相手にとってここまで絶望的に無価値なのかと、恐ろしくなるくらい冷徹に突きつけてきます。とにかく優しくされない、尊厳をもって接してもらえない、半ば自業自得なところもあって、とにかくヒロインが可哀想。大好きな漫画です。すがる先生の描く冴えない系なのにサイコパスな竿役男性、たまらないです!(成人向け)
『いい曲はいい人と共に』勇魚、ジッキョウプリズ魔、同人誌
勇魚先生のネームの力はすごいのですが、この漫画のクライマックスはほんとに鳥肌立ちます。ネームでぶん殴ってくる感じです。絵の勢いもほんとに好きです。可愛くてバキバキに動いてて、惚れ惚れします……!
「負けくの一の娘」藤本和也、『ぬくやな合同誌』所収、ゆかいまんが社、同人誌
昔からずっと大好きな漫画家の先生に、自分が企画したアンソロに寄稿いただけるとしたら……?もう何回妄想したかわからないこんな願いが昨年、叶ってしまいました……!しかも超傑作!マケインなのに忍者漫画!もう大好きすぎて主催の本分を忘れて転げ回りました!役得!
藤本先生の絵柄とお話の可愛さ、コマ割りや擬音などの演出とあいまった「雰囲気」って唯一無二なんですよね。最高です。
肥溜め
すみません、今年じゃないのもあります。順不同です。
・千葉ミドリ『緑の予感たち』
・千葉ミドリ『ECHO』(同人誌)
・匿名潟嬢姫『ガンプスの声』
・黒田硫黄『あたらしい朝』
・いましろたかし『引き潮』
西瓜士
今年はほとんど漫画を読んでいないので読み切り2作でお願いします
毎日、病んでます(桜壱バーゲン)
作家として一筋縄ではいかない思いをラストの1ページ、夫のほほ笑みで終わるところにベテラン漫画家としての矜持を感じた
呑んでゴメン(尾瀬あきら)
大量のモーニングを処分する前に偶然手に取ったら尾瀬あきら新作読み切りが載っていて天啓かと思った ギャグが面白すぎるしテンポも全くだれず身が引き締まった
華沢寛治
・凪のお暇
完結おめでとうございます。慎凪を求めてさすらう怪物になる気持ちvs突然挟まれる真実の口のコマ格好よすぎるの気持ち。
・バルバロ
スーパー画力とリッチな画面。あけすけで可愛く魅力的なキャラたち。
・ギルティえんじぇる
現実は判断力の差とかで成立しないだろうけど、立場が違う他者同士の交錯、人間の人間らしさを信じる祈りがある。罪深いのに爽やかな逃避行。
・ハネチンとブッキーのお子様診療録
淡い陽光色の髪・実は端正な顔立ちのフルメイクお医者さんが飄々と優しい(本当にヘキに刺さる)
物語はずっと丁寧で暖かい。
・午後の光線
冒頭大人びて見える主人公の繊細なあどけなさを誰が知るのか。受容させることの痛みと優しい意思がずっとあり、綺麗で苦しい。
・バックラッシャー
限界が迫っていても現在だけはやけにのどかなのがリアル。不気味で愉快で面白い。
・ゴッドマザー/下川林 (読切)
終始美麗な画面、かっこよすぎるストーリー、主人公の髪のくしゃくしゃ感が好き。連載で続きを読みたすぎる。
・岩鞠山大観光ホテル/津村根央(読切)
完全白黒の漫画でリミナルスペースできるんだ……のかっこよさ。ベタの黒がやけに怖くて惹かれる。立体感と爽快感。
・お豆腐の味/匿名潟嬢姫
(紙で買えてなくて読み返せず詳しい文章無くてすみません。凄く良かったのでどうしても……)
・君は俺の優しくない春
ヒロインの横顔が美しいのは好きだから……。眩しい青春。
池袋不敗
緑の予感たち/千葉ミドリ
何もかも最高で単行本待ってました
自称吸血鬼ちゃん怪異譚/本間保奈美
絵柄が大好きです。かわいいけど渋い
現象x/温泉中也
二巻面白すぎます。絵は見てるとため息が出ます。
かみちゃんがいればマル/古田青葉
入り口が思わぬ方向に繋がっているのがいいです。キャラもみんな可愛い。
来見沢善彦の愚行/ときわ四葩
大変なことが起きそうで面白いです
考幻学入門/鈴木りつ
待ってました。紅茶、ケーキ、考幻学入門で素敵な昼下がりを過ごせそうです。
金の糸銀の糸/斎藤なずな
前作もそうでしたが余韻がすごく良いです
ブランクスペース補遺/熊倉献
何もかも最高です。自分は『日陰』が美しくて好きでした。
伴天連怪談/三木有
画面と話の緊張感が素晴らしいです…
天女様がかえらない/伊奈子
怖いもの見たさで読んでしまいます。本当に恐ろしいです。
こころの一番暗い部屋/雨夜幽歩
テレフォン人生相談的な良さとホラーの良さが合わさっててかなり自分の好きなテイストです
津村根央
同人誌『模様替えするけもの』 ビュー
動物や人外の考えることは、人間には理解できないし、想像もつかない。
『模様替えするけもの』は、ナンセンスな短編漫画。ある日、男の住む家へけものがやってくる。けもののやることはひとつ、部屋の模様替えだ。
冒頭1コマ目のテレビに映った赤い部屋は、ツインピークスのオマージュだろう。不条理な展開と、かわいいユーモラスなけものがドンピシャに好みで、大好きな一作である。こういうものをもっと読んでいたい。
へんてこな感覚に陥る大傑作。
西部劇が縦横無尽に引用される、コラージュ的な短編漫画の『イエローマン』がすごくよかった。
杉浦茂の描くデフォルメされたキャラクターたちと、西部劇からそのままスケッチされた映画俳優たち。
杉浦茂の名の下に、調和のとれたごった煮が展開されているカッコいい一冊。ときどき挿入される1枚絵のコマもカッコいい。
リトルプレス『ランバーロール07 中年特集』
藤岡拓太郎さんのせつないギャグ漫画から始まるリトルプレス第7号。あまりの軽やかさになんども読み返してしまう、素敵でおもしろい漫画だ。
特集全体を通して、中年のおかしみ、哀しみ、やさしさがこれでもかと書き連ねられている。漫画と小説が数作品ずつ掲載されていて、どれも印象的。少年でも青年でも老年でもない、中年という宙ぶらりんな存在だけが持つ味わい深さを知る。中年になるまでも、なってからも、何度も読み返したい。
吉田貴司
知り合いがヤングチャンピオンで連載が始まったのがきっかけでヤンチャンWebを毎日読むようになりました。
今までジャンプ、ヤンマガ、モーニング、スピリッツあたりを好んで読んできたので(まあ今やどれだけの人が雑誌名が思い浮かぶか謎ですが。)、ヤンチャン系は初めて読みましたが、おかげで新しい世界を知ることができました。
ヤンチャンが他の雑誌と大きく違う点は「欲望に露骨」というところです。
娯楽性が高く「エンタメしないと殺す!」といわんばかりの、力づくでもエンタメに持っていくという気概を作品から感じました。
個人的にはエンタメ性よりも作家性というか「この作者は何を考えてるのかな?」と思いながら漫画を読むのが好きなので、これまであまり露骨なものは避けてきたのですが、一定数まとめて読んでみると、「そもそも作家性とはなんなんだ?」ということを改めて考えさせられました。
というわけで個人的2025年読んで面白かったマンガです。
落日のパトス 艶々
かなりエッチなラブコメです。
高校時代に好きだったおっぱいの大きな先生が、アパートの隣に引っ越してくるという夢のようなお話です。
この先生がまた都合よく主人公に好意を抱いており、また都合よくエッチな先生なのです。
それも「明るくセックスが好き」というよりも自慰行為が好きな「隠者系のエロさ」なのが大きな特徴です。
それがいいんです。
主人公と接触して毎回いい感じになるのですが、やはりラブコメのお約束は守り、セックスだけは絶対にしません。
顔射はしてもセックスはしない。
そこまでいくとセックスは「関係の成就」を表すものではなく、「関係の終わり」を表すものに反転します。
真剣がギャグに、生が死に、あなたがわたしに、あらゆるものが反転していく。というのは言い過ぎですが、とにかく「もしかしてこの世界には性別なんて存在しないのではないか」というくらいセックスはしません。
にも関わらずページをスワイプする手が止まりません。
特に8巻は新キャラ登場からドライブ感をそのままに、ラストで見事スパークする神巻です。
「めぞん一刻」「りびんぐゲーム」「GS美神」
僕の好きなラブコメ作品に新たな名作が加わりました。
黄昏のエトス 艶々
「落日のパトス」のスピンオフ作品です。
おっぱいが大きな先生(まこと)の現役教師時代が描かれます。
これはたまらんと読んでいたのですが、途中から恋敵であるまさみの過去が描かれます。
ちょっと待ってください。僕はそれほどまさみのことは好きじゃありません。
先生のことを読ませてほしいのです!
しかし女性キャラの「男の妄想を少しだけ裏切る感じ」が良い塩梅のリアリティーを生んでいるところは今作も健在で、そこが他のエロコメディーにはない大人な感じがして好きです。
異世界NTR〜親友のオンナを最強のスキルで堕とす方法〜 佐藤健悦(漫画) 五里蘭堂(原作)
ヤンチャンWebをきっかけに、異世界ものも何作か読んでみたのですが、これが一番面白かったです。
漫画の主人公というのは「読者に好かれなければならない」という宿命をもっていて、ガチで嫌なやつだと読者に読んでもらえなくなってしまいます。
「ネトラレ」。しかも親友の彼女を寝取る奴なんて誰だって好きになれないはずですが、この漫画にはそれを回避するために、「あくまで親友を守るため」という動機づけがされています。
主人公(男)は親友のことがめっちゃ好きなのです。この作品内に出てくるオンナはその親友を誘惑したり、堕落させたり、騙したり、幸福を邪魔する存在として登場します。
そのオンナたちから親友を守るために寝取る。あくまで自分の性欲は二の次なのです。「んなアホな」思わずツッコミたくなるくらいむちゃくちゃですが、そこが面白いです。
露骨な欲望である「寝取り」を正当化するためにそこまでやるか。というヤンチャンの商魂を感じます。
また異世界ハーレムものを何作か読むと、正統派美少女、ちょっとヤンチャ系のギャル、スポーツ活発少女、最後に妹キャラといった具合に、出てくる女性キャラも既視感が出てくるのですが、「親友を守る」という動機のおかげで、飽きずに長く楽しめます。
ウリッコ 大森かなた(漫画) 殺野高菜(原作)
売れっ子漫画家を目指すウリッコの話です。
めちゃくちゃ面白いです。
特にいいのが主人公が紙とペンでマンガを描いているところ。
最近は漫画文化も成熟してデジタル機器も出揃っているし、作画ソフトもたくさんある。マンガを教えてくれる学校や教則本もたくさんあります。
しかしそれは逆にいうとマンガの作り方がマニュアル化してきているということではないでしょうか。
そんな中、本作の主人公は紙とペンだけで、漫画喫茶のローテーブルから戦いを挑もうとします。
マンガって元来こういう持たない者の武器ではなかったか、と思わせてくれるところがとても熱いです。
貧困表現もさることながら、漫画編集者の対応がとてもリアル。
2巻が楽しみです!
台湾の少年 游 珮芸 周 見信 倉本 知明 (翻訳)
16世紀までの台湾はオランダとスペインに統治されていて、それを明が追い出して清になり、日清戦争で勝った日本の占領下になって、戦後蒋介石により中華民国になるそうですが、20世紀初頭〜現在くらいまでの台湾の人の姿が描かれています。
特にすごいのが2巻の「白色テロ」というものです。
主人公はただ学校で読書会をしていたという理由だけで中華民国政府に捕まり、一方的な裁判にかけられ、島に送られて、思想改造させられます。
「無頼伝涯」かよ。と思います。
仲間がどんどん死んでいく中で主人公は生き延び、十数年後解放されますが、その後も「前科持ち」として政府から嫌がらせを受ける生活を送ります。
あまりに理不尽で、自分の身に襲いかかると思うと恐ろしいです。
僕がマンガ家の真似事をしながらのほほんと生きていけるのも平和だからです。
戦争になったら僕もぶん殴られながら、穴掘りとかしないといけないのかもしれません。
最悪ですが、歴史上一度も自国として世界から認められたことがない台湾のマンガを読んでいると、翻弄されるのが一市民だよな。と思ったりもしました。
さのさくら
ベスト10、ランキングむずかしいので順不同でいかせてください!すみません!
路傍のフジイ
おもしろい!すごく静かなおもしろさだなーと思いました。この先の人生どうなるのかなーみたいな回で最後主人公たちを桜並木で取り囲むみたいに映してる回でちょっと泣きました。「解決はできないが寄り添うことはできる」というのはかなり大人として理想的な答えの一つだと思います。
光が死んだ夏
話題になっていてちょっと買ってみたら気づいたら全巻読んでました。1巻のラストでちいかわっぽいキャラクターのヘアピンをいたずらでつけるシーンでちょっと泣きました。本当にどうでもいい何気ない瞬間みたいなのがめちゃくちゃかけがけないシーンになってしまったんだと思ったからです。
読み返してたんですがやっぱり面白いです!改めて読み直すとこんなに情報量があったんだという感じです。「やらなければいけないこと」軸ではなく、キャラクターの感情とそれによる行動がビリヤードのようにぶつかり合うおもしろさなんだと思いました。感情の量が多いし、全員気も多いです。
銀太郎さんお頼み申す
着物マンガです。自分は着物の知識がなくて、かつ勉強的な作品がそこまで得意ではないんですが、これは主人公のさとりちゃんがかなり何も知らないペースで動いてくれて話を飲み込みやすいです。銀太郎さんがなんかハスキー犬のような神秘的な感じでうっとりします!
初めて読んだんですがめっちゃ面白かったです。線に熱い血が通ってる人だなー!と思いました。たぶんすごく複雑な展開をやっているんだけど、自然に読めてしまって、手腕を感じました。途中出てくるネギが105円で時代!!と思いました。
新刊出てよかったです!しかもなんかわりと「今」のとこに言及していてえーどうやって結論出すんだ…!と思いました。自分としては作品の中でキャラクターが持っている持論が突き通される場面ってまあそうかなと受け止めてしまうので、「昔は良かった」的流れでくるのかなと思い、まあそういう一面もあるよねで受け止めようと思ったらいやそういうカーブあるんだ〜!!と思いました。続き楽しみです。
えぶりでいホスト
めっちゃ面白かったです!OPをYouTubeで見て入ったのですが、それぞれのキャラがしっかり立っていて、強いなと思いました。掘り下げに伴ってさらにキャラクターを好きになれてよかったです。
惨劇館
読み返してたんですがやっぱり面白いです。コマやセリフが少ないと没入度が下がるのかも?と最近思ってたんですが、非常にスッキリした画面なのに妙ないびつさ、不穏さがあって、たぶん「残酷なことが起こること」へのワクワクを感じてしまっている自分を自覚しました。
もやしもん+(プラス)
また始まってうれしいです!沢木たちがあの時と変わらず生き生きしていてすごくうれしかったです。作品の終わりやキャラクターとのお別れは寂しいですが、作者さんの中にはその世界やキャラクターたちは変わらず在り続けるのかもしれない、と思えてうれしかったです。
モバイルいわし
『午前二時は食卓で』
コメディにも転がせる、でも全体的にどこかドライで、それがしっかり怖い、、みたいなホラーマンガって最近(最近?)よく見る気がして、その系譜なのですが、例えば「悪魔二世」とかが好きな人には響くんじゃないでしょうか!? あと絵柄が往年の少女マンガのようでかわいい! そう、絵がめっちゃ良いんです。あと百合です!! オススメです、、百合なので、、
『友達だった人 絹田みや作品集』
表題作、人間関係のほとんどすべてをTwitterのそれが占めている自分にとって、こんなおしゃれでシュッとした線で、めちゃくちゃTwitterの人間関係をやってくれていることが、何より嬉しいのであった。出てくる人たちも、めちゃくちゃおもろツイッタラーみたいなことではなく、ちょっとセンスあるね、くらいの人たちなのも共感できます。何様なんだ、、表題作以外も全部おもしろくて、かつ「今のマンガ」って感じがすごくします。オススメです、、
『アンチマン』
表題作、直球のアンフェのミソジニストが主人公の、正直気分の悪いマンガなんですけど、劇中には色々な転倒があり、色々な気持ちにさせてくれる素晴らしいマンガだなって思いました。こういうマンガこそ全員が読んだほうが良い気がします。全員というのは人類の全員です。人類の全員にオススメです、、
『野球・文明・エイリアン』
異世界?異星?転移しちゃった野球オタ女子と、その彼氏の理系男子のサバイバルSFなんだけど、生存の次くらいには「現地の異星人も巻き込んで野球をすること」が優先されてて、そこに何とも言えぬおかしみがあります。でもめちゃくちゃSFです。SF好きと野球好きにオススメです、、
『星野くん、したがって!』
これはけっこう変なマンガで、パーパー?という芸人さんのコントを元に描かれているのだそうです。なるほど漫才めいた軽妙なやり取りで、理不尽の限りを尽くす山田さんがとてもかわいい。そんな山田さんのキャラクターを愛でる作品でありつつ、でもキャラクターありきで描かれたマンガではなかなか踏み込めない部分にちょっと踏み入ってる感じの、山田さんのキャラクターがかわいいのでオススメです、、絵も良いです、、
2025マンガベスト その1(千葉ミドリ なか憲人 白井もも吉 みぞグミ絵璃 たいぼく lilbesh ramko 川辺素 研そうげん 岳本路朗 BIGLOVE 川口大泥棒 プイ イワシ 冨塚亮平 ねどころみつき)
みんなの2025年のマンガベストです。
いつものごとく新年過ぎての企画になってしまってすみません。
本当にみなさんありがとうございます。
敬称略の順不同。
その2以降のページはこちらから
千葉ミドリ
・みぞグミ絵璃「はなまるエントロピー」
去年の年末に読んで凄く面白かった。笑えて切ないところが好き。
・大山海さん 「力石持つ」
石を持ち上げる話が気づくと冒険譚になっていて凄い。1話の終わり方も面白かった。
・ZON「ニーハオ、おいしい東京日和。」
どの話も面白い。出てくるご飯が美味しそう。
なか憲人
https://x.com/tokuniaru/with_replies
二人(同人誌) 肥溜め
起きている出来事は結構荒唐無稽なんですが、死ぬときに人生で出会った人みんなにもう一度会いたい、という
ような誰しも一度は思う感覚の部分はすごく地に足ついており、不思議さと現実感を差し引いて
最後にひとかけらの明るさが残ります。残りました。名作。
周りの諸星大二郎好きな人たちも、長編の感想ってあんまり言わないなと思って気になって読みました。
それがめちゃくちゃ面白くて、なんだよみんなもっと言っててくれよと思いました。
冒険活劇であり、夢のような読後感もある。
今年初めて柴田ヨクサル作品を読んだのですが、とにかくフォントがでかい。多分漫画で可能な
一番大きいサイズだと思う。力強い言葉を、でかいフォントで届ける。極めてシンプルで、それが
本当にすごい。漫画というのはここまでいけるのか、という傑作。
ニンジャスレイヤー (コミカライズ)
ニンジャスレイヤーのコミカライズ、本当にすごい。最近は巻末にも「ニンジャスレイヤーという膨大な世界観に対して、コミカライズできる限界があるが、それでもできる範囲のことをします」というような説明がある。これは極めて才能のある作家たちの人生を賭したコミカライズです。私たちは人生で残りでできる量を計算した作家の最高の仕事を読み事が出来る。しあわせなことです。
白井もも吉
いだ天ふにすけ 終着点終着駅
人間を描く力が本当に素晴らしい、人間を煮詰めることが極まりすぎていて、短いセリフからもおまけマンガだとしてもどんなキャラクターか、漫画外でも生きている感じが感じられる、生活があるのが本当にカッコいい
桜壱バーゲン 毎日、病んでます
こういう漫画大好きすぎるのでもっと沢山読みたい
「売れっ子漫画家と鬱病漫画家」も好きで、こういう構図のもの無限に読めると思います
殺野高菜 ウリッコ
元々ネカフェに寝泊まりして売春してたら漫画読み放題だし漫画家なれんじゃね?と思っていて、そういう漫画が読みたいと思っていた。それを叶えてくれたありがたい素晴らしい漫画。キャラクターが嘘っぽく感じない。主人公が天才すぎない。天才すぎると白けたりするのでありがたい。2話読んだ時点で確実に面白かったので一気に2巻まで買ったのによく見たらまだ発売されてなくて2巻読めなくてブチギレた。
溺 英恵 売れっ子漫画家とうつ病漫画家
この漫画が本当に大好き。全てが面白く、いくらでも読みたい。毎秒連載して欲しい。「漫画には面白いイメージがあるから漫画の悪魔がいたらめっちゃ面白いだろうね」とマキマさんもこの漫画読んだ時言ってました。誰かに安全圏に囲われる展開が好きな上に鬱病の漫画家の体験談が好きなので、本当に好きなものが詰まりすぎていて最高すぎる🤩囲われ願望がある人は絶対に読んだほうがいいです。
たいぼく
読み切り
ライブアクション 鎌田樹
(まだ)友達でも恋人でもない関係が、平熱で描かれてる漫画って大好き
熱演 上田さかひら
このタイトルしかないってくらいの『熱演』が漫画表現を広く使って描かれてて嬉しい
アイボーイ 谷内太陽
日常会話の生活感と小気味良さとバトル描写のカッコ良さが両立してて他ない読み味
SLAPPY 小山ゆうじろう
連載もの
緑の予感たち
どの話も夢のようなのに確かに地に足ついた人の感情が描かれていて凄
宇宙不動産ほしの 稲井かおる
ギャグの会話が面白すぎます
限界OL霧切ギリ子
生活感に挟まれて突如現れる大きな湿度と感情!!セリフの量に対して読ませ易さが凄
サンキューピッチ
ゴーストフィクサーズ
今年じゃないかも、でもずっと面白いから……。
ガチャンキィ 下元朗
連載始まったばかりでまだまだどうなるか分からないものの絶対今後爆裂に面白くなります、王の血筋。
研そうげん
1.現象X
2.異世界サムライ
3.東京ヒゴロ
1.僕はその人の技術力の高さや研鑽を伺える丁寧な作品が大好きで、現象Xはその象徴だと感じました。キャラクターの持つカリスマ性は、まだ2巻しか出てない作品にも関わらず、まるで長年愛されてきた大ヒット作品のような風格。世界観をうまく使った物語の導入。読みやすい巧みなネーム。どれもが一級品です。
2.タイトルから敬遠していたのですが、いざ読んでみるとスッと読んでいける心地の良い作品。キャラクターがどれも可愛らしくてコンテンツ力に長けた作品だと感じました。グッズとかアニメ映えしそう。画力も高い。
3.恥ずかしながら松本大洋先生の作品を読んだのはこれが初めてですが、度肝を抜かれました。なんて暖かな作品。それでいて静かな創作への熱量を感じます。絵やセリフ回しにくせはありますが、ネームやキャラクターは現代的。そりゃ松本大洋フォロワーが多いわけだ。僕にとって漫画とは何かともう一度考えさせられるそんな作品でした。
イワシ
THE POOL(桜井画門)
アクション描写もさることながら、伏線やミスリードを適宜に配して前進させていくストーリーテリングは『亜人』でも見受けられたが(ミステリ作家の青崎有吾が特殊設定ミステリとして絶賛してる)一巻完結な分かなり濃厚に。
彼岸花(青色ひよこ)
メインストリームの漫画にはない強烈な陰影の画面。オルタナMANGAを名乗るだけあってチャールズ・バーンズや『フロム・ヘル』を思い出す。
「「美」って漢字…/羊に大きいって書くじゃん/大きい羊って/生け贄だよ」
店内ご利用ですか?(蚊帳りく)
暗さよりも明るさを描いた現代日本の都市部の表現がちゃんとテーマとマッチしてて良かった。ノベルゲームのモチーフをうまく利用していて、加害者の匿名性がバグとして表現してるのも迫力があった。40ページ、痴漢被害に遭った主人公の疲弊と諦観が極端に細分化されていくコマ割りで表現されていくのもしんどい。
生活マン(原作:南田冬 漫画:あやき)
X(旧Twitter)に原作者が投稿していたときからファンだったが、作画がついたことで画面のディテールと生活マンの異物感がグッと増した。第6話14ページの帰宅がてらのパトロールで夜道を歩く生活マンの背中を描いたコマが抜群。「店内ご利用ですか?」の街にもいてくれ。
伴天連怪談(三木有)
切支丹とエクソシズムというそこを繋げるのかという驚き。庵藤如のひらがなによる横書きのフキダシは文字としては認識できるけど言葉としての意味がわからないぶん、第4話の横書き漢字の悪魔祓いの呪文のフキダシが1ページに圧縮されたときの外連味が凄い。
川口大泥棒
らーめん再遊記
Kindleで小林秀雄を読む芹沢。ラーメンの話しかしていないのに、同時に純な形式で批評とは何か、をやっていてすごい。円熟したラーメンハゲカッケーとか思ってるとちゃんとサービス老害ムーブかましてくれるとこも好きです。長生きしてね。
緑の予感たち
言わずもがな!今年一番人に配った本でもあります。
バルバロ!
最高〜!2025ベストです。
それぞれがそれぞれのやり方で自分を理解し、世界を愛するために善くあろうとしていて元気が出ます。スピノザのいうところの倫理的な生がここには、ある!
風俗嬢としてみい山の一面的なわかりやすい物語化にブチ切れていたところだったのですが、そうではないまなざしが存在することに大変救われました。がんばるぞー。
カニカニレボリューション
バンドデシネ。今年読んだら昔のでも入れていいらしい。横方向にしか移動できないカニの種族が革命を起こしたりなんだりする話。革命後の世界もふくめて、フランス式の特大エンタメって感じでたのしいです。
こしふりワンワン!
人間の組み合わせの数だけセックスがある。
BIGLOVE
河部真道『斬首』
2025年最後の衝撃でした。『鬼ゴロシ』で研ぎ澄まされた表現力が爆発している。
メグマイルランド『怪獣』
🦖ZINE『怪獣と棕櫚』🌴
— サイトウマド (@saimatu3110) 2025年12月2日
この度、メグマイルランド先生と秘密結社・鯨鯢社(げいげいしゃ)を結成し、鯨鯢ZINE『怪獣と棕櫚』を刊行します。
12月14日ZINEフェス大阪
2月の東京コミティア
で販売の後、古本屋YOMS店頭と通販を行う予定です。
何卒宜しくお願い致します! pic.twitter.com/4Zn9i0TpXD
出産系かなと思いながら読んでいたら、悍ましさすら感じる悪夢のようなページの連続に震える。「怪獣」というキーワードからこの作品が出てくるのが格好良い。
里山いっこく『尻デカ大名、江戸へ往く』
突如ジャンプ+に現れた上質な参勤交代ギャグ漫画。里山いっこく何者なんだ。
えれまどか『えびすこ!』
自信を失ってしまった主人公の成長という軸はありつつも、力士という特異な業界に生きる人間達の逡巡や懊悩を丁寧に描いた素晴らしい漫画でした。絵が非常に上手い。
温泉中也『現象X 超常現象捜査録』
海外ドラマっぽいソリッドな、かつ質の高い話が毎話毎話読める。
冨塚亮平
久しぶりに読んだ桜玉吉といましろたかしが以前よりだいぶ身に染みるようになっており、いよいよ中年になったのだと実感した一年。たいして読んでいない中からですが・・・。順不同。
・いがらしみきお『人間一生図巻』
新刊を必ずチェックしている数少ない漫画家の一人。笑いと恐怖の境界という意味でも、各キャラとの距離感という点でも過去作の延長線上にありつつも、同時に単に枯れたとかでは済ませられない域に到達しつつもあるのでは。ものすごく突き放しつつもそれぞれの生と死を平等に見つめ続ける神のような目。
漫画じゃないですが、近年だと再版された『IMONをつくる』やイ・ランとの往復書簡『何卒よろしくお願いいたします』なども素晴らしかったです。
・サイトウマド『解剖、幽霊、密室』
なぜ買ったのか全く覚えていないがkindleセールの折に購入。各作品の参照元リストが載っている構成も邪魔にはなっていないし、逆に元ネタがわかっていようが楽しめる形に落とし込まれているとも言えるか。
「複層住戸」は清原惟『わたしたちの家』あたりを思わせる空間の捉え方が面白かったが、参考にしたのはキェシロフスキだとか。クライマックスの空間をまたぐぶん投げアクションが決まっていた。「怪獣を解剖する」。短編の時点ではアイディア先行という感じもあったが、あわせて読んだ同名長編の方はゴジラとファーストコンタクトものSFを中心に微生物ネタも交えつつ震災以降をいま正面からもう一回描こうとする骨太な傑作に仕上がっていた。リサーチの活かし方や過去作への敬意には主人公の姿勢と重なる部分もあるような。「天井裏に誰かがいる」、これも空間の捉え方に惹かれた。スマホカメラの使い方やベタな大ネタの放り込み方にも好感。『インターステラー』丸出しの最高な空間またぎアクションは佐々木友輔・杵島和泉『ファントムライダーズ2』にも似たものが出てきた。公開から10年以上たって同時多発的に日本で引用される不思議。
・アラン・ムーア Lost Girls
そもそも漫画の括りでいいのか問題はあるけど気にせず。年初に『ネオノミコン』邦訳完結を記念して柳下毅一郎氏の講演会を企画した際に久々にムーア作品をまとめ読みするなかではじめて読んだ。リゾート地で偶然出会った大人になったアリス、『オズ』のドロシー、『ピーターパン』のウェンディが集まって過去の性体験について赤裸々に語り合うという体のハードコアポルノ。それらの文学のパロディネタもすさまじいのだが、作画Melinda Gebbieがミュシャやエゴン・シーレの絵柄を完コピしつつ登場人物にあんなことやらこんなことやらをさせる、田中圭一ハイカルチャー版といった趣のパートには唖然。
プイ
●あむ『澱の中』
アイカツ同人誌や、初の商業連載『私が15歳ではなくなっても。』にて、非モテ男性の拗らせ具合をあまりにも鋭く描いてしまったあむ先生が、遂にメジャー誌で連載獲得。内容は何と言いますか、マンガ版『NHKにようこそ!』のハイパーセルフプレジャーを笑えないホラーにした感じというか…未見の人にはあまり先入観を持たずに見て欲しい作品です。ていうか来週が最終回!
●南賀なん『999号室』
月刊スピリッツで突然始まった作画コストがスゴいSF団地マンガ。コレ系で目立つ作品は、派手な看護婦先生の『団地魔女』以来なので期待しています。1話のインパクトを今後超えていくことができるか。
●◯んこクン『男の娘って言われるのが嫌い!な男の娘がしっかりと男の娘だって分からされる本』
DLエロ同人作品。エロマンガではメジャーなモチーフである「男の娘」を、単にお約束的に使うのではなく深く掘り下げて、エゲツない凌辱マンガに構成している点が新人らしからぬ上手さを感じさせてナイスです。多彩なエロ表情や派手なアクションが効いたフィジカルな凌辱描写、凝った展開や目立つセリフ使いがもたらす精神的な凌辱描写、どちらも上手いのには驚きます。
lilbesh ramko
・CITY
アニメ化もされました。一度完結していたのですが、アニメ化の流れ?で復活したみたいでその流れでもう一度読みました。
ストーリーも大好きなのですが、とにかく絵が好きすぎます……。アニメも最高でした…。
訳あって入院をしていた時に(現在は完治しました!)、めちゃくちゃ読んだ作品。織部の顔が面白すぎる。当時の殺伐とした雰囲気がめちゃコミカルに描かれていて逆に入り込んでしまいました。
・飛野さんのバカ
最終巻が出ましたね。大好きです。読んでください。筋肉☆太郎先生、本当にお疲れ様でした!ありがとう!!
川辺素
「路傍のフジイ」
SNSの広告で出てきたものを最近なんとなしに読んでみることが増えたのですが、その中でどハマりしたのはこれ。生活してるといくらでも露悪的なものが目に入ってくるけど、こういう良い人が世の中には沢山いるのを俺も知ってるよ...という気持ちで目頭が熱くなります。話題作だったと知って嬉しい気持ちになりました
「じゃあ、あんたが作ってみろよ」
各マンガサイトやアプリで1巻無料みたいな漫画をとりあえず読み散らしているのですが、面白くて一気に読み進めました。後悔でブーストされる人生の進め方(むしろ生き直し?)は順当にそうしてきた人のものとは違う気づきに満ちているのが漫画になってて面白いです。ドラマ化されたのを今更知りました。
「復讐が足りない」
冬野さんの今までの作品は自分の嫌な部分を思い出してゾワゾワしながら読んでました。今回も前作までの延長線上にあると思ってたら様子がおかしいので、一気に怖くなりました。続きが気になりソワソワするので早く完結してほしいです。
前まではちゃんと読もう!みたいな気持ちだったので、数年そんな余裕がなく漫画からしばらく遠ざかっていましたが、最近は雑に読めるようになって量が増えた気がします。上にあげた3つ以外で楽しみにしてるのは「壇蜜」です。去年、ジョジョリオン、ONE PIECE、ダンジョン飯を全巻まとめ買いしたのですが読み切れておらず、今年は進めたいなと思っております。
みぞグミ絵璃
『婚活バトルフィールド37』⑥ 猪熊ことり
第1話掲載からずっと追いかけていたので完結してしまって淋しいですが、本当にいい作品でした。
笑いあり涙あり、読み応え充分です。
本当にめちゃくちゃ笑ったしめちゃくちゃ泣きました。
こんな恋愛(なのか?)も婚活も見たことがない、本当にかけがえのない漫画です。
肝要なシーンの登場人物たちの表情がいつもすごくよくて、ドキッとさせられます。
『北国ゆらゆら紀行』② ながらりょうこ
絵とトーンワークがかなり好きです。
私は北海道という土地に憧れがあるので、北海道の暮らしが読めるのがうれしい。
『母さんの第2巻』宮尾岳
夢中になって最後まで読み切りました。
読ませる力がすごくて、「ここ!」というシーンの臨場感もすごい。
登場人物たちの飾らない心の動きがビシビシ伝わってきます。
『ボールアンドチェイン』④ 南Q太
登場人物のあやさんが自分のセクシャリティに気がついた時のモノローグがとてもよくて、心が震えました。
あと、おでん屋さんのある町っていいな~うらやましいな~と感じます。
そういう作品世界の生活感も好きです。
『初老の娘と老母と老猫 再同居物語』② 松本英子
松本英子さんのお母さまと私の祖母がほぼ同じ年齢なので、病院に同行する話や日常の些細なやり取りが自分の日常と少し重なって、描写の一つひとつがしみじみとよかったです。
ここで完結なのは淋しいです。
まだまだ読んでいたかった。
岳本路朗
千葉ミドリ「エコー」
11/26のコミティア154に参加します🦆
— .チバ (@chibamidori_) 2025年11月19日
スペース「き14a 天ぷらそば」
A5サイズで500円です。
30pの漫画と5pのおまけの漫画が載っています!よろしくお願いします〜 pic.twitter.com/Lgoifngrr2
藤井夏子「明るくなるまで待って」
ねどころみつき
『どくだみの花咲くころ』 城戸志保
「癇癪持ちの少年と同級生の優等生が仲良くなる物語」と聞くと、いわゆるケア的な漫画を想像する方も多いかもしれません。しかし本作は、優等生である少年の思考も読者から見ても危うい部分があり、会話には常に緊張感が漂っています。
癇癪持ちの少年の言動・行動は実例を知らなくても「本当に居るんだろうな、こういう子」と思わせられるリアリティがあり、ハラハラしたやり取りが続きます。
予想を裏切り続ける2人の反応や、一見日常的なのに、不穏さが抜けない構成が読んでいて飽きさせない魅力となっている気がします。
『若草同盟』 新田章
新田章先生は『恋のツキ』や、『あそびあい』等(個人的に)読んでいてしんどくなる性愛を描かれる作家さんですが、今回の若草同盟は生きづらい2人のパートナーが寄り添い合う話となっています。
とは言っても、こちらの作品も単なる「優しい物語」に終始せず、悪意を持った人物等が次々登場します。
ですが、過剰で誇張された嫌味描写ではなくありそうなラインの嫌悪感を伴って描かれているため、ズサズサと刺さる一方で、描写力と頑張る主人公のポジティブさで物語に引き込まれます。
そして、特筆すべきはコマ割りのテンポ感です。
日常背景や身体のアップ、映像的で緩やかな時間軸を感じさせるコマ割りが多いため、パラパラと読んだらのんびり日常系漫画と見紛うかもしれません。
主人公たちであるカイロさんとムーさんを応援したくなります。
『みいちゃんと山田さん』亜月ねね
インターネットで露悪的な側面ばかり注目されがちですが、漫画として好きなので今回紹介させて頂きます。
(※内容に関しては知能に幼さの残るみいちゃんが乱暴に扱われる描写が多く、そのような作品が苦手な方にはお勧めできません。ネタバレもあるので注意。)
本作は描写力やキャラクター描写がかなり緻密です。
主人公である山田さんは観察者であり、一見常識人のようですが、花火の話になった時周りの空気を読まず喋る等、空気が読めなかったり、みいちゃんに対する関心は殆ど分析的だったりと彼女自体にも欠陥があることが示唆されています。対照的なのが、最初から嫌味な女性として描かれている、サブキャラクターのモモさんです。
26話の過去編を経て空気を読み、人を観察しなければやっていけなかった事が分かりキャラクターごとの差異に納得感が生まれています。
コマ割りに関しても、スマホで読みやすい構成でありながら、その上で、読んでいて大変心地の良いリズムで描写されています。
20話ではみいちゃんのデリバリーの性的シーンにて、男の不快な表情、汽車のビジュアル、どんどん大きくなっていく汽笛の擬音とフィニッシュを重ね合わせることで、2人の幼児性や不気味さを表現しており、演出力も際立った作品です。
─────────
『アンダー3』 榎本俊二
『ザ・キンクス』に関しては、紹介する方も多いかなと思ったので、今回はこちらを挙げさせていただきます。
『えの素』と比べると生理的不快要素は薄いですが、ド直球下ネタオンリー。
毎回数ページで終わる漫画なので、1ページ8コマ〜12コマとギチギチの密度で描かれています。
そのため『ザ・キンクス』とは違い日常シーンから大コマや見開きで驚かせる様な描き方ではないのですが、計算し尽くされた視線誘導やコマ配置によって、読んでいてまるで音楽を聴いてテンポに身を委ねているかのような気持ちになります。
どうしたらこんなポーズ思いつくんだろうというくらいキャラクターは予測不可能な躍動を繰り返し、視線は自然に次のコマに吸い込まれていく感覚になると思います。
よほど下ネタが苦手でなければ気楽な気持ちで読めるかな、など。
元風俗嬢のちひろさんがお弁当屋さんで働く物語。ボールペンで作画された、独特の震えがある描線がとても魅力的です。
繊細な人間関係とちひろさんからの鋭い観察がメイン作品となっています。
ちひろさんはいつ消えるか分からない自由人的な存在として描かれており「もしかして最終回か?」と思わせられる余韻が何度も繰り返され、続いていきます。
ちひろさんの風俗嬢時代を描いた前日譚にあたる漫画『ちひろ』も併せておすすめです。
こちらはだいぶ題材的にも描写的にもセンシティブなシーンが多いですが。
『還暦姫』 奥浩哉
こちら、新連載なのですがすでに1話を何回も読み返しているため紹介させていただきます。
1話ドネタバレです。
還暦近い男たちが、シェアハウスで『ビューティフル・ドリーマー』を鑑賞するシーンから物語は始まります。
そこで挟まれる本物の映像のシーンは劇中の核心的な場面で、六人の男たちの過剰すぎない、嬉しそうな。感動しているような。
絶妙な表情でオタク達の熱量が伝わり、序盤わずか4ページに彼等の人生が凝縮されているかのように感じられます。
アニメの画面を手書きにせず、コラージュとした判断は是非を問われそうですが、彼等の感動と接続するには不可欠な演出だったと思います。
テレビの画面が手書きのラムちゃんだったらこの感情は生まれなかったかもしれません。
後半シーンのまこっちゃん、ゴッさんの
「ええよなぁみんな大学のときは、彼女おったんやもんな。」
「いや......何十年前だよ......一緒だってみんな......」
この短い会話だけで破壊力がすごいです。
自分はまだその齢には達していないので分からない領域ではあるのですが、それでもきっと本当に、みんなからしたらそうなんだろう。
そう思うようになるんだろう。
彼らだけで過ごす日々はそれなりに幸福そうなのに、それでも破滅の予感しかない、性転換した女の子を求める姿。
続きが一体どうなるのか、気になって仕方ないと同時に先が怖い作品です。
『毎日、病んでます』 桜壱バーゲン
年末付近にすごい読切きた!!!
桜壱バーゲン先生は『漫画ルポ 中年童貞』『男のいない女たち』『変身』など素晴らしくシニカルでギャグなのかなんなのかもわからない独自の漫画を描く、個人的に大好きな作家さんの1人なのですが、この作品は持ち込みシーンはいつものシニカルな先生節全開ですがそのほかのシーンは全て愛で構成されています。
先生のここまで素直に最初から最後まで可愛く描かれた女性初めてみた......。
本当に奥様を愛していらっしゃるのだなと、奥様の写真を見て感じました。そっくりだしかつ愛らしく描かれていて、なんか読む度に泣けてきました。
ラストのページが美しいです。
連載決まって欲しいです。
以下は雑感想で他に良かった漫画。
『東京最低最悪最高!』鳥トマト
(10話良すぎる!鳥トマト先生の作品は幻滅カメラから大好きだった。EDがどの作品も綺麗にまとまっている。)
『復讐が足りない』冬野梅子
(この解像度で人間描き続けれるの一体どうなってるんだろう。最近昔話題になった『普通の人でいいのに!』読み返したら当時よりも主人公のことがわかる様になってて怖かった。)
『ヘンカイパン』エルド吉水
(最初の6P全部の画面がすごい。それだけで勧めたくなる。)
『殺人28号』丸尾末広
(また新連載ですみません!断頭台から始まる漫画なの迫力ある。『少女椿』っぽさもあるけど、そっちよりもう少し昭和レトロ感。モノクロ邦画観てる気持ちになって面白い。エノケンとか出てくるし。続きが楽しみ。)
2025年やったこと

自分でも忘れそうなのでまとめておきます。
・漫画編
ガンガンジョーカー7月号 ガストログラトニィ
出てます。楽しい大食いの漫画なので読んでください。 https://t.co/xhJZ3dc999
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年6月20日
かなり好き勝手書かせていただいて、かつ編集さんが自分らの意図を汲んでくださり大変助かりました。今、連載に向けて頑張ってます。
シャ山先生のこの告知絵、やっぱりめちゃくちゃカッコいいですね。
不死デスク ザジvol.3 不死デスクまとめ本
いよいよ明日ですね!お品書きです!よろしくお願いします!新作2作あります!! #COMITIA151 pic.twitter.com/1Vl8I6OMxz
— 井戸畑机 (@batabatatsukue) 2025年2月15日
不死デスクの方でまとめ本、ザジvol.3で新作を載せました。来年(?)はモリモリ新作を発表する予定です。こちらも頑張ってゆきたい。
リサショのつどいのつどい2
同人誌リサショのつどいのイベント第二弾を阿佐ヶ谷ロフトで開きました。
『リサショのつどいのつどい』
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年7月13日
今年もやります!!!!!! https://t.co/yISy8TaSlS
マニアックすぎるサンリオおもちゃを話す神田さん、変形トランスフォーマーおもちゃを変形させ続ける枦山くんに、独特なツッコミを続ける池袋不敗先生などの姿が忘れがたい。
・MV編
lilbesh ramko - haikai:pop
haikai:pop、AAAnimation pic.twitter.com/FpVsxabki8
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年1月21日
ramkoさんのhaikai:popのMVが出ました。
中野でいち先生らに描いてもらったAAAnimetionが気に入ってます。
反省点も山ほどあるのですが(ゴキブリ型のマイクロカメラみたいなので『妖怪ハンター』みたいにしたかった、やっぱり夜の校内でマイクロドローン飛ばしたかった、ぽリッドスクリーンもっとちゃんと撮りたかったetc…)、作っていて楽しかった記憶しかないです。
撮影した学校スタジオの人から様々な他のアーティストの撮影事情を聞けたのもありがたかった。
公開後、そこそこバズって渋谷の街頭でデカデカとしばらく流れていたり、のちに知り合った人らにこれで認知されていたり、エゴサすると「クラスのみんなで見てる!」みたいなキッズの呟きだったり、改めてramkoさんの凄みと影響力を感じました。
GOLDDISCのわちゃわちゃした部室みたいな楽屋で、ステージモニターを見ていたLanPageのyacaくんが「こんなん劇場版lilbesh ramkoじゃないすかぁ‥」って呟いてたのが一番嬉しかった。
Tyrkouaz - REBOOOOT
YYGNTLABでdirしました。編集とても楽しかったです。 https://t.co/mRXWvDzbKp
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年5月14日
宇宙戦艦の操縦席みたいな、初めてのボリュメトリック撮影。
きょうはまたひとつド派手撮影だった。 pic.twitter.com/7Gn0NiEu00
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年4月12日
さらにそこに錦糸町を走り回りの撮影と、一日で撮ったとは思えないボリューム感となって、自分らで言うのもなんですが、予算とスケジュール感的にもかなりすごい方ではないでしょうか。
直前にAggro Dr1ftをみんなで見に行って、なんとなく影響を受けている。いつか普通にスケボービデオ撮りたい。ラリー・クラークが50歳でスケボー始めたニュースに勇気をもらった。
ROAR, 4s4ki, Drux, pradaaslife, Sg Lily, カナミル - HAPPY RAVE PARTY 2025(Prod. by Gigandect)
\ NEW RELEASE /
— 4s4ki_staff ⁑⁑ official ⁑⁑ (@4s4ki_staff) 2025年6月26日
2025.6.27(Fri)
ROAR, 4s4ki, Drux, pradaaslife, Sg Lily, カナミル
『HAPPY RAVE PARTY 2025』
Prod. by Gigandect
DL/Streaming :https://t.co/GN6OzZLs6u
🛸Music Video公開🛸https://t.co/1H7yyAsJlO
MV Director : @YYG_NT_LAB
YYG NT Lab(fudino yamai, kazuma… pic.twitter.com/ZdSXKh7naS
久々にたくさんフィルム撮影できて楽しかったです。 pic.twitter.com/PNHoSk6WSE
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年6月26日
群馬を金井くんの案内のもと、ひたすら散策し、街撮り撮影させ、さらにUFO合成と好き勝手やらせていただきました。編集作業を男性3人のみで入れる歌舞伎町のラブホテルで、ジークアクスを見ながら朝までガーーっとやったのが、思い出です。
大体良い撮影は川上さわさんの撮影によるものです。本当に助かりました。
山の頂上で撮影後のカメラ本体をなぜか無くし(!)、完全に半泣きになりながら暗い草むらを探していたところカナミルさんが、「大丈夫ですか!手伝いますよ!」と駆けつけてくれて涙が出るほどありがたかった(結局、カメラは車内から出てきた)。
本当に今年一番肝が冷えた瞬間だった。そんなときでも冷静な金井くんがカッコ良かった。
ギガデクさんはずっと車内でジークアクスの話をしていたけど、誰も見ておらず、ROARさんらはBLEACHの話で盛り上がっており、世間との壁を猛烈に感じた。しかし、俺もジークアクスの話をしたい、と思いながら撮影準備してました。
たぶん、夢
『たぶん、夢』 とびうおのたまご
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年7月7日
YYG NT Labでdir.しました。 pic.twitter.com/T3WHnhzfmC
チームを組んでボカロ曲とMVを作る、ボカデュオに初参加しました。参加者の若さにビビり散らかしながら、こんな感じでどうでしょうかと白昼夢っぽいイメージでワイワイ作りました。文化祭みたいで楽しかった。青春の揺り戻し。
のこさんの全体ディレクションが見事すぎて惚れ惚れしました。塩田の『害虫』みたいな怪文書くださいって言ったら即座に送ってくれて、シビれるほど嬉しかった。
ずっと前から顔が最高だ、、と思っていた友人になんとしてもMVに出てもらいたく、その友人と一緒にライブに行って、バンドの転換と転換の、少しの沈黙の間に「あの…今度MV出てください!」と、ために溜めて頭を下げてドキドキしながら言ったら快諾されて、本当に嬉しかった。完全に今日好きの告白シーンだった。
KUROMI 「OHIRUNE DAY DREAM」
考える今も pic.twitter.com/u6jkFApjgH
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年8月28日
大変だった。
・その他お仕事・お手伝い
somunia - Special Mini Live "reverie"
撮影と編集のみ。これもほぼ徹夜でみんなでワイワイしながら編集作業したのが良かった。作業にあたって、映像のリズム感を次から次へ的確に明瞭にしていくヤカくんの言語化力がとんでもなかった。尊敬しかない。
peach peach peachレコーディング密着
タカタ先輩のティーンエイジ・ファンクラブ小話が全部面白かった https://t.co/C87eLNXoMh
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年12月3日
peach peach peachのお二人+誰かをスタジオに招いてレコーディングをする様子をドキュメンタリー風に撮影する試みをやっています。この試み、続いて色んなアーティストとコラボしていくのが楽しみです。
何より、目の前でふっと「うた」が生まれていくまさにその瞬間を捉えるという作業がとてもスリリングで目の前で見ていて楽しいです。
北九州 伊藤高志ワークショップ
田川市での伊藤高志ワークショップに参加すべく、はるばる来九‥。
展示自体もアクティブかつ、鑑賞者をその場で実作者にするものばかりで大変素晴らしかった。
なろうコーナーっていう強制コマ撮り人間育成コーナーよかった。 pic.twitter.com/nVhf693tyJ
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年4月29日
ワークショップでは全員の作品の寸評会まであって大満足でした。お手本の伊藤高志作品の緻密さが改めて身に染みる。
伊藤高志のワークショップをやると聞いて、この北九州まで即座に駆けつける人たち全員と友達になりたかった。
船デカすぎて壁かと思った pic.twitter.com/NjEnBWJMoX
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年4月30日
北九州までは船で行ったのだけど、船上サウナに、映画館に、プラネタリウムとレクリエーションが多くて楽しいだけに一人旅が身に染みてめちゃくちゃ寂しかった。
春原ハルアさんインタビュー
インタビューさせていただきました🙏
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年5月24日
倍速視聴タカ派の春原さんは会話にも速度があって興奮しました。 https://t.co/Fec1k65weE
倍速視聴について普段から一家言あった春原ハルアさんにインタビュー。今年の数少ない映画関係仕事だったのですが、めちゃくちゃ楽しかった。
春原さんには真剣な映画レビューなどもぜひやってほしい。
園さんメイキング撮影
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年6月3日
度々お世話になっている巡宙艦ボンタ先生のこだわりのメイキング動画作成のさらにメイキング撮影ということで色々お手伝い。
新宿から渋谷をエルフ姿で練り歩く園凛さんの佇まいはとにかく堂々として覇気があった。
その他
バーで働き始めたんですが、いい感じのバーなのに誰も来ないととても寂しいです。
特に知り合いが来てもお金をもらえるとかはないので安心して(?)みなさんお気軽にゆっくりしに来てください。というか来る人全員に中国茶を振る舞うのがマイブーム。
お気軽にDMしたりしてもらえると嬉しいです。
2025年やったこと
自分でも忘れそうなのでまとめておきます。
・漫画編
ガンガンジョーカー7月号 ガストログラトニィ
出てます。楽しい大食いの漫画なので読んでください。 https://t.co/xhJZ3dc999
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年6月20日
かなり好き勝手書かせていただいて、かつ編集さんが自分らの意図を汲んでくださり大変助かりました。今、連載に向けて頑張ってます。
シャ山先生のこの告知絵、やっぱりめちゃくちゃカッコいいですね。
不死デスク ザジvol.3 不死デスクまとめ本
いよいよ明日ですね!お品書きです!よろしくお願いします!新作2作あります!! #COMITIA151 pic.twitter.com/1Vl8I6OMxz
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不死デスクの方でまとめ本、ザジvol.3で新作を載せました。来年(?)はモリモリ新作を発表する予定です。こちらも頑張ってゆきたい。
リサショのつどいのつどい2
同人誌リサショのつどいのイベント第二弾を阿佐ヶ谷ロフトで開きました。
『リサショのつどいのつどい』
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今年もやります!!!!!! https://t.co/yISy8TaSlS
マニアックすぎるサンリオおもちゃを話す神田さん、変形トランスフォーマーおもちゃを変形させ続ける枦山くんに、独特なツッコミを続ける池袋不敗先生などの姿が忘れがたい。
・MV編
lilbesh ramko - haikai:pop
haikai:pop、AAAnimation pic.twitter.com/FpVsxabki8
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ramkoさんのhaikai:popのMVが出ました。
中野でいち先生らに描いてもらったAAAnimetionが気に入ってます。
反省点も山ほどあるのですが(ゴキブリ型のマイクロカメラみたいなので『妖怪ハンター』みたいにしたかった、やっぱり夜の校内でマイクロドローン飛ばしたかった、ぽリッドスクリーンもっとちゃんと撮りたかったetc…)、作っていて楽しかった記憶しかないです。
撮影した学校スタジオの人から様々な他のアーティストの撮影事情を聞けたのもありがたかった。
公開後、そこそこバズって渋谷の街頭でデカデカとしばらく流れていたり、のちに知り合った人らにこれで認知されていたり、エゴサすると「クラスのみんなで見てる!」みたいなキッズの呟きだったり、改めてramkoさんの凄みと影響力を感じました。
GOLDDISCのわちゃわちゃした部室みたいな楽屋で、ステージモニターを見ていたLanPageのyacaくんが「こんなん劇場版lilbesh ramkoじゃないすかぁ‥」って呟いてたのが一番嬉しかった。
Tyrkouaz - REBOOOOT
YYGNTLABでdirしました。編集とても楽しかったです。 https://t.co/mRXWvDzbKp
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宇宙戦艦の操縦席みたいな、初めてのボリュメトリック撮影。
きょうはまたひとつド派手撮影だった。 pic.twitter.com/7Gn0NiEu00
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さらにそこに錦糸町を走り回りの撮影と、一日で撮ったとは思えないボリューム感となって、自分らで言うのもなんですが、予算とスケジュール感的にもかなりすごい方ではないでしょうか。
直前にAggro Dr1ftをみんなで見に行って、なんとなく影響を受けている。いつか普通にスケボービデオ撮りたい。ラリー・クラークが50歳でスケボー始めたニュースに勇気をもらった。
ROAR, 4s4ki, Drux, pradaaslife, Sg Lily, カナミル - HAPPY RAVE PARTY 2025(Prod. by Gigandect)
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2025.6.27(Fri)
ROAR, 4s4ki, Drux, pradaaslife, Sg Lily, カナミル
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久々にたくさんフィルム撮影できて楽しかったです。 pic.twitter.com/PNHoSk6WSE
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群馬を金井くんの案内のもと、ひたすら散策し、街撮り撮影させ、さらにUFO合成と好き勝手やらせていただきました。編集作業を男性3人のみで入れる歌舞伎町のラブホテルで、ジークアクスを見ながら朝までガーーっとやったのが、思い出です。
大体良い撮影は川上さわさんの撮影によるものです。本当に助かりました。
山の頂上で撮影後のカメラ本体をなぜか無くし(!)、完全に半泣きになりながら暗い草むらを探していたところカナミルさんが、「大丈夫ですか!手伝いますよ!」と駆けつけてくれて涙が出るほどありがたかった(結局、カメラは車内から出てきた)。
本当に今年一番肝が冷えた瞬間だった。そんなときでも冷静な金井くんがカッコ良かった。
ギガデクさんはずっと車内でジークアクスの話をしていたけど、誰も見ておらず、ROARさんらはBLEACHの話で盛り上がっており、世間との壁を猛烈に感じた。しかし、俺もジークアクスの話をしたい、と思いながら撮影準備してました。
たぶん、夢
『たぶん、夢』 とびうおのたまご
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チームを組んでボカロ曲とMVを作る、ボカデュオに初参加しました。参加者の若さにビビり散らかしながら、こんな感じでどうでしょうかと白昼夢っぽいイメージでワイワイ作りました。文化祭みたいで楽しかった。青春の揺り戻し。
のこさんの全体ディレクションが見事すぎて惚れ惚れしました。塩田の『害虫』みたいな怪文書くださいって言ったら即座に送ってくれて、シビれるほど嬉しかった。
ずっと前から顔が最高だ、、と思っていた友人になんとしてもMVに出てもらいたく、その友人と一緒にライブに行って、バンドの転換と転換の、少しの沈黙の間に「あの…今度MV出てください!」と、ために溜めて頭を下げてドキドキしながら言ったら快諾されて、本当に嬉しかった。完全に今日好きの告白シーンだった。
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大変だった。
・その他お仕事・お手伝い
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撮影と編集のみ。これもほぼ徹夜でみんなでワイワイしながら編集作業したのが良かった。作業にあたって、映像のリズム感を次から次へ的確に明瞭にしていくヤカくんの言語化力がとんでもなかった。尊敬しかない。
peach peach peachレコーディング密着
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peach peach peachのお二人+誰かをスタジオに招いてレコーディングをする様子をドキュメンタリー風に撮影する試みをやっています。この試み、続いて色んなアーティストとコラボしていくのが楽しみです。
何より、目の前でふっと「うた」が生まれていくまさにその瞬間を捉えるという作業がとてもスリリングで目の前で見ていて楽しいです。
北九州 伊藤高志ワークショップ
田川市での伊藤高志ワークショップに参加すべく、はるばる来九‥。
展示自体もアクティブかつ、鑑賞者をその場で実作者にするものばかりで大変素晴らしかった。
なろうコーナーっていう強制コマ撮り人間育成コーナーよかった。 pic.twitter.com/nVhf693tyJ
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ワークショップでは全員の作品の寸評会まであって大満足でした。お手本の伊藤高志作品の緻密さが改めて身に染みる。
伊藤高志のワークショップをやると聞いて、この北九州まで即座に駆けつける人たち全員と友達になりたかった。
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北九州までは船で行ったのだけど、船上サウナに、映画館に、プラネタリウムとレクリエーションが多くて楽しいだけに一人旅が身に染みてめちゃくちゃ寂しかった。
春原ハルアさんインタビュー
インタビューさせていただきました🙏
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年5月24日
倍速視聴タカ派の春原さんは会話にも速度があって興奮しました。 https://t.co/Fec1k65weE
倍速視聴について普段から一家言あった春原ハルアさんにインタビュー。今年の数少ない映画関係仕事だったのですが、めちゃくちゃ楽しかった。
春原さんには真剣な映画レビューなどもぜひやってほしい。
園さんメイキング撮影
— fudino_ya_mai (@gagaga21480621) 2025年6月3日
度々お世話になっている巡宙艦ボンタ先生のこだわりのメイキング動画作成のさらにメイキング撮影ということで色々お手伝い。新宿から渋谷をエルフ姿で練り歩く園凛さんの佇まいはとにかく堂々として覇気があった。
その他
バーで働き始めたんですが、いい感じのバーなのに誰も来ないととても寂しいです。
特に知り合いが来てもお金をもらえるとかはないので安心して(?)みなさんお気軽にゆっくりしに来てください。というか来る人全員に中国茶を振る舞うのがマイブーム。
お気軽にDMしたりしてもらえると嬉しいです。
撮影日誌(REBOOOOT)
「思い出で張り切ったり、思い出にヤキモチやいたり、やだね、年取ると」
備忘録も兼ねて、特に色々苦労して作ったYYG NT LABのMV3本のメモを書いていきます。もう忘れていきそうだから。何より自分らのMVが大好きだから。
(追加していきます)
Tyrkouaz - REBOOOOT
使用機材 SONY FX-3 Insta360 X3 連写カルディア ビューン16
ズームレンズ FE 12-24mm F2.8 GM SONY SIGMA28-70mm F2.8 DG DN SE
撮影期間1日。アーティストさんのみの出演。スケジュール自体は余裕あって、めちゃくちゃ気が楽だった。というか俺は何もしていない。
TOKYO NODE LAB
TOKYO NODE LABさんご協力のもとに作成したボリュメトリックビデオということで、自分の役目は最小限で編集や企画協力に留まってはいるものの、じっくり編集したため、すごく気に入ってます。やはりほとんど俺は何もしていません。
ボリュメトリックビデオの撮影は凄かった。NERVの司令室とか、戦艦の操縦室みたいな感じで。撮影というより、巨大な機械をみんなで動かして、数人で制御しながら動かしていくまさにロボットアニメの世界。大艦巨砲主義ロマンだねーとか思いながら、指示を出す金井氏の後ろ、バックヤードでセコセコとiphoneカメラ回していました(それが17秒とかラストカットのグリーンバックの画面直撮りカット群)。
楽曲を聴いた最初期の段階で、金井氏との会話の中でずっとやりたかったyoutube黎明期からの謎ビデオの一つgabber danceをオマージュするのは確定。
歌詞とストーリー
内側にいたんだよな神様
ありがとう「もういいよ!」
まずここがいい歌詞だなって思いました。
MVを考えるときに歌詞を意識することは少ないのだが、曲全体の豪快な展開に比して繊細でどこか後ろ向きな歌詞がとても合っているし、過去一番歌モノということもあり、妙に生々しく聞こえてくる。
最初の方で金井氏に話していたストーリーはこんな感じ。
逃げ惑っていた二人が、逆転のリバースカードを手に入れて、メタル化した身体のままでパワーアップして飛び続ける。
なんとなく参照しているのは遊戯王の決闘者の王国編のvsペガサス編の魔法効果の矢。あのトゥーンワールドを壊滅させたときの光によって霧が晴れていく。
そして最後まで実写の人間の姿に戻らない二人。
不登校の子に「いつまでも学校休み続けても良いじゃん!」って諭す先生みたいに、メタル化した身体になったままでも「身体が良いならいいじゃん!」って歌うような。
そんなことを考えていたので最後に実写カットを入れていません。二人は元の世界を戻らずメタル化したゲームの世界で彷徨い続けるのです。
化け物に変えられても映画の終わりで人間の姿に戻ったりせず、最後まで化け物の姿のままでいる作品の方が安直な道徳の方にもたれかからない覚悟、高貴さを感じます(『マダガスカル3』とかね!)
リファレンス その他
わかりにくいオマージュというかリファレンスとして、2分59秒のsouta氏のアップは七尾旅人のコーナーのアップ(これ自体がサイレント映画のオマージュっぽい)。
ドライヤーで髪を吹き上げてしつこいぐらい見せたかったんですが、編集段階でどんどん短くなっちゃいました。
撮影前日のギロディの『キング・オブ・エスケープ』を見ていたこともあり、逃げ惑い感はかなり同じ雰囲気で撮ろうとしています(1分40秒のカットとか)
でもできることなら森の中で撮りたかったっ! ていうか、いつか森のなかで彷徨うMVを撮りたい!
とにかく素材の全然違うアクションつなぎをこれでもかとやれて大満足(冒頭5~19秒あたり特に)。
ドラゴンのリップシンク(3分2秒あたり)も力技でやれて嬉しい。マルルーンさんのMVの力技羊リップシンクを見たときから憧れてました(下記URL2分17秒あたり)
1分10秒あたりのセクシーな表情も入れられてとても満足です(こことってもXのhideっぽいですね)
打ち合わせの際にTyrkouazの面々とジェットセットラジオの話で盛り上がり、撮影まで満を持してBomb Rush CyberfunkをPS4で購入し、三浦大知の実況動画片手にプレイしまくっていた思い出。それがどうなったのかはMVを見ていただければ。
余談ですが、その思い出は不死デスクで現在製作中の漫画作品にも活かされていることでしょう。
丸一日の撮影中の肉体労働に従事してくださったガトリングチワワさん、早朝から叩き起こして森の中にブラウン管テレビを運んでくれたこみやさん、そして何より最後の最後まで諸々の3D作業を粘り強くやっていた金井氏の鉄人ぶりに拍手。編集作業終盤、睡眠時間二時間とかで稼働し続けていて、もはや恐ろしかった。




























































































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