今週読んだマンガ#1
今週読んだ漫画は40冊くらい。
スペースで毎度毎度井戸畑机先生と西瓜士先生から教えてもらった漫画を読んだり。
・こっちむいて!みい子のwebtoon版
こっちむいて!みい子のwebtoon版が面白い。ここの3人で読んでいる共通のマンガがなぜかこれくらいってのも変な話なのだけれど。
・風水ペット
スペースで今井哲也先生とはじめてお話し、風水ペットをオススメする。
風水ペットの4巻がなんと電子だけの販売となり、そのショックを西尾雄太先生とわかちあいながら今井哲也先生にひたすら風水ペットを薦める謎のスペースになってしまった。
連日このマンガについて考えているけれど、まだ花輪和一をそんなに読んでなかった頃に、自分も風水ペットの1巻を読んで怖くてすぐに捨ててしまった。いまは面白くてしょうがないし、なんなら風水ペットが置いてある書店を訪れるだけで嬉しくなってしまうのだが。読むのには慣れとか時期みたいなのがある。
風水ペット(1) (ビッグコミックススペシャル) | 花輪和一 | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
電子でしか出ていない4巻。まじかぁー。
風水ペット(4) (ビッグコミックススペシャル) | 花輪和一 | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
今井哲也先生のいちばん好きな作品はやはり『ぼくらのよあけ』。好きとか以前に思い入れが強すぎる。連載で読んでいたが、主人公たちが阿佐ヶ谷を自転車で走り回りながら駅前やら当時いつも行っていたカラオケやら見慣れた景色がガンガン出てきて、このままじゃいつかおれたちが出てきてしまうんじゃないか……とか変な恐怖に苛まれながら物語にふけっていた。当時塾講師をやっていたのでやたら混んだ講師控え室で講師と生徒たちとここやね、これはあそこやねとか言いながら。変な読書体験だった。
ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンコミックス) | 今井哲也 | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
↓のユリイカで今井哲也先生のアンソロジー作品中心に書きました(宣伝)
今井哲也先生のアンソロジー作品のなかで個人的に一番好きなのは蟲師のこれ。
スペースで「元ネタは黒沢清の『回路』ですか…?」と恐る恐る今井哲也先生にきいたところ「『回路』は見ていない」とのこと。今井哲也先生のアンソロジーはどれもなんか外伝映画っぽいのがはじまった!?とワクワクさせられます。にしても芦奈野ひとし、今井哲也、熊倉隆敏、豊田徹也、吉田基已ってほんとうにこれぞアフタヌーンってメンバー。
・クロス・マネジ
西瓜士が人生ベスト!!と言いながら貸してもらった。青のフラッグは未見。
今でこそアオのハコがあるけれど、ジャンプで少女マンガみたいなコマ割りをガンガンやっていて新鮮。女の子が可愛くてもラブに寄せすぎず、ラクロス試合の熱にも寄せすぎず、ひたすら清涼感で押し切る感じ。打ち切られたのもわかるが、打ち切り決まったっぽいあたりからのアクセルの踏み方がたまらない。そもそも1巻でぜんぜんラクロスをやらないのがすごい。こういう妙にコミカルな中にフッとあるリリシズムが西瓜士のマンガの正体なのかとかおもったりして。
クロス・マネジ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | KAITO | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon
以下新刊
・R15+じゃダメですか?
映画紹介系マンガはたくさんあるけれど、これはちょっと頭一つ抜いておもろい。
映画紹介マンガは映画の比重がデカくなるか、キャラクターの比重がデカくなるかで難しいとおもうけれど、これはキャラクターと映画の内容との絡ませ方が丁寧で夢中で読んでしまう。あらすじとか、内容とかで安直な変で、スゴい映画を選んで、これ面白いでしょう?にならないように作者が工夫しているのが手に取るようにわかる。キャラの表情も抜群にうまいし。なんていうか演技のさせ方がうまい。
R15+じゃダメですか?(1) (モーニング KC) | 裏谷 なぎ, 岸谷 轟 |本 | 通販 | Amazon
・汚部屋そだちの東大生
新刊でもないかも。
2巻になってからの百合への角度のつけかたが良い。作者はひらマン出身らしい。
・拾われた男
松尾諭の原作付きとはいえ勝田文の新作。めちゃくちゃ面白い。今年ベスト。下巻もつい先日発売されたのでみなさん読みましょう。
拾われた男 上 | 松尾 諭, 勝田 文 |本 | 通販 | Amazon
・ストレンジハウスの子供たち
徳留圭秋先生の読み切り。ハルタ97に収録。大迫力でグロいよつばとみたいな? とにかく変で不思議でバカテクなマンガを読みたい人はぜひ。ハルタたまにこういうヤバい作品載りますな。
・よみがえる子猫たち
とにかくアクションがすごい。こんなふうに寄りと引きのリズムがカッチリしてる作品を読むと嬉しくなってしまう。タツキ以降を猛烈に感じる。
よみがえる子猫たち 1【電子版限定特典付き】 (MeDu COMICS) | 山うた | ファンタジー | Kindleストア | Amazon
・夏・ユートピアノ
ほそやゆきの先生の連載がはじまった。
こういうヤバいマンガを即シェアしてるといい時代になったなぁっておもったりする。
佐々木昭一郎の『四季~ユートピアノ』もyoutubeですぐに見られるっぽいのでまだ見ていない人は是非。
『都市パン』全ページ解説
『都市パン』全ページ副音声解説
- 1001
手を差し出す→目をそらす。
アクション始まりの映画ってカッコよくないですか。恐れ多くもペドロ・コスタの『血』っぽいのに憧れていました。
- 1002
舞台のモデルは南船橋の若松団地。ロケハンにも行ってモリモリ写真撮った。
イケアが巨大すぎて怖かった。
- 1003
今読むと三ページ目でいきなり時間とばすの度胸ありすぎててビビる。ここの「ワン」は最後のテレビをかき消す「ワン」からの逆算。
- 1005
『都市パン』はずっと前景と後景なのじゃ!と言っていて、それがこの頁あたりから顕著に出てる。
主人公は家でなぞの練り物をかき混ぜて食っている。
- 1006
これでもかとリモコンを前景に。ここの混ぜる手の線。
- 1007
町長の顔は吹き出しに消されている。
西さんのパンを引き裂いて食べるガキども。箸をぶっ挿してぐちゃぐちゃにするガキども。ここも前景と後景。ガキ大将の顔から入るのが、今回の作品のリズム感。
西さんの声だけが響く放送室。教室のうるささと放送室の防音っぷりの対比、みなさんも覚えてないですか?
中学生の分際で自分だけの部室みたいな牙城を持っていた放送委員たちがうらやましかったことを覚えています。
- 1008
頁をまたいで主人公の顔つなぎで、前景と後景はじまり。
治安が悪化する描写をこういう風に一コマで見せれてほんとうに良かった。かなりギリギリ最後らへんにこういう風に一コマで町の雰囲気を見せるって決まったのを覚えている。こういうのをだらだらやるとつまらなくなる。顔と向き合う吉成君。この次の頁で、はじめて西さんと顔と顔を正面から向き合う。顔と顔がはじめて向き合う瞬間をいかに後ろの方までとっておき、なおかつ劇的にできるかって、かなり大事だと思った。
- 1009
ここで「たかがギネスのために なんでみんなこんなに…」ということばの意味がわからないと、全然違う編集の人に言われたけれどそれもまた致し方なし。今回の話はけっこう狭いところにボール投げている気がします。
- 1011
前景と後景。今読んでもかなりはちゃめちゃなのだが、井戸畑さんと二人して黒田硫黄の『大金星』『大王』を連呼しながらやっていた記憶。いちばんこういうドライブ感が楽しかった。
- 1012
パンの中は空洞だった。みなさん、ちっちゃくなってパンの中に入りたくないですか?ぼくはうどん派ですが、パンのイースト菌カスカスの表面を眺めながら中に入りたいなっていつも思ってました。
- 1013
こういうアップがやれたので今回は大満足。クロード・シャブロルの映画でよくこういう、え?それ?みたいなものがクローズアップになるのでそれにあこがれてました。
- 1014
ぶち抜きヒロイン。名前は藤沢さんと呼んでいました。体臭を嗅いでパンを食ってないことがわかって繋がる、みたいなのあこがれてました。関係ないですが、スパゲッティばっかり食ってると体臭がくさくなる気がします。天井から垂れるコード。今回の短編は二ページに一回デカい見せ場をつくらないと、変な話だから飽きられるみたいなのを意識してます。
- 1015
三コマ目は井戸畑さんがよく描く職人大人の顔。ここで働かされているひとたちも、西パンでしいたげられたり、なんらかの不利益を被ってきた人たちなのでしょう。
- 1016
天井から伸びていたコンセントが何につながったかがここで明かされます。セリフはすべて『男たちの挽歌』の有名なシーンのパロディ。
- 1017
夜の団地で星を見ながら、「米は完全なんだ!」このマンガのタイトルはけっこうギリギリまで決まっておらず、最初は『パン・都市・戦争』でした。でもお互いに「都市パン」と呼んでてそれがそのままタイトルになってます。
- 1018
米食って、バキバキにキマって西さんの姿すら見えない吉成君。のちに「ここから逃げよう!」と諭すアホっぷりにはちょうどいいキマり具合というか、『トレインスポッティング2』の原作がこんな話でした。
- 1019
三コマ目の吉成くんエロすぎる。スターターピストルが「ぱん」になってたり、こういうところは全部井戸畑さんアイディア。スターターピストルのアマゾンレビュー見ていたら、友達の鼓膜割りまくるの楽しいーみたいなレビューがたくさんあってマジで怖かった。
- 1021
「もうここからじゃ顔に見えないよ」、このセリフむずくない?顔を近づける西さん。この三、四コマ目の表情ホンマ凄すぎる。井戸畑先生感謝。
- 1022
AKIRAバイクみたいな大友メカ乗っとる老人。ページ終わりでほがほが行ってて、次のページでアクションみたいな、読みの持続に気を使ってるっぽいな……。
- 1023
5コマ目は1007ページ目の町長の顔の隠し方と同じでそっくり。それどころか西さんと結婚した未来のようにすら見える。吹き出しをさえぎる手、それが頁をはやくめくれ!とせかしているかのように…
- 1024
前ページの手は吉成くんでした。じつは最初手をのばすのは、西さんの予定だったのですが、井戸畑さんが吉成君にするアイディアを出しこの形へ。大正解。すれ違う藤沢さん。空に大きく描かれたX。空は顔になることを拒否しているように見える。
- 1025
ページ始まりをデカいアクションにするのおすすめです。そしてガン引きのロングショット。この作品全体が超ロング超アップの繰り返しで作られています。「拾った」の差し出す前の凧と同化した西さんのコマ。ちょっとゾッとする雰囲気が少しありませんか?今見ると山内重保『カエル石のひみつ』のどれみっぽい。
- 1026,27
全部井戸畑さんアイディア。わしほんまなんもしとらん。全部井戸畑さん。井戸畑さん本当すごい。どうやってこんなの思いつくんだ。見切れてる手の描かれ方、なびく黒服、空に浮かぶ偽物の顔。
- 1028,29
ほとんどBut I'm a creep I'm a weirdoのテンションです。やはり西さんは顔を見せません。デカいコマで見せたら、けっこうちばてつや賞だなって思います。
- 1030
じつは一昨年あたり、高層階の病室で入院している友人の部屋の窓から友達が揚げた凧が見え、コツンコツンと病室の窓を叩くシーンがある映画を撮ろうと思っていました。んで凧にゴープロしばりつけたりしてたんですが、けっきょく全然飛びませんでした。凧にゴープロをしばりつけて、地上とそれを見上げる主人公たちの切り返しで泣かせたる!って思っていたんですが、それは叶いそうにありませんでした。原因はやはりゴープロの自重にありました。どれだけ走っても走ってもゴープロの重さを増した途端、飛ばないのです。結局、引きずられた凧の映像しか撮ることができませんでした。下で爆発でもおこってくれれば……。結局撮ることもなかったその映画の撮影ロケハンでそんなことをみんなで笑いあっていたのを昨日のことのように思い出したのかもしれません(?)
- 1031
三コマ目、西さんの手にニュートンの歯形。それを包み込む手。
- 1032
ここで伸びた糸が西さんの髪の描線を通じて、導線のように(はやくめくれ!)なっているのがお気に入りです。このマンガ、おもろいのかどうか不安で、出来上がった作品を最初に西瓜士(41号)さんに見せたときにこのページを褒めてくれて安心したのを覚えています。
- 1034
前景と後景。またなにかがはじまろうとしている。そこに人が集まろうとする予感。とてもアホくさい催しに。
以下ツイートから
顔との距離を取ることは難しい。だから食べるのではないかたちで顔そのものと向き合う必要がある。たとえばそれは顔の描かれた凧を飛ばすこととかを通して。
風に流されていくそれは、わたしたちが凧を自在に操ることができないことを、飛ばしている間中ずっと教えてくれる。凧を操るように凧にも操られること。それを許すこと。ちょうどいい距離感を保つことができたとしてもそれは風が吹いていた一瞬にすぎない。またすぐに「グロテスク」な日常は戻っていく。パンが西さんに似てないと言えるようになった吉成くんもいずれ西さんは自然に離れていくかもしれない。膝の上では犬がウンコをしようとしている。
2021マンガベスト10(佐藤タキタロウ,人間が大好き,okadada,ふぢのやまい,井戸畑机,投擲装置,華沢寛治,@maritissue,ほしがた,41号_西瓜士,げそにんちゃん,藤井夏子,関野葵)
みんなの2021年のマンガベストです。番号がない人は順不同。
- 佐藤タキタロウ(@katikatiyamazou)
- 人間が大好き
- okadada
- ふぢのやまい
- 井戸畑机
- 投擲装置
- 華沢寛治
- @maritissue
- ほしがた
- 41号_西瓜士
- げそにんちゃん
- 藤井夏子
- 関野葵
佐藤タキタロウ(@katikatiyamazou)
1 『フールナイト』/安田佳澄 (1.2巻)
・絵が良い上にオモロい。タツキフレンズ(賀来・龍)がやってるようなアクションを単なる超絶画力の暴力じゃなくて着実なカメラワークやカットの旨さで描写していく、その上タツフレに比べて話も圧倒的にオモロい。期待。
2 『借金女が船上カジノでバニーガール催●媚薬調教売春』/ハイパーUCサークル(読み切り)
・「このエロ漫画が凄い!2021」(俺主催・俺調べ)のオトコ編&オンナ編同率1位の奇作。多分ここ数年で一番凄いタツキフォロワー。ファイアパンチ5巻をオマージュした(?)絶頂シーンが全く倫理観無くて凄い。
3 『ルックバック』/藤本タツキ(読み切り)
・言わずもがな。このマンのインタビューでも「音」には言及されてたけど、やっぱりルックバックの醍醐味はライティング(照明)にあると思う。
4 『ア・ピリオド・イン・ウィンター』/岩崎真(読み切り)
5 『ヒーローコンプレックス』/タイザン5(読み切り)
6 『嫉妬の化身』/赤場遼(読み切り)
7 『PPPPPP』/マポロ3号(1巻)
8 『名犬ベス』/カワサキ(読み切り)
9 『GURU GURU GURU』/tomoyaWESTRIVER(読み切り)
10 『GIANT TORTOISE KILLING』/南賀なん(読み切り)
人間が大好き
1. わらびもちきなこ『しあわせ鳥見んぐ』
- 4コマなのに映像的で斬新
- 鳥の忠実な描写、
2. なるめ『ILY.』
- 緻密なフルカラードットで描かれる無二のイラスト
- 虚実の境界を揺るがすストーリーと美しく狂気的な青色
3. 熊倉献『ブランクスペース』
- ボルヘスを思わせる高純度な文学的SF
- コマ割りとカメラワークが上手い
4. 増村十七『バクちゃん』
- かわいらしい動物風の宇宙人が出てくるが絵柄とは裏腹にダイバーシティについて真剣に迫る
- 社会の寒々しさを思わせる引きの画面や街並みとロマンチックな空や宇宙の対比
5. 井戸畑机『ゆけ!日果さん』
- 漫画特有の表現の追求
- 言葉で説明せず小物・背景・横書きなどで表現する省略の利かせ方
6. 芦藻彬『SCISSIONE/分裂』
- リング綴じのループ漫画という無二の媒体
- ストーリーと構造の一致、再読で分岐する物語
7. 石川香織『ロッキンユー!!!新装版』
- 大きめのフォントサイズや勢いあるコマでロッカーやバンドマンのメンタル、ビッグマウスをジェットコースターのように表現してすごい
- 見開きをボカロPVのように使う表現
- 女性主人公の目線で生きづらい社会を丁寧に描いており、ハラスメントや性被害を男性キャラクターが察していくという流れも盛り込まれていて男性にも気付かせる
- フェミニズムだけでなくSF的仕掛けもありラストが凄い、続きが気になる
9. 赤井さしみ『たそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集』
- キュートな絵柄のショートショート漫画集、短いのにスムーズな導入から予想を裏切るオチまで盛り込む構成力が見事
- ハードカバー、カバーの特殊加工、カバー下のフルカラーイラスト、上下で違う色の花布、ページごとに異なる用紙、アンケートはがきの挿絵など本への愛情あふれる贅沢な製本
10. なおいまい『ゆりでなる♡えすぽわーる』
- 各話前後編の構成になっており前半で妄想を、解答編となる後半で時に残酷な現実を描く構成が秀逸
- "自分と他人の幸せの区別ができない人や 若い人間が自由になることを自分の人生が否定されることだと勘違いしている老害のために なんで私達が傷つかなきゃいけないんだろう"
okadada
キャリア的にもうここまでしなくてもいいのに、こんな誠実な作品珍しいと思う。
舐めてたというか久々すぎてこのパワーをすっかり忘れてしまってた。「萌え」的文化が産んだものの一つの到達点。
キャリアの中で疾走と泥臭い自問自答を繰り返しながらこの作品でもう一度他者への信用に止揚した来るべき馬鹿、感涙。
・川勝徳重「アントロポセンの犬泥棒」
全部面白い、「ロイコクロリディウムの恐怖」は読んだ時ため息が出た。
・米代恭「往生際の意味を知れ」
画面全体が図形のように気持ち良くてしかもついでに話でも楽しませてくれる、一番楽しい漫画。
・田口祥太郎「裏バイト:逃亡禁止」
不安の種以降のホラー漫画で一番新鮮で現代的、これ地味に御茶漬海苔とかホラーMまで視界に入ってると思う。
・藤本タツキ「ルックバック」
何を言っても飲み込まれてしまう、巨大なヒット作。
・井戸畑机「ゆけ!日果さん」
意識してなかったけどなんか何回も読んでしまってるのでやはり強い魅力がある。
・熊倉献「ブランクスペース」
緊張、というか痙攣してるSF。
・panpanya「魚社会」
安定してないのに安定した評価。「いえめぐり」と同一順位です。
ふぢのやまい
・千田大輔「ヒロインは絶望しました」
終わらせ方までずっとよかった。連載マンガの気持ちよさ。
・峰浪りょう「少年のアビス」
同じく。最高の交通事故。
・まにお「きたない君がいちばんかわいい」
何を読んでも面白い現在の百合姫を代表する作品として。
・ノムラララ「夏の魔物」
トーチ賞のコメントといい、椎名うみの帯コメントがすごすぎる。椎名うみマンガ論集出てほしい。
・をのひなお「明日、私は誰かのカノジョ」
届くべきところに届いている本物のマンガだという気がする。マンガにおける電話の使い方がすごい。
・木尾士目「sppotted flower」
一話読み終わるごとにページ数をかぞえてみてゾッとする。
・堀道広「おれは短大出」
ルックバックよりも興奮したかもしれない。
・岩崎真「ア・ピリオド・イン・ウィンター」
読み切りではぶっちぎりでほんとうにすごかった。全作品ともジャンルがちがう。
・板倉梓「瓜を破る」
声出てしまった。
・柘植文「中年女子画報 ためらいの48歳」
たまに小島信夫っぽい。
井戸畑机
・橘オレコ「プロミス・シンデレラ」
しっかりエンタメで娯楽な漫画ありがたい。
・矢寺圭太「ぽんこつポン子」
完結しちゃって寂しかったが最後までよかった。
この作者の絵は不思議とどんな話にもしっくりきてしまうのですごい。
・岩崎真「ア・ピリオド・イン・ウィンター」
淡白な絵に対してコマに妙なリアルさがある。
・岡田索雲「川血」
色んなどこかの河童が作画されてて良かった。
熱量が高くスピード感に感動する。感覚で読める漫画。
一番展開が気になる漫画。
・吉本浩二「こづかい万歳」
こづかい猛者がどんどんでてきて面白い。
・藤本タツキ「ルックバック」
初めて読んだときの衝撃がかなりでかかった。
・初対面でいきなり母乳の話をしてくる女子大生とホテルに行くのはヤバい
【告知】6/6(日)東京ビッグサイト青海展示棟
— 藤想@ケモ夫人連載中 (@kanon_pic) 2021年6月3日
新刊「初対面でいきなり母乳の話のをしてくる女子大生とホテルに行くのはヤバい」
異常なエロ漫画です。小部数。
その他既刊各種。
九度計による新刊もあります。
感染対策にご協力下さい。当日はよろしくお願いします。#COMITIA136 #コミティア136 pic.twitter.com/uFpSXLdZ1O
セリフが全部おもろい。
投擲装置
大石まさる『うみそらかぜに花』
いがらしみきお『お人形の家・寿』
森つぶみ『転がる姉弟』
森とんかつ『スイカ』
タナカミホ, 北村薫『空飛ぶ馬』
ナガノ『ちいかわ』
松本大洋『東京ヒゴロ』
ときわゆたか「Rebirth:肛内回帰」
https://book.dmm.co.jp/detail/b073bktcm03823/
藤本タツキ『ルックバック』
華沢寛治
・The End of The End of The World/すぎむらしんいち(読切)
・ヒロインは絶望しました/千田大輔
・婚活バトルフィールド37/猪熊ことり
・サターンリターン/鳥飼茜
・夏目アラタの結婚/乃木坂太郎
・るなしい/意志強ナツ子
・山峰くんと眼鏡と私/きゅうた
(pixivの漫画https://www.pixiv.net/artworks/82642739)
・まじめな会社員/冬野梅子
・ダブル/野田彩子
@maritissue
おとなになっても/志村貴子
https://book.dmm.com/detail/b900xkds00747/
ブランクスペース/熊倉献
https://book.dmm.com/detail/b895ahirz00812/
https://book.dmm.co.jp/detail/b915awnmg01251/
ひらやすみ/真造圭伍
https://book.dmm.com/detail/b600asgk01313/
魚社会/panpanya
https://book.dmm.com/detail/b371fhkss07535/
丹/幾花にいろ (GOT)
https://book.dmm.co.jp/detail/dmmmg_3253/
消えた初恋/アルコ
https://book.dmm.com/detail/b950vshes01053/
バグってデッドロック/高柳カツヤ(コアマガジン)https://book.dmm.co.jp/detail/s011akamj00497/
ファッション!!/はるな檸檬
今どこに何が入っているか言ってみなさい!/花犬 (ヒット出版社)
https://book.dmm.co.jp/detail/b120ahit01234/
ほしがた
森とんかつ「スイカ」
関野葵「くるくるくるまミムラパン」
・熊倉献「ブランクスペース」
・松本大洋「東京ヒゴロ」
・真造圭伍「ひらやすみ」
・藤本タツキ「ルックバック」
・ともひ「ゆうやけトリップ」
・稲垣 理一郎, 池上 遼一「トリリオンゲーム」
・住吉九「ハイパーインフレーション」
・INA「つつがない生活」
41号_西瓜士
41号_西瓜士 E01b (@Fortyone_go) | Twitter
・野豚物語(川勝徳重)
・東京鎌鼬(岡田索雲)
・填匝町都市パン化計画(不死デスク)
都市パン化計画 - 破防法(dolche.) - BOOTH
げそにんちゃん
・ippatu『虎鶫』、講談社 (原著:Ki-oon)
・ともひ『ゆうやけトリップ』、芳文社
・サ略をサクト『サツバツ世界』、作者個人サイト掲載
・佐藤夕子『ミムムとシララ ~ドラゴンのちんちんを見に行こう』、新潮社
・JH『ザ・ボクサー』、LINEマンガ掲載(原著:WEBTOON掲載)
・住吉九『ハイパーインフレーション』、集英社
・北村みなみ『グッバイ・ハロー・ワールド』、rn press
・田村結衣『矢野くんの普通の日々』、講談社
藤井夏子
本田「病める惑星より愛を込めて」
大山海「奈良へ」
意志強ナツ子「るなしい」
・川勝徳重「アントロポセンの犬泥棒」
・岩浪れんじ「コーポ・ア・コーポ」
関野葵
・安田佳澄「フールナイト」
・なまこ屋「にゃこと博士」
・大石まさる「うみそらかぜに花」
・藤本タツキ「ルックバック」
・魚豊「チ。-地球の運動について-」
・森つぶみ「転がる姉弟」
・和山やま「女の園の星」
・panpanya「魚社会」
・ネルノダイスキ「いえめぐり」
・熊倉献「ブランクスペース」
マンガ必読書101(井戸畑,赤井,滝,竹田,寛治,ほしがた)
1 黒田硫黄 『茄子』
「ランチボックス」が一番好き(井戸畑)
石ノ森ベスト。雨と風と斬撃(赤井)
3 大友克洋 『童夢』
何回読んでも一気に読めてしまう(井戸畑)
この頃のとよ田みのるにしかない叙情がある(赤井)
コマ割りが好き(井戸畑)
6 松本剛 『ロッタレイン』
天気を使った演出が本当にかっこいい(井戸畑)
8 小田扉 『フィッシュパークなかおち』
とても好きなので読んでほしい(井戸畑)
9 涼川りん 『りとるけいおす』
かわいい絵なのにギャグが下品でよかった(井戸畑)
10 榎本俊二 『ムーたち』
読み終わると頭が良くなった気がする(井戸畑)
11 近藤ようこ 『仮想恋愛』
“あんた 昨夜もあたしのとこに生霊とばしたでしょ”のセリフから始まる短編があります(井戸畑)
12 町田洋 『船場センタービルの漫画』
画面の白さがとても良く是非紙でも読んでみたい漫画(井戸畑)
13 西村ツチカ 『かわいそうな真弓さん』
絵のタッチが大好きで独特のテンポがあり漫画がうまい(井戸畑)
14 富沢ひとし 『エイリアン9』
エイリアンがキモすぎる…(井戸畑)
15 幸村誠 『ヴィンランド・サガ』
画面と話の密度が濃い(井戸畑)
16 齋藤なずな 『夕暮れへ』
リアルな人間がしっかり描かれていて漫画としてもカッコいいコマがたくさんある。特に『トラワレノヒト』の見開きが良い。(井戸畑)
17 水沢悦子 『ヤコとポコ』
ポコがかわいい(井戸畑)
18 山本美希 『SUNNY SUNNY ANN!』
絵で見せてくれる漫画(井戸畑)
19 森雅之 『追伸 二人の手紙物語』
文通したい…(井戸畑)
20 ほったゆみ 小畑健 『ヒカルの碁』
ルールが分からなくても面白い漫画はすごいと思いました(井戸畑)
21 岡崎京子 『pink』
家に帰ったらワニがいる生活ちょっと面白いかもしれん(井戸畑)
22 一條裕子 『わさび』
めくった瞬間から良いことが理解る漫画(井戸畑)
23 今市子 『楽園まであともうちょっと』
タイトルが良い(井戸畑)
24 イシヤマアズサ『真夜中ごはん』
半分以上カラーページでとにかく美味しそう!(井戸畑)
「ひもじい、寒い、もう死にたい。不幸はこの順番で来ますのや」
元祖日常系とも言えるこの作品は時にハッとさせられるような台詞やエピソードが挟まれ大人子供楽しめる名作(ほしがた)
26 山口貴由,南條範夫 『シグルイ』
肉体の描かれ方が良い(井戸畑)
27 池上遼一『サンクチュアリ』
セリフの言い回しが好きすぎて真似してた(井戸畑)
28 三島衛里子『高校球児ザワさん』
ザワさん、高校で出会いたかった〜〜(井戸畑)
29 池辺葵 『プリンセスメゾン』
最近引っ越したのでハッとするセリフが多くて良かった(井戸畑)
30 三好銀 『海辺へ行く道』
休日みたいな漫画(井戸畑)
31 もりやまつる 『親父』
これが1日の出来事なの濃すぎてすごい(井戸畑)
32 風太郎不戦日記
この方はなんでも描けるんだなぁ…(井戸畑)
33 アンダーカレント
静かな漫画が好きなので(井戸畑)
最終巻の死の速度がクセになる(赤井)
"エモ"だけで読者をブッ飛ばそうという気概(滝)
【「次にカッコいいコマがくる予感」がするコマ】が一番多い漫画(滝)
「痛みを伴って発光する主人公」とかいう日本ヒーロー史におけるエポックであり総括(滝)
38 松本大洋『何も始まらなかった1日の終わりに』
この作品での昼と夜、生と死への言及は松本大洋の白と黒しかない「漫画媒体」への応答と言うに相応しい(と思う)(滝)
39 三卜和貴『ねつのなか』
オーソドックスなプロットに『陸上』というテーマを加えて味付けする試みは、crybabyより上手くいってる(滝)
https://book.dmm.co.jp/detail/b158aakn00755/
40 植木浮絵『IT'S A POPPIN'TIME』
ジャンプ+で読める漫画の中で一番面白い。これ読んでる人も読め(滝)
41 浅野いにお『おざなり君』
ギャグ漫画のキャラクターが"枠外の情報"を頼りに社会から逃亡する ってプロットの時点でかなり勝ってる(滝)
呂布は黒人であった(ほしがた)
二代目になってからが本物。密度が19巻でベストに達する(赤井)
44 大横山飴『落ちない雨』
COMIC アオハ 2019春の短編も(赤井)
45 赤坂アカ『ib インスタントバレット』
赤坂アカは天才(赤井)
弘兼憲史はマンガがうまい(赤井)
伊藤計劃マンガ(赤井)
この世で一番おもしろい(赤井)
49 植芝理一『ディスコミュニケーション』
1巻を読んだ高校生の時、読んじゃいけないと思って封印しました(赤井)
ダンスによって恥じらうこと(赤井)
『敷居の住人』~『放浪息子』2巻までしか存在しない志村貴子がある(赤井)
52 相田裕『イチゴーイチハチ!』
『ガンスリンガー・ガール』よりもこっち(赤井)
53 華倫変『カリクラ』
モーニングの新人賞受賞者がいちばん読んでるマンガらしい(赤井)
55 靴下ぬぎ子『ソワレ学級』
2016年にはこのマンガと『君の名は』しかなかった(赤井)
庵野秀明の嫁なだけではもちろんない(赤井)
57 根本敬『ズボン塚の由来』
根本敬はじつはちゃんとマンガがうまい(赤井)
58 松島直子『すみれファンファーレ』
IKKIコミックスで一番過激(赤井)
59 鬼魔あづさ『夜の橙火と日向のにおい』
まじで変な漫画。でもずっと泣いてしまう(赤井)
轍を残して風になるのです(赤井)
61 柏木ハルコ『花園メリーゴーランド』
ラストのハエ(赤井)
62 すぎむらしんいち『ホテルカルフォリニア』
楽しくてバイオレンスで寂しくて最後は虚しい。ヒロインに魅了されるようにこっちも引きずり込まれる(寛治)
純粋に麻雀に魅せられて運否天賦の勝負に身を置き続ける雀士たちの恍惚、挫折、人情と、高潔な魂を味わえる(寛治)
走る枯れた描線とグロとアクションの中、赤ずきんの研ぎ澄まされた美しさ、あどけなさにハッとする(寛治)
65 石黒正数『外天楼』
66 西田荘『ピンクのキャンディー』
http://www.moae.jp/comic/morningzero_pinknocandy
70 安達哲『キラキラ』
71 今井哲也『ぼくらのよあけ』
ジュブナイルsfの傑作、相米慎二好きには読んでほしい(ほしがた)
6部が一番面白い(井戸畑)
76 熊倉献『春と盆暗』
変な絵のコマがいっぱいあって良い(井戸畑)
77 タナカカツキ『えんとつにのぼる子』
79 ちばてつや『おれは鉄平』
あっという間に読める(井戸畑)
81 都留泰作『ムシヌユン』
ほんわかしてて良かった(井戸畑)
84 黒崎冬子『無敵の未来大作戦』
86 手塚治虫『人間昆虫記』
文庫版は真崎守解説(赤井)
87 つの丸『たいようのマキバオー』
88 小山ゆう『がんばれ元気』
90 雲田はるこ『新宿ラッキーホール』
表紙買いが成功したマンガ
91 衿沢世衣子『おかえりピアニカ』
93 真崎守『共犯幻想』
95 冬川智子『マスタード・チョコレート』
イロモノ格闘家のオンパレード(ほしがた)
97 秋☆枝『恋は光』
98 omio『オゲハ』
100 古谷実『ヒメアノ~ル』
一円文学
スペースでamazon一円本(送料別でマケプレ一円で置いてある本)の流れになったので備忘録として。
もはや完全に忘れられた作家、西村寿行。ほぼすべての著作が1円で読める。
伊東黒雲さんに教えられて知った『本の雑誌』での西村寿行特集は、歴代寿行編集者による数々の異常寿行伝説が読める(「カニが俺を見てる」「海上保安庁に連絡しろ」)
この流れでいえば清水一行も一円文学作家である。
寿光~大藪ラインで片岡義男も見てみたが、存命のチカラなのか、なかなか値崩れはしていない。『スローなブギにしてくれ』は300円~、『彼のオートバイ、彼女の島』に至っては絶版高騰してとんでもない値段になっている。
ブックオフ常連作家である伊坂幸太郎、東野圭吾、百田尚樹あたりも読まれ続けるということだけあってなかなか一円にはならず、村上春樹、村上龍あたりも一円にはない。
意外なところで梁石日は一円。
笠井潔のこの小説も一円。
佐々木譲、大沢在昌あたりの刑事小説作家もなかなか一円そうに見えて一円には程遠い。一円になるための条件はかつて広く読まれていたこと、そして完全に忘れられることがあるのではないか。
もうひとつの1円文学の潮流がライトノベルである。
以下、現在も読まれるべきゼロ年代ライトノベル群として名前があがった一円文学。
脳Rギュルのみ、天皇がTwitterに貼った直後1600円台まで高騰したので注意。ここで挙げた一円文学のいくつかの値段は動く可能性がある(四、五冊程度売れても寿行はビクともしないだろうが)。
海外文学でもいくつか一円文学を。
池田真紀子翻訳の傑作ミステリー(?)
岩波スタンプブックスからも。
怪小説。翻訳は黒丸尚。
これもホラーの枠だけど変な小説。
アルフレッド・ベスターも一円!
以下話に出た本
マンガ(の)本
「コマ割りでなんかいい本ないですか?」
「マンガの描き方のなんかいい本知ってますか?」
なんて質問を聞かされて「やっぱり石子順造が…」「呉智英の…」とはじめざるを得ない先輩たちに妙に違和感を感じていて、それらしいブックガイドが目につかなかったので*1友人たちと書きました。
これいい本だったよ、これがねえよみたいなのあったらドシドシ教えてください。
いきなり入手難易度が高い本ですが、これを読んでいるか読んでないかでマンガの読み方が変わる本。
この本の中で分析されている上山徹郎の『電人ファウスト』は『チェンソーマン』の藤本タツキがインタビューで名前を挙げている。藤本タツキが名前を挙げるマンガはどれも必読。以下藤本タツキマンガ。
タツキ言及以降高騰。
以前はブックオフに死ぬほどあったABARAも枯渇しましたね。
「ポップなアバラ、ダークなフリクリ」のダーク分。あと「俺、キャッチボールがしたいんだった」の元ネタ。これより面白いマンガあんまない。
・マンガ学
旧訳が絶版になり、新訳で手に入りやすくなった。それでもやや高(6400円)ですが、その価値はあります。
・漫画のスキマ
実用書として代表的なもの。発行は古いが未だに現役。たとえば以下のようなツイート。
菅野博之先生著の、 漫画のスキマという本が大変勉強になります!
— つるまいかだ🏅②巻発売中 (@2lm_ykd) 2020年3月19日
個人的には無駄コマが多くなるクセがあるので、かとうひろしさんの本に助けられました。後は好きな漫画を参考にさせて頂き勉強しています。#マシュマロを投げ合おうhttps://t.co/SEslherdxg
描かないことにはしょうがないんだけど それでも知識の有無は大事なので この世で 唯一役にたつ 漫画のハウツー本ですよ 漫画のスキマ―マンガのツボがここにある! (Comickersテクニックブック) 菅野 博之 http://t.co/jDi50yzW
— 紙魚丸 (@shlml) 2012年7月26日
・10ステップで完成!今すぐマンガが描ける本
こうの史代のネーム解説読んですぐに描ける(気持ちになる)本。とにかく中古価格が安く実用的。
・カッコイイ男キャラクター漫画教室!
『めくる冒険』以降の本。コマ内の視線誘導やいわゆる「異時同図」について具体的に描かれていて侮れない。
・即戦力の漫画背景
・グリッドで背景を描く
背景関係ではこの辺り。
論考になりますが川勝徳重「畳の目から「私漫画」を考える。」もマンガの背景について考える際に必読級。
漫画雑誌『架空』16号 - セミ書房第2編集部 - BOOTH
・電脳漫画技研
一昔前の本だけど、技術的な話を中心にこの作家陣で一冊に収まっている奇跡の本(古書価格も安い)。
・デジタル漫画のテクニック
近々の描き方本のなかではかなり刺激的(らしいです、積読)。
・映像の原則
あまりにも有名な本だけどこれを読んでマンガを描いている人もまた多い。今井哲也がどこかでこれを読んでマンガを描くことについて語っていた(らしい)。
↓などもアニメーター志望からマンガを描く人たちが割と読んでいる印象。
ここから先はマンガを描くために確実に役立つであろう批評や論集など。
・マンガの読み方 別冊宝島EX
必読文献扱いされ続ける(と同時になぜか復刊されない)95年(一説によると94年らしい)刊行の名著。マケプレで買うしかないのが心苦しい。
・マンガはなぜ面白いのか
意外と夏目房之介の書籍「マンガ表現論」をゴリゴリやっているものは少ないのですが、そのなかでもこれを。有名な「岡崎京子のトーンの貼り方が特殊なのはどうして?」などもこれ。
・漫画原論
『マンガの読み方』と同じマンガ研究アンセム。四方田犬彦の本の中で間違いなくいちばんおもしろい。
・マンガのシステム
完全に理論書だけどこの流れだと必読。ジル・ドゥルーズ、ロラン・バルトとか出てくるけど全然読める。2011年に出た続編『Bande dessinée et narration(Système de la bande dessinée, 2)』のほうが面白いという話を一部で聞く。
・マンガは変わる
テヅカイズではなくこれ。白状するとこの本を読むまで黒田硫黄の読み方がわかりませんでした。
・マンガと映画
極太にしたいくらい必読。このページに載っている本で最初にこれから読みはじめてもいいくらいですが踏まえるべき文脈があまりにも多く、表象とかアニメルカでの三輪さんの論考のほうが実作者向けとしてタメになるかも(そんな言い方していいのかわからんが)。
作家論が続きます。
・岡崎京子論
岡崎京子ほど「雰囲気」で読めてしまうつもりになってる作家もない。そういえば大友克洋論ってないのが不思議。
・梅図かずお論
かなり論の運びに強引なものを感じるものの今後ここまでの厚さの楳図かずお論が書かれる気がしない。楳図かずおのコマのヤバさについてもっともはやく指摘していた批評家、峠あかね再評価本でもある。「楳図かずおのコマはどこかスピルバーグのカット割に似ている」すごい。
・石ノ森章太郎論
石ノ森章太郎といえば『佐武と市捕物控』のビッグコミック版(読んだことのない人は『佐武と市捕物控 コマ』などで画像検索してほしい)ですが、その辺りも含めた上で「コマが異常にカッコいい作家石ノ森章太郎」で終わっていない。数少ない『マンガと映画』以降の本。
・マンガ視覚文化論 マンガを見るという体験
この二冊が絶版なのがキビしい。
鈴木雅雄「瞬間は存在しない――マンガ的時間への問い」、細馬宏通「吹き出しの順序と帰属について」などなど。
・ユリイカ
バックナンバーで特に記憶に残るのがこうの史代特集の中田健太郎、近藤聡乃特集の可児洋介、山本直樹特集の鶴田裕貴、志村貴子特集の伊藤弘了…などなど。最近のマンガ家特集はいずれも読みごたえのある論が絶対ひとつは載っていておそろしい。
などなど無限に続くと思いますがとりあえずここまで…。
*1:岩下朋世『キャラがリアルになるとき』巻末ブックガイド(キャラがリアルになるとき ―2次元、2・5次元、そのさきのキャラクター論― | 岩下朋世 |本 | 通販 | Amazon)は非常に参考になりましたが、この記事ではマンガ研究者志望向けというより、もっと描き手向けになることを目指しました。